お尻の痛みが和らぐシート「Dr.モペット」を使って300km走ってみた。|スーパーカブ110旅仕様カスタム化大作戦

Dr.モペット……14,300円
一部の大型ツアラーや大型スクーターを除いて、一般的にバイクのシートは長時間走行に向いていないとつねづね思っていました。中には走りだして30分も経たずにお尻が痛くなってしまうバイクもあります。歳を重ねてお尻周りの筋肉が衰えてくるとなおさらです。そこでスーパーカブ110の座り心地を改善すべく、ポジドライヴ(株)から発売されているサドルカバー❝バイク座シートDr.モペット❞を装着してみました。
バイクのシートは長時間走行でお尻の痛みと疲労を増大させる

Dr.モペット……14,300円(税込)

 若いころはシートの善し悪しに頓着するなんていうことはありませんでした。バイクで走れればとにかく楽しかったので、長距離ツーリングに出かけてもお尻に痛みを感じた記憶がありません。だいたい快適性というものをバイクに求めてなかったんだと思います。しかし歳を重ねて体力が衰えてくると、可能な限り疲労は軽減したいと感じるようになりました。なのでついついバイクにも快適性を要求してしまいます。
 仕事でもプライベートでもツーリングする機会が多い僕にとって、バイクで旅をすることは日常であり至福の時間です。ところがいまは同時に苦痛に耐える時間でもあるのです。その理由は、バイクのシートというのは「快適」とはほど遠い座り心地だからです。歳を重ねるととくに、お尻の痛みに耐えにくくなってしまいました。ひとたび痛みが出だすと連鎖して腰まで痛くなり、苦痛のあまり走るための集中力が欠如してしまいます。お尻の痛み程度ではなく、安全性にも影響を及ぼしてしまう結果になります。シートの座り心地とか快適性はツーリングを安心して楽しむために侮れない要素なのです。
スーパーカブやクロスカブにジャストサイズのDr.モペット。モデルによりS,M,Lの3サイズをご用意しており、ハンターカブへの装着を考慮した赤/黒と黒単色のカラーモデルも用意。価格:14,300円(税込)

Dr.モペットのカラーオーダーできるワンオフサービスもある。
Dr.モペットの座面・サイド(フロント・テール部を含む)の2か所を、好みのカラーで注文できる。価格:19,800円(税込)

低反発じゃなく正反発という素材が優れたクッション性を発揮

100%天然のラテックスフォームを使用。その特徴は、重さと同じ比率だけ沈み、圧力と同等の力で内側から反発する「正反発」という作用がある。写真のように重さの異なるおもりを載せた場合、内側から同等の力で押し返すので、体重に負けて底づきすることがなく、結果として浮遊感のある優しい座り心地になる。また、瞬時に復元するため、つねにライダーの身体を支え上げ、同時に振動や路面からの衝撃をアクティブに受け止め続けるため、痛みや疲労の発生を抑える
バイク座シートを内装しているDr.モペットに着座すると、正反発の体圧が分散作用により血行不良が抑制され、お尻の痛みや痺れの軽減や腰痛の予防につながる。同時に、サスペンション効果も発揮されるので、振動からくる疲れの発生も抑えられる

 お尻の痛みを誘発しないためには座圧を分散してやる必要があります。バイクのシートは車体の構造上あまり大きくワイドな形状にできない。そのため座圧が集中してしまいがちなのです。そうした限られた条件の中で、お尻の痛みを少しでも緩和するためのシートクッションが数多く販売されています。中でも広く出回っているのが低反発のゲルクッションです。実際に僕も使ってみたりしましたが、期待していたほどの効果は感じられなかったというのが正直なところでした。
 スーパーカブ110を旅仕様にカスタムしていくうえで、快適性を高めるのは必須です。シートの座り心地をアップさせるのもそのひとつ。そこで白羽の矢を当てたのが、低反発ではなく正反発という特性があるボディドクターのラテックスフォームを使用したバイク座シートDr.モペットという商品です。スーパーカブをはじめとしたカブシリーズに適合する商品がラインナップされていて、その中からもちろん、スーパーカブ110に合うDr.モペットをチョイスしました。

 Dr.モペットはカバータイプになっているので、シートにしっかりかぶせて裏側で取り付け紐を結ぶだけで装着完了。白×黒のツートーンで見た目の印象はちょっぴり変わりますが、座った感触がふわりとしていて心地よい感じです。座面は20mmほど高くなりますが、もともとが735mmと低いので755mmになったところで足つき性を著しく悪化させることはありませんでした。
スタンダードのシートを指で押してみる。シートに使用されているウレタンはやや硬めだ
Dr.モペットのラテックスフォームは指の沈み込みが大きく、クッション性に優れていることがわかる
バイク座シートDr.モペットはシートにかぶせるだけの簡単装着なので、シートにしっかりと装着する
カバーの裏側には固定用のひもが取り付けてあるので、装着したらひもをしっかりと結ぶ
シート前方はこのような状態になっている
シート後部の状態。HONDAのロゴがしっかり見えるようになっている
Dr.モペットを装着したところを横から見てみると、スタンダードの状態に比べて20㎜高くなっている
シート高は若干高くなるが、スーパーカブ110はもともと低いので、足つきが著しく悪化することはない

300kmのツーリングでも痛みはほぼ無し!

 Dr.モペット装着早々300kmほどのツーリングに出てみました。するとどうでしょう、クッション性が良くて座り心地がいいだけじゃなく、未舗装路を走っても衝撃をしっかり吸収してくれたので、お尻の痛みはほとんど感じませんでした。感覚的にはサスペンションのグレードがアップしてクッション性、減衰性が良くなったようなイメージです。以前スタンダードで200km程度のツーリングをしたときには、後半はお尻に痛みが出てしまいましたが、Dr.モペット装着でそれはまったくなくなりました。結果的に疲労が少なく済み、そのぶんツーリングを満喫することができました。一度この快適性を知ってしまうと、もう元には戻れません。

バイク座シートDr.モペットは、毎日の業務などで何度も乗り降りする際のズレ等を考慮してカバー式を採用している。装着に際しては、シートをすっぽりと覆うようにかぶせ、裏側でヒモを結んで固定する。ラテックスフォームのヘタリ保証は3年となっている

栗栖国安
 業界歴40年のバイクジャーナリスト。専門誌から一般誌まで幅広く執筆活動するが、得意分野はツーリング紀行。また鉄道にも造詣が深く、『旅と鉄道』でバイクで廃線めぐりの旅を連載中。著書に『男のバイク旅』『バイクで行く廃線・廃駅めぐり』などがある

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