250cc相当なのにナナハンクラスの加速力、電動スクーターってスゴイ!|BMW・C evolution

実際はまだ現実的に使えないよね、だとか、速いって言ったって「電動ナリ」でしょう? と言った認識もあるかと思うが、もうそういった考えは完全に捨て去った方が良いと断言。BMW・Cエボリューションの速いことと言ったら! 100km/hまでの加速なら250ccクラス最速!どころじゃない速さなんです。

TEXT●ノア セレン
PHOTO●山田俊輔

※2020年7月16日に掲載した記事を再編集したものです。
価格やカラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

BMW・C evolution
倒立フォークはしっかりとステム上下でクランプされ、スクーターらしからぬ剛性を確保。大きな車体をしっかりと支えてくれた。サスの設定はハードめでダイレクト感のあるもの。首都高の継ぎ目などではコツコツとわずかに突き上げてくる感覚も。この速さを考えるとダブルディスクは当然の装備だろう。
BMW・C evolution
50km/hに到達するのに僅か2.8秒というが、感覚的には1秒ぐらいだ。TCA(トルクコントロールアシスト)はトラコンのような機構でリアタイヤの空転を監視するだけでなく、強い回生ブレーキが悪路で働いた時にはリアのホッピングも抑えてくれる。リアサスは一般的な1本ショックでプリロード調整可能。
BMW・C evolution
ワイドなスクリーンが未来感を出しているが、一般的なキーシリンダーを備えるなど乗り出しやすさ、アクセスのしやすさは高い。全体的に幅広な感じはあるが、渋滞路でも特に幅が気になるということはなかった。
BMW・C evolution
電動だと何かと複雑かと思いきや、とても簡素なスイッチ類。左は簡単なメーター表示切替ボタンとリバースボタン。かつての左右独立ウインカースイッチは廃止されており、一般的で使いやすいウインカースイッチ、ホーンボタンが採用されて久しい。
BMW・C evolution
右側は最近のBMW共通となる、セル・キル・モード・グリップヒーターという最も使用頻度の高い4機能。
BMW・C evolution
簡素で見やすいカラーメーター。スピードなど必須情報はもちろん、バーグラフ状に表示される電力使用状況や回生ブレーキによる充電状況、残走行距離など、とてもシンプルで必要な情報が何のストレスもなく入ってくる。近年のプレミアム大排気量エンジン車の方がよっぽど複雑である。
BMW・C evolution
ハンドル下左側に充電ポート。帰宅したらここに挿しておく、という感覚だろう。
BMW・C evolution
右側の小物入れの奥には標準装備されるETC2.0が収まるが、若干アクセスが難しいかもしれない。
BMW・C evolution
車体全体が幅広ということもあって、シートも幅があって快適なもの
BMW・C evolution
車体の大きさを考えるとシート下トランクはコンパクトなイメージではあるものの、着用していたジェットヘルメットは問題なく収納できた。ただ付属する充電ケーブルがけっこう大きめで、これを持ち歩くとなるとトランクスペースの用途は限られてしまいそう。
BMW・C evolution
BMW・C evolution
BMW・C evolution
スプリットフェイスと呼ばれる、近年のBMWらしいフロントマスク。
BMW・C evolution
足元のボリュームに対してシュッと締まったテールはLEDのもの。純正アクセサリーでトップボックスなども用意される。

主要諸元

●エンジン
形式:液冷オルタネーター搭載ドライブトレインスイングアーム、永久磁石式同期電動機、内部ローター
最高出力:35 kW (48 PS) / 4,650 rpm
定格出力:19 kW (26 PS)
最大トルク:72 Nm from 0 to 4,650 rpm

●性能・燃費
最高速度:129 km/h
0-50 km/h加速:約2.8 秒
0-100 km/h加速:約 6.2 秒
航続距離:約160 km(定地走行値)
電力回生方式:自動電力回生(下り坂走行時およびブレーキング時)

●電装関係
バッテリー:空冷リチウムイオン高電圧バッテリー
バッテリー電圧:133 V(公称電圧)
充電能力:3 Kw ブースターファン付一体型チャージャー
充電時間:220 V / 12 A(標準) 約4時間30分(100%)、約3時間50分(80%)
充電時間:220 V / 16 A(モード3ケーブル) 約4時間10分(100%)、約3時間30分(80%)
サブバッテリー:12 V / 8 Ah メンテナンスフリー
オルタネーター:直流変流器、バッテリーチャージャー一体型、475W(定格出力)

●パワートランスミッション
駆動方式:歯付ベルトおよびリングギアによるリアアクスル動力伝達ドライブトレインスイングアーム

●車体・サスペンション
フレーム:アルミダイキャスト耐荷重バッテリーケース付ハイブリッドシャーシ、チューブラースチールステアリングヘッドキャリアおよびリアフレームをボルトオン
フロントサスペンション:倒立式テレスコピックフォーク(40 mm径)
リアサスペンション:ダイレクトリンクスプリングストラット付シングルスイングアーム、7段階スプリングプリロード調整付
サスペンションストローク、フロント / リア:120 mm / 115 mm
軸距(空車時):1,610 mm
キャスター:95 mm
ステアリングヘッド角度:65.9°
ホイール:アルミキャストホイール
リム、フロント:3.50 x 15"
リム、リア:4.50 x 15"
タイヤ、フロント:120 / 70 R15
タイヤ、リア:160 / 60 R15
ブレーキ、フロント:ダブルディスク、径270 mm、2ピストンフローティングキャリパー
ブレーキ、リア:シングルディスク、径270 mm、2ピストンフローティングキャリパー
ABS:BMW Motorrad ABS

●寸法・重量
全長:2,190 mm
全幅(ミラーを除く):947 mm
全高(ミラーを除く):1,255 mm
シート高、空車時:765 mm (コンフォートシート:785 mm)
インナーレッグ曲線、空車時:1,745 mm (コンフォートシート:1,770 mm)
車両重量:275 kg  1)
1) 空車重量、走行可能状態時

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著者プロフィール

ノア セレン 近影

ノア セレン

実家のある北関東にUターンしたにもかかわらず、身軽に常磐道を行き来するバイクジャーナリスト。バイクな…