地味なんて言わせない! スタイルも乗り味も飽きが来ないって素晴らしい!! 「SV650」はミドルクラスの決定版

SV650は隠れた名機|Vツインスポーツは理解されにくい存在。だが”大型二輪らしからぬ軽さ”が素晴らしい。

スリムなトラスフレームが、Vツインエンジンを抱え込む「SV650 ABS」ならではのスポーティかつ上品な造形。見るからに身のこなしが軽そうで、実際に乗ってもオーバー401ccの「大型二輪車」とは思えぬ扱いやすさ、自在に操れます。大排気量車や4発、個性の強いスタイルを好む人には“地味”に思われがちですが、ハッキリ言って文句の付けどころがありません。

REPORT●青木タカオ(AOKI Takao) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2019年07月02日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

軽快で従順なコーナリングマシン

スズキ・SV650 ABS

「SV650 ABS」のジャーナリスト向け発表試乗会は筑波サーキット1000にて開催され、そのときのことをよく覚えています。雨上がりのウェッティなコンディションなのにも関わらず、気構えることなくイージーに操作でき、軽快なハンドリングとアクセルワークに従順な扱いやすいエンジンが好印象でした。

スズキ・SV650 ABS
 90度Vツインエンジンは60点以上のパーツを見直し、グラディウス時代より最高出力を5PSアップの76.1PS/8,500rpmに。低回転域では鼓動感を味わえ、高めのギヤを使ってノンビリ走っても味わい深く心地良いですし、それでいてトルクが太く街乗りでキビキビ走ります。
 ミドルレンジからの立ち上がりが力強く、高回転域では伸びのあるパワーフィール。つまり、全回転域でエキサイティングかつ官能的なのです。
スズキ・SV650 ABS

 ハンドリングは軽快でワインディングを得意としますが、その旋回性の高さは開発陣もさぞかし自信があったのでしょう。試乗会をサーキットで開いていることからもわかります。
 それも納得で、コーナーアプローチから車体が素直に寝ていき、狙ったラインを外しません。トラクション性能に優れ、不安なくアクセルを開けていけグイグイ攻めていけるのです。その感覚は公道でも変わらず、神経質なところがありません。

スズキ・SV650 ABS

 前後17インチの足まわりに、キャスター角25度、トレール106mmというディメンションはグラディウス時代から変わりませんが、205kgあった車両重量を8kgも減らし197kgに。身のこなしが軽く、アンダー400のように切り返しもスパンとクイックです。
 軽量化は徹底され、インストルメントパネルで0.3kg、ABSユニットで0.83kg、そしてエキゾーストシステムで3.5kgものダイエットを果たしています。

スズキ・SV650 ABS

このスポーティなライドフィールを味わうと、Vツインネイキッドスポーツは永遠に不滅だろうなと確信が持てます。そして、3年前も今も印象が変わらない普遍的なスタイルがとてもいいです。スタイルも乗り味も飽きが来ない、これは素晴らしいことではないでしょうか。ミドルクラスの決定版と言いたくなります。

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著者プロフィール

青木タカオ 近影

青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。最新バイク情報をビギナーの目線に絶えず立ち返…