奥行きのあるハンドリングが絶妙

ホンダ・ホーク11試乗|DCTの設定ナシはなぜ? は乗って納得! 大人向けのスポーツバイクです。

ホンダから久しぶりにロケットカウル付きのロードスポーツモデルが誕生した。ベースとなっているのはスポーツツアラーのNT1100で、エンジンやシャシーなど主要パーツの多くを共用としつつ、ミッションは自動変速機構のDCTではなく6速MTを選択している。販売開始は3か月先の2022年9月29日からだが、一足早く試乗することができたのでインプレッションをお届けしよう。

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

ディテール解説

CRF1100LシリーズやNT1100と共通の1,082cc水冷並列2気筒エンジン。102psの最高出力も共通だが、FIのセッティングを見直すことでロードスポーツモデルらしい特性を実現。
サイレンサーはNT1100のものをそのまま流用。このスタイリングを実現するためにエアクリーナーボックスを専用設計とし、ラジエーターはNT1100比で幅が約60mm狭いものを選択。
スポークを交差形状とした前後17インチホイール、ニッシン製のラジアルマウント対向4ピストンキャリパー、標準装着タイヤ(ダンロップ製GPR-300)などもNT1100から流用。
アルミ鋳造製スイングアームやリンク機構、シングルチューブ分離加圧式リヤショックユニットなどもNT1100から流用し、前後とも減衰力を見直すことで軽快な走りを追求する。
φ43mm倒立式フロントフォークはショーワ製(日立アステモ)SFF-BPで、左側にプリロード調整ダイヤルを設ける。
リヤショックもプリロードの調整が可能だ。こちらは油圧式なので、工具を使わずにアジャストできるので便利だ。
ロケットカウルは樹脂成型の金型方案に縛られないFRP製とし、継ぎ目のない造形を実現。
ヘッドライトやテールランプなど灯火類は全てLED。シートレールはNT1100比で約100mm短い。
トップブリッジやセパレートハンドル、ミラーは新規で製作。防風効果はそれなりだ。
ライディングモードはスポーツ、スタンダード、レイン、ユーザーの4種類から選択可能。
ETC2.0車載器を標準装備。また、エマージェンシーストップシグナルも採用。
ナンバープレートステーにさりげなく設けられた荷かけフックが積載性に貢献。

ホーク11 主要諸元

車名・型式 ホンダ・8BL-SC85
全長(mm) 2,190
全幅(mm) 710
全高(mm) 1,160
軸距(mm) 1,510
最低地上高(mm) 200
シート高(mm) 820
車両重量(kg) 214
乗車定員(人) 2
燃料消費率(km/L)
 国土交通省届出値:定地燃費値(km/h) 33.5(60)〈2名乗車時〉
 WMTCモード値 21.2(クラス 1)〈1名乗車時〉
最小回転半径(m) 3.4
エンジン型式 SC84E
エンジン種類 水冷4ストロークSOHC4バルブ並列2気筒
総排気量(cm³) 1,082
内径×行程(mm) 92.0×81.4
圧縮比 10.1
最高出力(kW[PS]/rpm) 75[102]/7,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 104[10.6]/6,250
燃料供給装置形式 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式 セルフ式
点火装置形式 フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式 圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L) 14
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング式
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比
 1速 2.866
 2速 1.888
 3速 1.480
 4速 1.230
 5速 1.064
 6速 0.972
減速比(1次/2次) 1.717/2.470
キャスター角(度) 25°00´
トレール量(mm) 98
タイヤ 前 120/70ZR17M/C(58W)
    後 180/55ZR17M/C(73W)
ブレーキ形式 前 油圧式ダブルディスク
       後 油圧式ディスク
懸架方式 前 テレスコピック式(倒立サス)
     後 スイングアーム式(プロリンク)
フレーム形式 セミダブルクレードル

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