一世を風靡したホンダ・ズーマー、今ドキのカスタム事情は、PCX125/150用エンジン載せ替えが旬。|費用はおいくら?

「TOKYOPARS(東京パーツ)」が手掛けた最新のホンダ・ズーマーカスタム。エンジンはホンダ・PCX用に載せ替え。
2001年6月、水冷4ストローク単気筒SOHC 2バルブ49ccエンジンを搭載し、遊び心にあふれたデザインのネイキッドスクーター「ホンダZOOMER(ズーマー)」が新登場。ズーマーはリリース以来、街乗りはもちろん、カスタムベースとしても人気急上昇。2012年モデルをもって絶版となった今でも、根強い人気をキープしている。ここではズーマーカスタムのエキスパート「TOKYOPARTS(東京パーツ)」の関沢さんに、ズーマーカスタムの最新トレンドを伺ってみた。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
取材協力●TOKYOPARTS(東京パーツ) https://tokyoparts.ocnk.net/
2001年に登場した初代ズーマー。初代の吸気系はキャブレターを採用していた。
お話を伺った「TOKYOPARTS」の関沢さん。国内におけるズーマーカスタムの先駆者として、これまで数々の車両を創造してきた。

ホンダ・ズーマー(北米名:Ruckus)は2001年モデルから2012年モデルまで日本で販売された49ccの原付スクーター(北米では現在も販売中)。既存のスクーターのフォルムを覆した、これまでにない斬新なスタイリングが特徴。シート下の荷物収納スペースにスケボーが積載できるなど、若者を中心に高い人気を誇った。

街乗りはもちろん、カスタムベースとして絶版後も人気が衰えることのなく、ズーマーのカスタムは、日本や北米を中心に発展。2023年現在もカスタムパーツは各メーカーから発売中だ。北米では特にドルビーワークス等のアルミホイールの人気が高く、国内で装着している人も多い。


TOKYOPARTSが手掛けた最新のズーマーカスタム。詳しくは下記参照!

排気量49ccであるズーマーカスタムの定番は、パワフルな「GY6(125ccや150cc)」へのエンジンスワップ

2007年10月、ズーマーは新排出ガス規制に対応するため、燃料供給方式をキャブレターからフューエルインジェクション(電子制御式)に変更。写真は最終モデルとなる2012年モデル。

ズーマーの型式は「AF58」。これに加え、「GET」という識別コードがある。ズーマーの純正エンジンには、「GET」の識別コードが刻印。初代は「GET1」、次モデルは「GET2」、インジェクションモデルは「GET3」に分けられる。

ズーマーの定番カスタムは、ノーマル49ccからパワフルな他車用に載せ替える「エンジンスワップ」。メジャーなのは、識別コード「GY6」のエンジンに載せ替える手法。「GY6」とは、中国製のホンダ系コピーエンジンのことで、排気量は125ccや150ccとなっている。

「GY6」は価格の安さ、入手のしやすさ、載せ替え時の加工も比較的容易で、コンパクトな車体のズーマーとの相性も良好。これによりGY6へのスワップは、ズーマーカスタムの本場・アメリカでも高い人気を誇る。

エンジン載せ替えトレンドは「ホンダPCX125/150用」

車体とエンジンが同一メーカーではなくても気にしないユーザーの場合、ヤマハのシグナスX用エンジンやグランドアクシス用エンジンのスワップも定番。ただしズーマー+シグナスX用エンジンや、ズーマー+グランドアクシス用エンジンの組み合わせは、両者の構造上、ワイドホイールを導入しにくいのがネック(一般的に4.0~4.5J前後が限界)。

そのため、昨今ではワイドホイールも履ける「ヤマハBW’S125用エンジン」。また、中古車市場のタマ数も増え、中古価格も安定してきた「ホンダPCX125/150用エンジン(8.0J前後までOK)」をスワップするカスタムの人気が高まっている。

