PIAGGIOグループ、EICMA2022で10車種もの新モデルを発表!【ダイジェスト解説】

イタリアを代表するモーターサイクルメーカーピアジオグループは、11月8日から開催されているEICMA2022に4つのブランドで出展。MADE IN ITALYの卓越した技術を持つブランドは、多様化する現在と未来において、要求が厳しくなるモビリティへの対応とピアジオグループが示すビジョンを形にした様々なモデルを発表した。

2022年11月8日からイタリア・ミラノで開催されている国際モーターサイクルエキシビジョンEICMA2022において、あらゆるモビリティに対応する10車種のニューモデルを発表した。2022年9月30日時点で、ピアジオグループは全世界で490,400台(うち2輪車が410,000台)の車両を販売し、16億2690万ユーロの売り上げと7,090万ユーロの純利益を記録。2022年の最初の数ヶ月でピアジオグループはスクーターセグメントで23.5%のシェアを獲得。北米のスクーター市場でも43.9%のシェア獲得を達成している。EICMA2022に出展したニューモデルは以下の通り。

アプリリアRS660 Extrema

アプリリアRS660シリーズ中最もスポーティで軽量なモデルとなるエクストレマは、洗練された装備により乾燥重量166kgという数値となっている。最高出力はクラス最高の100HPを発揮し、パワーウエイトレシオは1.66kg/HP(Weight-to-Powerは602.4HP/t)という新たな高みに到達し。右側に配置したSCプロジェクトによるカーボンサイレンサーの軽量エキゾーストシステムを標準装備し、フロントマッドガードやアンダーカバーも高品質なカーボンを使用した新デザインとなり、軽量化に貢献している。トラクションコントロールやコーナリングABS、エンジンブレーキ、エンジンマップ、ウイリーコントロールなど、全てを調整可能な電子デバイスに加え、シフトパターンを上下逆転してクイックシフトできるソフトウエアを搭載するなど、ストリートからサーキットまでを楽しめる仕様になっている。

ヨーロッパで最も人気の高いミドルクラスを軽量化したスペシャルエディション

アプリリアERECTRICaプロジェクト

近未来の若いライダーのためにアプリリアが描くモビリティのビジョンがERECTRICaプロジェクト。どんな環境でもバイクに乗る楽しさを提供する新しいコンセプトで、乗り心地が良く、楽しくライディングできる軽量ゼロ・エミッションバイクは、未来の都市において最大限の自由とライディングの喜びをもたらしてくれる。電動のモーターはこれまでのエンジン位置と同じ車両の中央に配置し、ドライブチェーンによってリヤホイールを駆動する。キーレスシステムやLCDメーター、リヤのフォニックホイールセンサーなど、実用を追求したテクノロジーにより安全な走りを提供する。

あらゆる環境でライディングが楽しめる電動バクを目指して開発が進められている

モト・グッツィ V100 Mondello

モト・グッツィの歴史に全く新しいページを開く、特定のカテゴリーに属することがない新しいモデルがV100マンデロである。ワンディングでの敏捷性とモト・グッツィが本来持っている魅力を兼ね備えた、スポーツバイクとツアラーの融合したモデルとなる。革新的なデザインはアダプティブ・エアロダイナミクスを世界で初めて採用し、電動で調整可能なトップフェアリングと速度や選択したライディングモードに応じて、タンク側面のディフレクターの位置を自動的に調整。ライダーへの空気圧を低減して快適性を向上。さらに6軸慣性プラットフォーム、コーナリングABS、セミアダクティブ・サスペンション。クイックシフトなど先進の電子制御技術を搭載。伝統的な90°V型横置きツインエンジンと最新デバイスが融合した新世代のモト・グッツィとなる。

モーターサイクルで初めてアダプティブ・エアロダイナミクスを採用した

モト・グッツィ V7 Stone Special Edition

正統派のイタリアンクラシックモデルのV7シリーズ。V7ストーン スペシャルエディションはシャイニングブラックの特別なカラーを採用し、タンクにはイーグルブランドで最もスポーティなモデルを想起させるグラフィックとレッドのディティールを施している。また、レッドに塗装されたリヤショックや赤いステッチが施されたシート、バーエンドミラーやブラックのビレットアルミニウムのフューエルキャップ、グラファイトカラーのヘッドカバー、ブラックアルマイトのスロットルボディプロテクションなどの特別な装備が採用されている。さらにArrow製のエキゾーストシステムにより、最高出力は48kWから49kW(/6700rpm)に、最大トルクは73Nmから75Nm(/4900rpm)にアップしている。

