しっとり走れるスポークホイールがいいね!|カジュアル系トラッカー、ハスクバーナSVARTPILEN701 STYLE

フロントに18インチタイヤを装着した、トラッカーテイストのハスクバーナ車、スヴァルトピレン。これをスポークホイール化するなどして更なるトラッカー感を追求したスペシャル仕様、「スタイル」が登場。

TEXT●ノア セレン
PHOTO●山田俊輔

※2019年12月07日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や仕様、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ハスクバーナSVARTPILEN701 STYLE…… 1,446,300円

ハスクバーナ・SVARTPILEN701 STYLE
ハスクバーナ・SVARTPILEN701 STYLE
ハスクバーナ・SVARTPILEN701 STYLE

機能ではなく、名前通りに「スタイル」

 ハスクバーナの「〇〇ピレン」シリーズは、基本的にはKTMの690や390DUKEをプラットフォームにしたハスクバーナ版アプローチというもの。701シリーズはフレームやエンジン、サスペンションなど基本的な部分は皆690DUKEと共有するが、しかしそれを全く感じさせない独特のスタイリングが魅力である。

 701ではベースモデルとなるロードモデルのビットピレン、フロント18インチを採用したトラッカーテイストのスヴァルトピレンという2本立てラインナップなのだが、それに今回「スタイル」というモデルが加わった。バリエーションモデルというのは大抵より高性能なサスペンションを備えたりより高度な電子制御を搭載したりということが多いが、ハスクバーナではこのモデルを「スタイル」と位置づけ、機能的な部分よりもスタイルを、ルックスを高級化させたモデル、という位置づけで展開した。

 ベースモデルとの違いでまず目に入るのはスポークホイールの採用だろう。スヴァルトピレンはそもそもトラッカーテイストなのだから、スポークホイールの採用はそのコンセプトを更に具現化してくれるアイテムといえる。もう一つ、現車を見ると明らかなのは塗装のフィニッシュや各部ロゴのアップグレード。ベースモデルはシンプルさも魅力のデザインでありながら「スタイル」の方はマット調の塗装や落ち着いた色味などで高級感がまるで違う。またタンク横のロゴもプレートが張られた上にさらに701のプレートが重ねられるなど、細部に高級なタッチが見て取れた。

意外と違う走り

ハスクバーナ・SVARTPILEN701 STYLE

 他にもバーエンドミラーや専用ステップ等細かい所でベースモデルとの相違はあるが、基本的にスタイリングの変更を楽しむモデルのため、根本的な走りは同じだろうと思って試乗に臨んだ。ところがこれが微妙に違うから面白い。

 まずはポジションだが、〇〇ピレンシリーズはどれもシートが高くステップが低いという独特のポジションを持っている。ところがこの「スタイル」ではそれが和らいだような……気がしたのだ。

ステップの位置やシートの位置は共通なのだが、ステップバーそのものにスタンダードより厚みがあるため、それが影響しているのかもしれないのと、もう一点はスタンダードに対してハンドルが(意図してかどうかはわからないが)わずかに手前に引かれて装着されていたのだ。こんなわずかな変更で印象が変わるのだから面白い。非常に軽量な車体で、ライダーの入力に対してダイレクトに反応するためわずかな違いがより明確にわかってしまうのだろう。

 もう一つの違いは、コーナリング中のしっとり感だ。走行距離に準じたサスペンションのアタリの違いによるものかとも思ったが、これはたぶんスポークホイールのおかげだと思う。このモデルに限らず、最近はアドベンチャーモデルの台頭によりキャストホイール版とスポークホイール版がラインナップされる機種があるが、それら同様、スポークホイールはどこか絶妙なたわみがあって、それが走りのしっとり感に寄与しているのだろう。まぁ、実際に乗り比べなければわからない程度の差ではあるものの、ホイールに関して言えば「スタイル」だけでなく実際に違いも感じられた、というハナシである。

 それ以外の部分では、3000rpm以上回っていれば非常に元気なエンジンや、とても軽量で振り回して楽しめる車体、レディトゥレーススピリッツをフロント18インチホイールで上手に柔らかくしている乗り味などスタンダードモデルと共通だ。

あとはお値段か……

今のハスクバーナに乗る人は、「突き抜けて個性的なものに乗りたい!」と感じる人が多いのではないかと思う。同時に妥協なき性能も有するという意味では良い選択肢だろうし、これを得ることができるなら決して高い買い物でもないだろう。690DUKEが絶版となった今、市販車最大排気量シングルという称号もついてくるし、オンリーワン感はとても高い。

 ただこの「スタイル」ともなるとスタンダード版からさらに65000円アップである142万円のプライスタグ。リーズナブル……とは言い難いようにも思うが、唯一無二という意味ではその価値も見いだせるのかもしれない。ただ、こうして写真を見ただけで「いいかもしれない」と思ったならば、実車を見たらきっと気に入るだろう。「スタイル」の名に恥じないスタイリッシュさは写真で見る以上である。

著者プロフィール

ノア セレン 近影

ノア セレン

実家のある北関東にUターンしたにもかかわらず、身軽に常磐道を行き来するバイクジャーナリスト。バイクな…