写真左)ヤマハ シグナスX 写真右)ヤマハ BW’S125

ホンダ ズーマー+ホンダ PCX125/150用エンジンの組み合わせが人気の理由。それはワイドホイールが履けること。車体とエンジンが同メーカーであること。(一般的にバイクのカスタマーは、同メーカーにこだわるユーザーが多い)。車体とのマッチング性が良好なこと。ノーマルのズーマーと同様、高性能な水冷式であることだ。

PCX125/150用エンジンに比べ、BW’S125用エンジンは総体的に中古の市場価格が安価。ただし載せ替え時の加工に手間がかかる。またエンジン周りのサイズがPCX125/150用よりも大きいため、全体的に収まりが悪い等のデメリットも発生する。

一方、コンパクトなPCX125/150用エンジンは、低燃費でクリーンな「eSP」を採用。また小柄な原付スクーターであるズーマーとのバランスも良く、アイドリングストップ機構等を備えているため、驚くほどの低燃費性能を発揮するのが大きなメリット。

PCX125/150用エンジンに載せ替えるには、社外品のエンジンハンガーを使用するのが定番で、ボルトオン&ワイドホイールを組めるTOKYOPARTS製エンジンビレットマウントキットが用いられる場合が多い。

2010年に国内発売が開始されたホンダ PCX(125cc)。2012年には軽二輪クラスのPCX150(150cc)が登場。
ホンダ PCX(125cc)のエンジン&駆動系。低燃費でクリーンな「eSPエンジン」を搭載。

ズーマーのカスタム費用はHow Much?(おいくら?)

TOKYOPARTSで製作中の、ワイドホイールを導入したズーマー搭載用のエンジン・駆動系・ワイドホイール部分。取材時の2022年12月現在、TOKYOPARTSではパーツの納期遅れ(特に北米ブランドのホイール)も影響し、納品が1年待ちという場合も珍しくない。

TOKYOPARTSでの最近のトレンドは、同社のエンジンハンガーを使い、PCX125/150用のエンジンを組み合わせること。これにワイドホイール&ワイドタイヤを導入するのが人気の手法だ。

中古であるエンジンや駆動系は、基本的に一度全バラにしてオーバーホールし、消耗した部品はすべて交換。また、駆動系ドリブン側、セカンダリー内の片面式ベアリングを両面式に変更するなど(純正の場合、走行距離~8000km程度でガタがきて異音が発生する場合あり)、細部まで徹底的に再生(オーバーホールの内容は要問い合わせ)。

写真下の美しいズーマーカスタムは、PCX用エンジンを搭載し、リアに人気のワイドホイールを装着。前後のブレーキやサスペンションは徹底強化されており、価格は150万円~(車両代込み)。なおブレーキ、サスペンション、ホイールなどのブランド、外装パーツの内容、塗装方法等により価格は大きく前後する。

TOKYOPARTSにてカスタムを依頼する際の、「少しでも予算を抑えたい!」という時の一例は、

・車両あらかじめ用意して持ち込むこと(程度の良い、インジェクション車が理想的)
・装着可能なホイールの持ち込み(要サイズ&組み合わせ確認の上)

TOKYOPARTSではフルコンプリート車両を購入するよりも、「昔からズーマーを持っていた」「知人から安価でズーマーを譲ってもらった」という車両持ち込みのお客さんが多数。 また、モンキー・ゴリラのカスタムと同様、予算に合わせてコツコツと仕上げていくユーザーが増えているのも特徴だ。

完成したコンプリート車をドンっと一括購入するのもアリだが、少しずつ自分流のズーマーに近付けていくのも、今時のトレンド。モンキー・ゴリラのような「コツコツとカスタム型」も、今流行のズーマーカスタムといえるだろう。

ズーマーカスタム 製作:TOKYOPARTS(東京パーツ)

