ドゥカティ・XディアベルS試乗|意外とバンク角が深い、しかも足着きもかなり良い

ドゥカティ・ブランドにはこれまでなかったカテゴリーである。リラックスした乗り味が身上のクルーザーという意外性は、驚きと共になかなかどうして新鮮な魅力を楽しませてくれた。しかも走りの性能にはドゥカティらしさもたっぷり。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2019年11月20日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

ドゥカティ・XディアベルS
DRL(デイタイム・ランニング・ライト)付きのヘッドライトはもちろんLED式。レンズ周囲の3辺が馬蹄の様な形に光り、存在感を主張する。
ドゥカティ・XディアベルS
φ50mm倒立式フロントフォークが寝かされロー&ロング・フォルムにも貢献。プリロード調節と圧側減衰は左、同伸び側減衰は右側で調節できる。セミフローティングダブルディスクはφ320mm。ブレンボ製モノブロックM50対向4ピストン油圧キャリパーをラジアルマウント。
ドゥカティ・XディアベルS
テスタストレッタDVT1262エンジン。その最大トルクは5000rpmで発揮され、図太く大迫力のパフォーマンスが楽しめる。
ドゥカティ・XディアベルS
クランクケース下部、リヤタイヤ直前に大容量チャンバーを持つ1マフラーを装備。前後方向に並ぶツイン・テールパイプのデザインが、ディアベルとはまた異なっている。
ドゥカティ・XディアベルS
左側片支持スイングアームと大径の中空アクスルシャフトを採用。リヤブレーキはφ265mmシングルディスクに、ブレンボ製2ピストンのピンスライド式油圧キャリパーをマッチ。
ドゥカティ・XディアベルS
スイングアームはアルミニウム製鋳造とトレリスの組み合わせ。プログレッシブリンク機構を持つモノショックはプリロードと伸び側減衰リモート調節ができる。
ドゥカティ・XディアベルS
手前に少し絞られた、ほぼフラットなパイプバーハンドルを装備。筆者の体格ではやや遠くに感じられる。
ドゥカティ・XディアベルS
スイッチ周辺のイルミネーションや透過光で文字が浮かび上がるので夜間はとても綺麗。上の赤いスイッチはハザード用、ヘッドライトの上下光軸切り替えは人差し指で操作。左は各種モード切り替え、右側はクルーズコントロール用スイッチだ。
ドゥカティ・XディアベルS
赤いエンジンキルスイッチと黒丸がスタータースイッチ。下は、中央にある大きなメインスイッチと同様にイグニッションのON/OFFができる。
ドゥカティ・XディアベルS
赤表示のサイドスタンド注意警告が目立つ3.5インチTFTフルカラー液晶ディスプレイ。明暗反転表示もできる。表示画面は様々な設定用メニュー画面にも使われる。
ドゥカティ・XディアベルS
腰を下ろすスタイルにふさわしいワイドなクッションデザイン。急加速でもシートストッパーが有効に作用する。
ドゥカティ・XディアベルS
個性的なダブルシートは一体式で脱着できる。後席用のハンドベルトはリヤフレーム直付けタイプ。シート装着時は前方より後方へ後席クッションを差し込む事になる。
ドゥカティ・XディアベルS
ディアベルと同様な手法で仕上げられたテールランプ。なかなか綺麗にデザインされているが、後方高い位置からの被視認性はいまひとつ。
ドゥカティ・XディアベルS
全体的にボリューム感を覚えたフォルムだが、俯瞰すると意外とスマート。乗車位置もスリムに仕上げられている。

主要諸元

全長/全幅/全高:2,310mm/1,010mm/1,133mm
シート高:755mm
軸間距離 :1,615mm
最低地上高:121mm
乾燥重量:220kg
車両重量:247kg
燃料消費率:5.3L/100km(18.9km/L)

原動機型式:テスタストレッタDVTデュアルスパーク
原動機種類:水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ(デスモドロミック可変タイミング)
気筒数配列:L型2気筒
総排気量:1262cc
内径×行程:106.0mm×71.5mm
圧縮比:13.0:1
最高出力 :112kW(152ps)/9500rpm
最大トルク:126Nm(12.8kgm)/5000rpm
始動方式 :セルフ式

燃料タンク容量:18L(無鉛プレミアムガソリン指定)
吸気・ボッシュ製電子制御燃料噴射、楕円スロットルボディ(φ56mm相当)
点火方式:デュアルスパーク

1次減速比/2次減速比:1.840/2.857
クラッチ形式:湿式多板 油圧セルフサーボ/スリッパー・クラッチ機構付
変速装置/変速方式:6速
変速比:
 1速:2.466 
 2速:1.764 
 3速:1.350 
 4速:1.090 
 5速:0.958 
 6速:0.880
フレーム形式:スチールパイプトレリスフレーム
キャスター/トレール:30°00′/130mm
タイヤサイズ(前/後):
 120/70 ZR17(チューブレス)/
 240/45 ZR17(チューブレス)
制動装置形式(前/後):
 油圧式ダブルディスクブレーキ(ボッシュ製コーナリングABS)
 油圧式シングルディスクブレーキ(ボッシュ製コーナリングABS)
懸架方式(前/後):テレスコピック/アルミニウム製片持ち式スイングアーム
ホイールトラベル(前/後):120mm/110mm
乗車定員 :2名

ライダープロフィール

ドゥカティ・XディアベルS
近田茂
元モト・ライダー誌の創刊スタッフ編集部員を経てフリーランスに。約36年の時を経てモーターファンJPのライターへ。ツーリングも含め、常にオーナー気分でじっくりと乗り込んだ上での記事作成に努めている。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…