カワサキなのに四輪車、TERYX/MULE。日本では馴染みの薄い存在だけど、過激で楽しい。

男心をくすぐるスタイリング。カワサキが日本市場に向けて2022年に投入したオフロード四輪車、TERYX/MULEに編集部員が乗った。
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
TERYX KRX1000

アメリカ市場ではバカ売れしているが、日本ではお目にかかることのほとんどない存在、オフロード四輪車。

日本ではナンバーを取得することが難しく、一般公道を走行することができないというのが大きな理由だが、ひと度乗るととにかく楽しい&性能も優秀。カワサキモータースジャパンが日本での発売を開始した。

今回試乗会で用意されたのはハードセクション向けの「TERYX KRX1000」、4人乗りオフロードスポーツ「TERYX 4S LE」、積載能力に優れる「MULE PRO-FXT」というそれぞれキャラクターの異なる3モデルだ。

TERYX KRX1000

写真提供:カワサキモータースジャパン

スポーツからレジャーまであらゆる場面で活躍するTERYXシリーズの中でも、トレイル・アドベンチャーに主眼を置いたモデル。搭載エンジンは排気量999cc、水冷4スト並列2気筒。低速/高速のデュアルレンジCVTミッションと自動遠心クラッチを組み合わせ、スムーズな加速とコントロール性を実現している。

フロントサスペンションはダブルウィッシュボーン。

また二輪駆動、四輪駆動の切り替えは運転席のスイッチで可能としている。

フレームは、ロールバーを部材の一部に採用して剛性、安全性を高めるとともに、フォックス社製高性能サスペンションがフロント472mm、リヤ532mmのホイールトラベルを確保。31インチの大径タイヤとともに衝撃吸収力が高められている。


リヤサスペンションは4リンクトレーリングアーム。その奥に覗くエンジンは水冷4ストローク並列2気筒/DOHC4バルブ、999cc。
最大積載量は159kg。
セミバケットシートと6点式シートベルトの標準採用で、安全・安心感を高めている。
2WD→4WD切り替えスイッチはセンターコンソールに配置される。

インプレッション

まずはスタッフのドライビングを助手席から試乗体験
ダートでの軽めのドリフト走行、そこからフルスロットルの加速ではしっかりと路面を捉えて不安定さは一切なし。ゴツゴツとした岩場の急斜面もグイグイと登っていき、その際もストロークの長いサスペンションが衝撃をしっかりと吸収され、頭部があまり揺れないので、きっちりとコントロール下に置かれている安心感があった。
お次は自分で試乗コースを運転。ストレートでの加速でも車体が流れることはなく、小さめの岩山を乗り越える際も特に難しい操作は不要でアクセルを踏むだけで難なく走れてビックリだった!(編集部山田)


主要諸元

全長×全幅×全高:3,305mm×1,730mm×1,900mm 
軸間距離:2,510mm
最低地上高:365mm(プリロード最大設定時:375mm) 
シート高:800mm 
車両重量:860kg
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
燃料タンク容量:40L 
エンジン種類/弁方式:水冷4ストローク並列2気筒/DOHC4バルブ
総排気量:999cm³
内径×工程/圧縮比:92.0×75.1mm/11.5:1
最高出力:84kW(114PS)/8,500rpm
最大トルク:104N・m(10.6kgf・m)/7,000rpm
始動方式:セルフスターター
点火方式:バッテリ&コイル(トランジスタ点火)
潤滑方式:ウェットサンプ
燃料供給方式:フューエルインジェクション(φ50mm×2)
駆動方式:ドライブシャフト式2WD/4WD 
トランスミッション形式:CVT/無段変速
クラッチ形式:遠心クラッチ
変速比:
 前進(高速) 4.504 
 前進(低速) 8.867 
 後進 6.756
一次減速比:2.785~0.743
二次減速比:
 前 3.589
 後 3.538
フレーム形式:ラダーフレーム
ステアリング:ラック&ピニオン(パワーステアリング)
懸架方式:
 前 ダブルウィッシュボーン
 後 4リンク・トレーリングアーム
ホイールトラベル:
 前 472mm 
 後 536mm
トレッド(前/後):1,505mm/1,510mm 
最小回転半径:6.2m
タイヤサイズ:
 前 31×10.00R15 8PR
 後 31×10.00R15 8PR 
ブレーキ形式:
 前 油圧式ディスク258mm(外径) 
 後 油圧式ディスク258mm(外径) 
パーキングブレーキ:オートアジャスト機械式ディスク 
荷台寸法:全長×全幅×全高 370mm×840mm×230mm
最大積載量:159kg 
最大許容荷重:354kg 
牽引力:- 
乗車定員数:2名 
メーカー希望小売価格 :3,630,000円 (本体価格:3,300,000円 消費税:330,000円)

TERYX 4S LE

写真提供:カワサキモータースジャパン
KRX 1000の約半分の馬力なので過激さは少ない一方で、未舗装の林道を想定したコース試乗では安心感にもつながった。(編集部大橋)

独立した4つのバケットシート、50Lのクーラーボックスを余裕で積める大型の荷台スペースが特徴のオフロードスポーツモデル。

全域においてパワフルな出力特性を誇る783cc、水冷4ストV型2気筒エンジンを搭載。またエンジンをミッドレイアウトとしたことで前後48:52の重量配分とし、スポーティなハンドリングを実現。

トランスミッションはCVTと遠心クラッチを組み合わせ、特に低速域のスムーズさを重視している。

フレームには広いプラットフォームと優れたねじれ剛性、軽量さをバランスさせたダブルXフレームを採用した。


フロントデフは中央に配置される。
イグニッションキー、2WD・4WDの切り替えスイッチ、メーターユニットをレイアウト。
ハイバックバケットシートを採用した4人乗り仕様。
荷台の最大積載量は113kg。

