肩肘張らず、ラフに乗れる大人のバイク、それはBMW・R nineTのこと!|排気量1169cc

様々なメーカーからリリースして人気を博しているヘリテージスタイル。2013年にBMWが打ち出したR nineTは、これぞ「モーターサイクル」と言わんばかりの硬派な出で立ち! ベーシックなスタイルゆえにカスタム人気も高く、イジる楽しみも持ち合わせていて、フレームとタンクを共通とした派生モデルもリリースされている。今回は、ベーシックモデルのオプションカラーに多数のカスタマイズパーツが装着されたスタイリッシュな一台をたっぷり眺めて乗り回しました!

REPORT●川越 憲(KAWAGOE Ken)
PHOTO&EDIT●佐藤恭央(SATO Yasuo)

※2020年5月10日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

BMW・R nineT

4ストDOHC空油冷対向2気筒1169ccエンジンは、水冷になる前のR1200GSと同型だ。試乗車はオプションのシリンダーヘッドカバー(storm)やオイルフィラープラグが装着されてメタル感を強調!

BMW・R nineT


エアインテークはタンク右側部分に配置。無骨なスタイルがネオクラシックの雰囲気を増長させている。

BMW・R nineT

マフラーはアクラポヴィッチ製の2本出し(メーカーオプション)で迫力のある重低音を響かせる。鈍い光沢のチタン色は高級感満点だ! 

BMW・R nineT

前方が大きく削り込まれたシートはクッション性に優れ、足着き性の良さにも貢献。オプションのアルミ製シングルシートカバーによって腰の据わりが良く、キー付きではものの小物入れとしても活用できるのが嬉しい。なおシートホルダーも変更されている。

BMW・R nineT
BMW・R nineT

ステップ(フットレストアッセンブリ―)はOption719のオプションで12段階調整が可能。ステップバーも非常に完成度の高いローレット加工でホールド性も抜群! タンデムステップにもビレットパーツが装着されていた。

BMW・R nineT
BMW・R nineT


ブレンボ製4ポットラジアルマウントキャリパーはモノブロックで剛性も高い。フローティングダブルディスクと組み合わせて高い制動力とコントロール性を発揮する。アンダーブラケットにはステアリングダンパーも装備。

BMW・R nineT
固定式のシングルディスクに2ピストンフローティングキャリパーの組み合わせ。ドライブシャフトの取り回しは、一般的なバイクの左側チェーンとは反対なのでサイレンサーも左側にレイアウトされる。
BMW・R nineT
アナログ式の丸型2連メーターは伝統的なレイアウトだが視認性は高い。洗練された文字盤により古さは感じさせない。2017年モデルから中央の液晶パネルが廃止され、メーター内に組み込まれるシンプルなデザインに。時計、外気温、走行距離のほか、電圧や走行時間も表示する。
BMW・R nineT
BMW・R nineT

BMWの最新モデルと比べると、スイッチ周りはシンプル。2017年モデルからグリップヒーターが標準装備され、右側スイッチボックスにON/OFFスイッチを装備。

BMW・R nineT

リヤのモノショックサスペンションは油圧式のプリロード&減衰調整機構を採用。EVOパラレバーユニットはスロットルオン/オフによるピッチング動作を軽減する効果も!

BMW・R nineT
BMW・R nineT

フロントフォークの調整にプリロードと減衰調整機構を採用。左側がコンプレッション、右側がリバウンドの左右別体方式。

BMW・R nineT
オーソドックスな丸型ヘッドライトはクラシカルなイメージで、流行のLEDではなくハロゲンバルブを採用している。リフレクト効果が高く、夜間走行でも十分な明るさを提供。
BMW・R nineT

LEDを採用した小振りなテールランプはそのままでもカスタム度が高い。エッジの効いたウインカーとともにリヤ周りをスタイリッシュにまとめあげている。

BMW・R nineT
BMW・R nineT

CNC削り出しの左右レバーとマスターシリンダーカバーはオプション品。クラッチレバーは3段階、ブレーキレバーは5段階調整のアジャスタブル仕様。Option 719と BMWロゴがマークされてプレミアム感を演出している。

主要諸元

■車体寸法・重量
全長:2,105 mm
全幅(ミラーを除く):870 mm
全高(ミラーを除く):1,060 mm
シート高:805 mm
インナーレッグ曲線:1,785 mm
車両重量:222 kg
燃料タンク容量:18 L(リザーブ約3 L)

■エンジン
エンジン型式:4ストロークDOHC水平対向2気筒4バルブ
ボア×ストローク:101 mm x 73 mm
排気量:1,169 cc
最高出力:81 kW(110PS)/ 7,750 rpm
最大トルク:116 Nm / 6,000 rpm
圧縮比:12.0 : 1
点火/噴射制御:電子制御エンジンマネージメントシステム(DME)、燃料カットオフ機能付
エミッション制御:三元触媒コンバータ、排ガス基準EU4をクリア
燃料消費率(WMTCモード値クラス3 ※1名乗車時):18.9 km/L
燃料種類:無鉛プレミアムガソリン

■電装係
オルタネータ:720 W
バッテリー:12V / 12Ah(メンテナンスフリー)

■パワートランスミッション
クラッチ:乾式単板
ミッション: 6速
駆動方式:ドライブシャフト式

■車体・サスペンション
フレーム:スチールパイプ製4ピースフレーム
フロントサスペンション:倒立式フォーク(46 mm径)
リヤサスペンション:BMW Motorrad EVOパラレバー、センタースプリングストラット、片持ち式スイングアーム、可変リバウンドダンピング調整、プリロード油圧調整式
前後サスペンションストローク:120 mm
軸間距離:1,490 mm
キャスター:107.9 mm
ステアリングヘッド角度:63.2°
ホイール:スポークホイール
ホイールサイズ:
フロント:3.50 – 17"
リヤ:5.50 – 17"
タイヤサイズ:
フロント:120 / 70 ZR17
リヤ:180 / 55 ZR17
ブレーキ:
フロント:フローティングダブルディスク、4ピストンモノブロックブレーキキャリバー
リヤ:固定式シングルディスク、2ピストンフローティングキャリバー
ABS:BMW Motorrad ABS

ライダープロフィール

川越 憲

1967年生まれ。有限会社遊文社・代表取締役にしてバイク誌を中心に活動するフリーライター・編集。現在所有するバイクはBMW R1150GS・BUELL XB9SX・TZR250(1KT)・NSR250R(MC18)etc.。 趣味は草野球、バレーボール、映画鑑賞(16mm映写技師免許所持)。

BMW・R nineT
川越憲

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著者プロフィール

川越 憲 近影

川越 憲

1967年生まれ。有限会社遊文社・代表取締役にしてバイク誌を中心に活動するフリーライター・編集者。現在…