モトグッツィの中で最も愛されているV7に特別なカラーリング施した

モト・グッツィ V9 Bobber Special Edition

ミドルクラスのボバーカスタムというジャンルを確立したV9ボバー。スペシャルエディションはブラックとグレーのツートンの特別塗装色を採用し、ビレットアルミニウムキャップを採用したティアドロップ型タンク、アルミ製サイドパネル、バーエンドミラー、ショートタイプのフロントフェンダーを採用。さらにマットブラックに塗装されたストリート仕様のスリップオンエキゾーストを装着している。

ピアジオ1 MY23

都会での通勤(通学)に適した俊敏性と軽量性、ミニマリストで実用的という電動スクーターに求められる機能と、ピアジオスクーターの品質、信頼性を融合したモデル。なによりもライディングを楽しむために設計された強固なフレームとサスペンションにより、高い安全性能と魅力的なデザイン、快適性、高レベルの乗り心地を備え、フルカラーのデジタルメーターやフルLED照明、キーレスシステムなどの充実した技術パッケージも備えている。さらにシート下には広大なラゲッジスペースを用意して、電動スクーターとしては唯一ジェットヘルメットがすっぽりと収納できる。リヤホイールに内蔵された電動モーターは性能が向上し、坂道でもパワフルに走ることができる。最高速度が45km/hに制限されている原付バージョンのピアジオ1ではピークパワーが2.3kWとほぼ倍増。バイクバージョンのピアジオ1アクティブではピークパワーは3kWに達する。どのバージョンもバッテリーはシート下に収納され、簡単に取り外して自宅やオフィスで潤伝することができる。

ライディングを楽しむための新世代の電動スクーター

ベスパ Gts

世界で最も愛されているバイクの一つであるベスパシリーズ。伝説的な「Vespone」から引き継がれたモデルで、スチールのボディを持つ。街中をエレガントに移動できるぺスパは、フレキシブルなエンジンのおかげでロングツーリングにも出かけられるほど。細部に至るまで丹念に仕上げられたGtsはクオリティが高く、フロントシールドの「ネクタイ」が新しくなっている。リアセクションも見直され、新しいサイドパネル、ナンバープレートブラケット、新形状のライティングシステムを導入。さらにミラーや幅広で人間工学に基づいたハンドル、電子制御装置、より多くの情報を表示できるメーターを採用。キーレスシステムやシートも新しくなり、灯火類は全てLEDとなった。フロントサスペンションも一新され、ブレーキシステムも変更している。新しいGtsには2つのエンジンが用意され、ベスパ史上もっとも強力な24HPを発生する300ccの300hpeと、低燃費を特徴とするi-getシリーズの125ccの2種となる。

伝統のスチール製ボディを引き継ぐベスパシリーズ

ベスパGtv

スチール製ボディを持つGtvはGtsをベースにしたスポーティモデル。1946年に発売された初代モデルがモチーフになっている。フェンダーの上に移設された特徴的なヘッドライトはLEDが採用され、新しい計器類はクラシカルな丸型を維持しながらも完全にデジタル化されている。Vespa MIAコネクティビティシステムが提供する機能が活用でき、様々なアクセサリーを接続することができる。メーターは片持ちのブラケットでハンドルに取り付けられ、小型のフェアリングを装着する。また、レーシングルックのシングルシートとハードカバーはボディに合わせて色分けされ、典型的なレーシングベスパフェアリングを連想させる。

初代ベスパをモチーフにしたGtvはレーシングモデルのような装いになった

ベスパ Primavera Color Vibe

カラフルで気ままなベスパユニバースへのオーマジュがプリマベーラ・カラー・バイブは、特別なツートーンのカラーリングが特徴。オレンジ系のアランチオインパルシボとホワイト系のビアンコイノセンテをベースに、フットボードとホイールをターコイズブルーのオッタニオでカラーリング。フロントシールドとサイドパネルには専用のグラフィックが入り、黒で縁取られたコントラストカラー・ステインがボディ全体を斜めに貫いている。シートにはアンスラサイトのステッチが入れられている。

ビビッドなカラーリングでイタリアらしいユニークなモデル

ベスパ 946 10° Anniversario

誕生から10周年を迎えたベスパ946は、クラシックな色合いを現代的にアレンジしたグリーンの専用カラーが与えられた。ソフトでベルベットなパール調のカラーは、一見するとパステル調だが、光を当てると深みが増している。

クラシカルなデザインの946に10周年を記念したカラーのモデルが登場

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橘 祐一