主要諸元

全長×全幅×全高:3,185mm×1,590mm×2,045mm
軸間距離:2,240mm
最低地上高:285mm(プリロード最大設定時:310mm) 
シート高:865mm(前席)/930mm(後席) 
車両重量:743kg 
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
燃料タンク容量:30L
エンジン種類/弁方式:水冷4ストローク90°V型2気筒/SOHC4バルブ
総排気量:783cm³
内径×工程/圧縮比:85.0×69.0mm/10.7:1 
最高出力:43kw(58PS)/6,750rpm
最大トルク:64N・m(6.5kgf・m)/5,500rpm
始動方式:セルフスターター
点火方式:バッテリ&コイル(トランジスタ点火)
潤滑方式:ウェットサンプ
燃料供給方式:フューエルインジェクション(φ36mm×2)
駆動方式:ドライブシャフト式2WD/4WD
トランスミッション形式:CVT/無段変速
クラッチ形式:遠心クラッチ
変速比:
 前進(高速) 3.279
 前進(低速) 5.553
 後進 4.568
一次減速比:2.788~0.725
二次減速比:前 4.375 後 4.400
フレーム形式:チューブラーフレーム
ステアリング:ラック&ピニオン(パワーステアリング) 
懸架方式:
 前 ダブルウィッシュボーン 
 後 ダブルウィッシュボーン 
ホイールトラベル:
 前 272mm 
 後 254mm 
トレッド(前/後):1,400mm/1,330mm
最小回転半径:5.4m 
タイヤサイズ:
前 27×9R14 6PR 
後 27×11R14 6PR 
ブレーキ形式:
前 油圧式ディスク200mm(外径) 
後 密閉湿式ブレーキ 
パーキングブレーキ:密閉湿式ブレーキ
荷台寸法:全長×全幅×全高 455mm×1,210mm×220mm(前方)/125mm(後方) 
最大積載量:113kg 
最大許容荷重:499kg 
牽引力:590kg 
乗車定員数:4名
メーカー希望小売価格:3,212,000円 (本体価格:2,920,000円 消費税:292,000円)

MULE PRO-FXT EPS

写真提供:カワサキモータースジャパン
TERYX 4S LEと同じコースを試乗したが、試乗車のレベルによっては、こちらの方が安心感が高いように思えた。(編集部大橋)

2列目シートを格納することで、6人乗車→3人乗車+広い荷台に拡張できる「イージートランスキャブシステム」を採用。

農場や牧場といったワークシーンの使いやすさを考慮して、エンジンは極低速域から安定した出力を発揮する812cc水冷並列3気筒をミッドシップレイアウトを採用。

メインフレームには各断面パイプと高張力鋼板を組み合わせたラダーフレームとしたことで、軽トラック(350kg)をゆうに越える453kgという最大積載量を実現。これに加えて、907kgまで牽引できるヒッチメンバーも装備し、人員輸送、荷物運搬を両立している。

1列シート3人乗りMULE PRO-FX EPSもラインナップする。

前から覗くとサスペンション、デフ、ドライブシャフトが見える。
センターコンソール。2WD→4WDの切り替え、デフのロック/解除は左上のスイッチで行う。
2列目シートを畳み荷室を拡張可能。
最大積載量は453kg。

主要諸元

全長×全幅×全高:3,385mm×1,625mm×1,970mm
軸間距離:2,345mm
最低地上高:260mm
シート高:880mm(前席)/965mm(後席)
車両重量:867kg
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
燃料タンク容量:30L
エンジン種類/弁方式:水冷4ストローク並列3気筒/DOHC4バルブ
総排気量:812cm³
内径×工程/圧縮比:72.0×66.5mm/9.5:1
最高出力:35kW(48PS)/5,500rpm
最大トルク:65N・m(6.6kgf・m)/3,500rpm
始動方式:セルフスターター
点火方式:バッテリ&コイル(トランジスタ点火)
潤滑方式:ウェットサンプ
燃料供給方式:フューエルインジェクション(φ34mm×1)
駆動方式:ドライブシャフト式2WD/4WD
トランスミッション形式:CVT/無段変速
クラッチ形式:遠心クラッチ
変速比:
 前進(高速) 1.803
 前進(低速) 3.580
 後進 2.779
一次減速比:3.33~0.70
二次減速比:
 前 6.382
 後 6.245 
フレーム形式:ラダーフレーム
ステアリング:ラック&ピニオン(パワーステアリング)
懸架方式:
 前 ダブルウィッシュボーン
 後 ダブルウィッシュボーン
ホイールトラベル:
 前 222mm
 後 左:217mm/右:220mm
トレッド(前/後):1,389mm/1,321mm 
最小回転半径:4.8m
タイヤサイズ:
 前 26×9.00R12 4PR
 後 26×11.00R12 4PR
ブレーキ形式:
 前 油圧式ディスク212mm(外径)
 後 油圧式ディスク212mm(外径)
パーキングブレーキ:機械式ディスク
荷台寸法 全長×全幅×全高:
1,085mm×1,363mm×279mm(3名乗車モード)
560mm×1,363mm×279mm(6名乗車モード) 
最大積載量:453kg(3名乗車モード) 158kg(6名乗車モード) 
最大許容荷重:733kg
牽引力:907kg
乗車定員数:3名/6名 
メーカー希望小売価格:2,783,000円 (本体価格:2,530,000円 消費税:253,000円)

著者プロフィール

山田 俊輔 近影

山田 俊輔

Motor-Fan BIKES 編集長1981年生まれ。身長180cm(モジャモジャを足すと185cm)。初めて…