TOKYOPARTSのコンプリートカスタム。価格は車両費込みで150万円~。
ホンダPCX用のエンジンスワップ+ショート型フロントフォークを組み合わせ、地を這うようなロー&ロングスタイルを演出。
最近のズーマーカスタムのトレンドは、リアワイドホイール&ワイドタイヤの装着。写真は7Jホイールに130/70-12タイヤを組み合わせ。

TOKYOPARTSの「PCXエンジン ビレットマウントKIT(PCX125&150対応)」を組み込み、ホンダPCX用エンジンをスワップ。ショート型フロントフォークを組み合わせ、地を這うようなロー&ロングスタイルに仕上げている。

エンジンは燃焼室内に亜酸化窒素を送り込むことで驚異的な加速を発揮する、ドラッグレースの定番「NOS(ナイトラス・オキサイド・システム)」を採用。亜酸化窒素が密封された青色のボンベは、フットレストスペースに設置されたサブフレームの下にレイアウト。

ハンドルはTOKYOPARTSの「セパレート ハンドルベース キット」を使い、レーシーなフォルムを演出。前後のディスクブレーキは、キャリパーにブレンボ製カニ型を採用。

オシャレなデザインのリアホイールは、超ワイドなPCX用12インチ7Jサイズの「Hurricane wheel For PCX 」を導入し、極太の130/70-12タイヤを組み合わせ。フロントは12インチキャストホイールに110/60-12タイヤをコーディネイト。

ヨシムラジャパン製マフラー、3連のプロジェクターヘッドランプ、カーボン製フロントフェンダー、肉薄のスライスシートなど、ズーマーのフォルムを活かしたアイテムが随所に投入されている。

カーボンカバーを駆使し、3連のプロジェクターヘッドランプ仕様に変更してフロントマスクをイメチェン。
TOKYOPARTSの「セパレート ハンドルベース キット(3万9380円~4万2680円/税込)」を使い、ハンドルをセパレート化。
ブレンボ製カニキャリパー、専用キャリパーサポート、ウェーブ形ディスクローター、12インチキャストホイール、110/60-12タイヤを組み合わせた豪華なフロント周り。
ショート型フロントフォークにより程よくローダウン。パワーアップによる走行安定性向上のため、フロントにはステアリングダンパーを装備。
ヨシムラジャパン製チタンマフラーを導入し、リアサイドの高級感と存在感、排気効率を大幅にアップ。
リアホイールは超ワイドなPCX用12インチ7Jサイズの「Hurricane wheel For PCX(3万8500円/税込)」を導入。タイヤはピレリ製ROSSOでサイズは130/70-12。
リアブレーキキャリパーはフロントと同様、高性能なブレンボ製カニ型を採用。
TOKYOPARTSの「PCXエンジン ビレットマウントKIT(PCX125&150対応)/17万3800円(税込)」を組み込み、ホンダPCX用エンジンをスワップ。写真のシルバーアルマイトのほかブラックアルマイトもあり。
TOKYOPARTSの「PCXエンジン ビレットマウントKIT(PCX125&150対応)」は、フレームの溶接加工をせずに装着可能なボルトオン設計(インジェクション車フレームの場合、イグニッションコイルステーのカットが必要)。
「PCXエンジン ビレットマウントKIT(PCX125&150対応)」は、PCX125はEBJ-JF28-110以降、EBJ-JF56、2BJ-JF81、JF81-100。PCX150はJBK-KF12、JBK-KF18、2BK-KF30に対応。※購入時は対応エンジンを要確認!
「PCXエンジン ビレットマウントKIT(PCX125&150対応)」は、従来のエンジンマウントよりも強固に固定してパワーロスを抑え、走行性能の向上と、高い安定性を実現。最大13インチ8Jワイドホイール迄対応(要仕様確認)。
パワーアップに伴う車体剛性アップを目指し、サブフレームを導入。
ドラッグレースの定番「NOSシステム」を採用。窒素が密封された青色のボンベはフレーム補強バーの下にレイアウト。

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