車重は400kgの重量級だが、足付きは良い。さて乗り味&取り回しは?|インディアン・パースート ダークホース with プレミアムパッケージ

アメリカン・モーターサイクルの老舗ブランドとして知られる“インディアン”は、現在5つのカテゴリーに分けられ全23種のバリエーションを展開。今回のPursuitは上級グレードのTouringカテゴリーに属す1台である。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ポラリス ジャパン株式会社 / 日本自動車輸入組合(JAIA)

ディテール解説

いかにもボリューム感たっぷりなアッパーフェアリングはフレームマウント式。LED式ヘッドランプ等はチャレンジャーと同様、ワイドなマスク・デザインが採用されている。

φ320mmのセミフローティングローターを採用したダブルディスクブレーキには、ブレンボ製対向4ピストン油圧キャリパーをラジアルマウント。倒立式フロントフォークはφ43mmサイズ。タイヤはメッツラー製CRUISETEC。

水冷の横置き60°Vツインエンジンを搭載。アイドリング時の発熱を抑制する気筒休止機構を採用。ステップは寛ぎに自由度のあるボードタイプが採用されている。

左右バンパーをカバーする様にロワフェアリング(レッグシールド)を標準装備。下方にはLED式プレミアムサブランプも装備されていた。写真のベンチレーションは全開状態。
左右フェアリングにはベンチレーション用に大きなフラップが設置されている。開閉操作は手動で無段階に調節可能。足元にフレッシュエアを積極導入できる。写真は全閉状態。
フロントスクリーンは右手のスイッチで電動昇降できる、無段階上下調節式。
頂点位置に上げるとスクリーン下部にエアダクトが開けられている。

アナログ表示のツインメーターに7インチサイズのフルカラー液晶タッチ式ディスプレイ、そしてステレオスピーカー(出力200W)や収納ポケット等、フル装備されたゴージャスなインストルメントパネル。

シンプルにデザインされたハンドル左側スイッチ。上の左がホーン、右がディマー兼パッシング、中段がウインカー兼ハザードスイッチ。下の左がオーディオコントロール、右はディスプレイ選択画面用スイッチ。向こう側にはディスプレイ画面を操作するトリガースイッチがある。
左側とほぼ同様なデザインが採用された右側スイッチ。上の左が電源スイッチ。右がエンジンキルスイッチ兼スターター。中段がクルーズコントロール用。下はウインドスクリーン用コントロールスイッチ。向こう側には画面のメニュー切り替え等に人差し指で扱うトリガースイッチもある。
セパレートされたアナログ表示メーター。左は速度計、右は回転計。左右共にモノクロ液晶ディスプレイや各種パイロットランプが組み込まれている。
蓋付きの小物入れは左右に装備されている。右上の丸いスイッチはフォグランプ用。下側の細長いスイッチはハンドルグリップヒーター用。
7インチフルカラーのタッチ式ディスプレイ。ライドコマンド画面を始め、車両の様々な制御が可能。Apple CarPlay等スマホとの連携にも対応している。
右側の内部にはUSB接続端子がある。左上の丸いのはバッテリー充電用接続端子(SAE規格)。下側のスイッチは、燃料キャップのロック解除用。

見るからにゴージャスな段付きのダブルシート。パッセンジャーにはアームレストと背もたれもあり、腰の両脇にはステレオオーディオ・スピーカーを装備。前後共にシートヒーターも装備されていた。

内装も施されたトップケース。リッドロックは左右2箇所にあり、閉まり具合はしっかりしている。12Vアクセサリー電源も装備されている。収納容量は3点全部で133L。
サイドパニアはハードケースタイプ。左右両側にダブルヒンジがあり、上面の蓋は大きく左右に開けられる。もちろんセキュリティも万全。取り外し作業も簡単にできる。

テールは左右二つの丸型LEDランプで賄われる。ウインカーやハザードはオレンジ色で点滅、テール&ストップは赤く点灯する仕組みを採用。シンプルな仕上がりを披露している。

主要諸元

エンジン形式:水冷60度V型2気筒(PowerPlus)
バルブ形式:SOHC 気筒当り4バルブ
排気量(cc):1768
ボア・ストローク(mm):108×96.5
圧縮比:11.0:1
最高出力(hp):122
最大トルク(Nm/rpm):178/3,800
吸気システム:クローズドループ電子制御燃料噴射、スロットルφ52mmデュアルボア
エグゾーストシステム:レゾネーター付きデュアルエキゾースト
始動方式:セルフ式
潤滑方式:セミドライサンプ
潤滑油容量(L):4.7

駆動方式:ベルトドライブ式
クラッチ:湿式多板式(アシスト付き)
トランスミッション:6速
一次減速比:1,564
二次減速比:2,379
ギヤ比:(全体)
 1速:10.169
 2速:6.933
 3速:5.151
 4速:4.105
 5速:3.508
 6速:3.017

フレーム:アルミニウム製
ホイール(前/後):19x3.5インチ /16x5インチ
タイヤ(前/後):Metzeler製CruiseTec 130/60B-19(66H) /180/60R-16(80H)
サスペンション(前/後):テレスコピックφ43mm倒立式/ 電子制御油圧調整式シングルショック
サスペンションストローク(前/後mm):130/114
ホイールトラベル(前/後mm):120/51
ブレーキ(前/後):φ320mmダブルディスク/φ298mmシングルディスク

全長(mm):2、609
全幅(mm):990
全高(mm):1,444(1527)
シート高(mm):673
ホイールベース(mm):1,668
最低地上高(mm):137
バンク角:31°
キャスター:25°
トレール:(mm):150
乾燥重量(kg):400
装備重量(kg):416
燃料タンク容量(L):22,7(含む予備3.8L)

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…