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Mercedes-Benz MANUFAKTUR Studio
最新ファクトリーに登場したカスタマイズ施設
「メイド・イン・ジンデルフィンゲン(Made in Sindelfingen)」は、メルセデス・ベンツのカスタマーにとって、これまで高い品質の証とされてきた。現在も「Sクラス」のような最高級モデルは、ドイツ・ジンデルフィンゲン工場の近代的な「ファクトリー56」において生産されている。
そして、ジンデルフィンゲンはSクラス発祥の地だけでなく、メルセデス・ベンツのパーソナライゼーションプログラム「マヌファクトゥーア(MANUFAKTUR)」の本拠地でもある。ここでは専門知識を持った従業員が、テキスタイル、インテリア、特殊ペイントの各分野で能力を発揮し、世界最高レベルのカスタマイズを実現してきた。
2024年12月5日、メルセデス・ベンツは、マヌファクトゥアーの顧客体験をさらに充実化すべく、「マヌファクトゥーア・スタジオ(MANUFAKTUR Studio)」をジンデルフィンゲン工場内にオープンした。マヌファクトゥーア・スタジオは、従来の「トラディショナル・センター・オブ・エクセレンス(traditional Center of Excellence)」と合わせて、カスタマーにメルセデス・ベンツが誇る最高レベルのクラフトマンシップを提供していくことになる。
メルセデス・ベンツの生産部門担当取締役のヨルグ・ブルザーは、マヌファクトゥーア・スタジオについて次のように説明を加えた。
「ジンデルフィンゲン工場の中心に位置する、新しいマヌファクトゥーア・スタジオでは、最高レベルのカスタマイズを体験できる専用エリアをお客様に提供します。マヌファクトゥーア体験を拡大することで、私たちはこの場所と『メイド・イン・ジンデルフィンゲン』の品質を戦略的に発展させていく計画です。今後も伝統的な職人技と、革新的なデジタル生産工程をさらに融合させていくことになるでしょう」
伝統の職人技に最新デジタル技術を導入
カスタマーが「センター・オブ・エクセレンス」において、愛車の様々な装備やトリム決定すると、それぞれのパーツやコンポーネントは、マヌファクトゥーアの職人たちによってハンドメイドで製造される。新設されるマヌファクトゥーア・スタジオでは、それぞれのカスタマーの希望に合わせて、車両がどのようにカスタマイズされるかを実際に見学・体験することができる。
マヌファクトゥーアの製造チームは、経験豊富で幅広い訓練を受けたスペシャリストで構成されており、彼らの技術に対する強い拘りは、メルセデス・ベンツの品質に強く反映されている。マヌファクトゥアー・スタジオでは、レザーのクラッディング、裁断、刺繍、縫製など、すべてのインテリアが細心のクラフトマンシップとミリ単位の精度で仕上げられる様子を、直接見ることができるという。
マヌファクトゥーア・スタジオでは、個々の作業工程のサポートに最新デジタル機器を導入することで、製作スピードを向上させ、品質を高めることが可能になったと謳う。それぞれの工程は人工知能によって最適化されており、例えば皮革の小さな凹凸を迅速かつ確実に検出することで、従業員の作業負担を軽減することに成功している。
新たに採用されたマトリックス生産工程により、モデルシリーズに関係なく、1日あたり最大20台の車両のカスタマイズにも個別対応。あらゆる方向に移動可能なドライバーレス輸送システム(自律走行型無人搬送車:AGV)の助けを借りることで、顧客車両は生産クラスター間を随時移動し、それぞれの作業工程をフレキシブルに組むことが可能になった。
革新的かつ省資源を可能にした「ピクセル・ペイント(PixelPaint)」工程は、多色ペイントを含む幅広い選択肢をカスタマーに提供。インクジェットプリンター技術からヒントを得たこの新技術は、高品質塗料を驚くほどの精度でボディに直接塗布する。これにより、カスタマイズされたペイントパターンを、最高レベルの精度で実現したという。