ネオクラシックなんて言葉がなかったときからシーンを牽引|トライアンフ ボンネビルT120試乗

トライアンフ・ボンネビルT120|決して懐古主義ではない、伝統と先進性が融合した走りが素晴らしい。

「ネオクラシック」あるいは「レトロモダン」などと呼ばれるセグメントが人気を博し、各メーカーから往年の名車をオマージュしたモデルがリリースされる昨今ですが、ずっと早くからそうしてきたのが「トライアンフ・ボンネビル」シリーズです。最新モデル「T120」に乗ってみます。

REPORT●青木タカオ(AOKI Takao) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2019年12月19日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。
トライアンフ・ボンネビルT120

メーカーを代表する由緒正しき名門

トライアンフ・ボンネビルT120
トライアンフ・ボンネビルT120
 バイクに詳しく、トライアンフの現行ラインナップを知る人は独創的なトリプルエンジンやMOTO2エンジン供給など、スーパースポーツからアドベンチャーまで多岐にわたる活躍をイメージするかと思いますが、昨今のモーターサイクル事情に明るくない人にも、そのブランド名は広く知れ渡っています。
トライアンフ・ボンネビルT120
 特に1950〜60年代の英国車全盛期を知る人には、トライアンフといえばすぐにピンと来るはず。北米市場進出を目指す日本メーカーがこぞってお手本にしたのが「ボンネビル」をはじめとしたブリティッシュスポーツだったのです。ジェームズ・ディーン、クリント・イーストウッド、スティーヴ・マックイーンといった銀幕のスターが乗ったことでも知られています。
トライアンフ・ボンネビルT120
 トライアンフは1956年、アメリカ・ユタ州ボンネビル・ソルトレイク・フラッツでの最高速アタックで、214マイル(時速約342.4km)を記録し高性能をアピールしました。その偉業を記念し、発売したのが1959年の「ボンネビルT120」。そう、最新モデルと同じネーミングなのです。
トライアンフ・ボンネビルT120
 つまり“ボンネビル”はトライアンフの由緒正しき血統であり、メーカーを代表するブランド。1990年に再スタートした新生トライアンフは3〜4気筒モデルしかありませんでしたが、2001年に伝統の空冷360度クランク・バーチカルツイン(DOHC4バルブ790cc)で「ボンネビル」を復活させます。

トライアンフ・ボンネビルT120
 まだ「ネオクラシック」や「レトロモダン」などという言葉がなかったときで、ジャンルを切り開いた立役者とも言えます。

Bonneville T120……1,550,000円(消費税10%込み)

トライアンフ・ボンネビルT120

 現行型「ボンネビルT120」は水冷1200cc化され、味わい深い270度クランクを採用しています。パラレルツインには空冷エンジンのような冷却フィンが刻まれ、キャブレターをインジェクション化したのは2007年でしたが、FIボディをキャブレター風のカバーで覆うというビンテージムードを崩さない配慮が細部にまであるのが見事としか言いようがありません。

パイプハンドル、2眼メーター、白いパイピングが施されたダブルシート、クロススポークホイール仕様としたスチール製リムのホイール、タンクのラバーパッド、フォークブーツ、左右2本出しのピーシューターマフラー、ルックスも限りなくクラシカル感が追求されています。

足着き性も良好、ちょうどいいサイズ感

トライアンフ・ボンネビルT120
1200ccもの大排気量バイクとは思えぬ、ジャストフィットと言っていいサイズ感です。前傾すぎず起き上がりが強すぎず、自然なライディングポジションでゆったりとしています。
トライアンフ・ボンネビルT120
シート高は790mmで、身長175cmのライダーだと両足を出してもカカトまで地面に届き、足着き性に不安はありません。ハンドル幅も広すぎず、コンパクトな姿勢をとることも可能です。小柄な人も苦にしないでしょう。
トライアンフ・ボンネビルT120

著者プロフィール

青木タカオ 近影

青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。最新バイク情報をビギナーの目線に絶えず立ち返…