【実走燃費17km/L】ツアラーとしての総合力はピカイチ。カワサキ・Ninja1000 SX 試乗。

Z 1000ベースのスポーツツアラーとして侮れない人気を誇っていたNinja1000。その後継の進化系ニューモデルが同SXとしてデビュー。2020年4月4日から新発売された。 ※2020年6月2日、動画を追加しました。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●カワサキモータースジャパン

※2020年5月22日に掲載した記事を再編集したものです。
価格やカラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

カワサキ・Ninja1000SX
目つきの鋭いフロントマスク。左右にセパレートされたLED式ヘッドランプ。写真はロービーム状態。ハイビームは下段の2灯が追加点灯する。
カワサキ・Ninja1000SX
デュアルディスクブレーキローターはφ300mm。対向4ピストンのモノブロックキャリパーがラジアルマウントされている。フロントフォークはφ41mmの倒立式。
カワサキ・Ninja1000SX
水冷DOHC16バルブ4気筒エンジンはショートストロークタイプの1,043cc。吸気系にはφ38mmのスロットルボディに電子制御式スロットルバルブが採用されている。
カワサキ・Ninja1000SX
右側1本出しになった大容量マフラー。これにより2kgの軽量化に貢献している。リヤディスクローターはφ250mm。シングルピストンのピンスライド式油圧キャリパーを採用。
カワサキ・Ninja1000SX
ボトム側に長いアームのリンクを持つモノショック・サスペンション。ピリオンステップの直ぐ上にあるダイヤルを回すことで、プリロードが無段階調節できる。
カワサキ・Ninja1000SX
左側にマフラーが無くなり、スッキリした車体まわり。偏心タイプのチェーンプラーが採用されている。ピリオンステップの直ぐ上にはヘルメットホルダーが装備されている。
カワサキ・Ninja1000SX
フロントフォークのトップエンドをクリップオンするセパレートハンドル。スクリーンはコンパクトなデザインである。
カワサキ・Ninja1000SX
走行モード変更やディスプレーのコントロール、そしてクルーズコントロールなど多彩な切り替えや選択操作を担うハンドル左側のスイッチ群。
カワサキ・Ninja1000SX
シンプルな右側のスイッチも新設計されて、エンジンキルスイッチと始動用セルスターターは一つのスライドスイッチ操作で兼用する。
カワサキ・Ninja1000SX
TFTフルカラー液晶ディスプレー式のメーター。表示方法や表示内容が多彩で、好みに応じたセットアップができる。
カワサキ・Ninja1000SX
ハンドル左側スイッチのRESETボタンを押すと白黒反転表示できる。タコメーターの棒グラフ表示は緻密な伸び方でアナログ的だ。
カワサキ・Ninja1000SX
座り心地の良いワイドシートだが、前方部の幅がスリムに絞られていて、エッジの形状も足つき性をスポイルしないデザインである。
カワサキ・Ninja1000SX
テールカウル左脇のキーロックを解錠するとリヤのシートクッションが脱着できる。内部は若干のスペースがあり、ETC機器の標準装備の他、少しの工具も収納されていた。
カワサキ・Ninja1000SX
テールランプデザインは踏襲されている。テールのエンドカウルに組み込まれたランプは後方の高い位置からの被視認性がイマイチ。ウインカーやナンバーランプはLED化されてスマートなデザインに一新された。
カワサキ・Ninja1000SX
フロントスクリーンは4段可動式。写真は最も低く角度が寝た状態。全高は1,190mm。
カワサキ・Ninja1000SX
写真は最も高くスクリーンを立てた状態。全高は1,225mm。スクリーン内側の右下にあるレバーを押すことで角度調節できる。
カワサキ・Ninja1000SX
右出し1本マフラーの採用でリヤ周りの車体はかなりシュッとした印象だ。

主要諸元

型式:2BL-ZXT02K
全長×全幅×全高:2,100mm×830mm×1,190mm(1,225mm・ハイポジション)
軸間距離:1,440mm
最低地上高:135mm
シート高:820mm
キャスター/トレール:24.0°/98mm
エンジン種類/弁方式:水冷4ストローク並列4気筒/DOHC 4バルブ
総排気量:1,043cm³
内径×行程:77.0mm×56.0mm
圧縮比:11.8:1
最高出力:104kW(141PS)/10,000rpm
最大トルク:111N・m(11.3kgf・m)/8,000rpm
始動方式:セルフスターター
点火方式:バッテリ&コイル(トランジスタ点火)
潤滑方式:ウェットサンプ
エンジンオイル容量:4.0L
燃料供給方式:フューエルインジェクション
トランスミッション形式:常噛6段リターン
クラッチ形式:湿式多板
ギヤ・レシオ:
 1速…2.600(39/15)
 2速…1.950(39/20)
 3速…1.600(24/15)
 4速…1.388(25/18)
 5速…1.238(26/21)
 6速…1.107(31/28)
一次減速比/二次減速比:1.627(83/51))/ 2.733(41/15)
フレーム形式:ダイヤモンド
懸架方式(前/後):テレスコピック(倒立・インナーチューブ径41mm)/スイングアーム(ホリゾンタルバックリンク)
ホイールトラベル(前/後):120mm/144mm
タイヤサイズ(前/後):120/70ZR17M/C (58W)/ 190/50ZR17M/C (73W)
ホイールサイズ(前/後):17M/C×MT3.50/ 17M/C×MT6.00
ブレーキ形式(前/後):デュアルディスク300mm(外径) /シングルディスク250mm(外径)
ステアリングアングル(左/右):31°/ 31°
車両重量:236kg
使用燃料無鉛:プレミアムガソリン
燃料タンク容量:19L
乗車定員:2名
燃料消費率(km/L):23.0km/L(60km/h・定地燃費値、2名乗車)
           17.5km/L(WMTCモード値、1名乗車)
最小回転半径:3.1m

ライダー・プロフィール

カワサキ・Ninja1000SX
近田茂
元モト・ライダー誌の創刊スタッフ編集部員を経てフリーランスに。約36年の時を経てモーターファン バイクスのライターへ。ツーリングも含め、常にオーナー気分でじっくりと乗り込んだ上での記事作成に努めている。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…