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MINI JOHN COOPER WORKS COUNTRYMAN
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VOLKSWAGEN T-CROSS
SUVでも“らしさ”を優先させたMINI




「MINI JCWカントリーマン」と「フォルクスワーゲン Tクロス」のボディサイズを単純に比較すると、Tクロスよりもカントリーマンの方がひとまわり大きい数字となる。カントリーマンがCセグメント、TクロスがBセグメントと、クラスがひとつ違うほどだ。
MINIには基幹モデルとしてBセグメントの3ドア「クーパー」がある。そこから派生したSUVモデルに、ゆとりある居住空間と高い積載性が求められるのは当然だろう。そしてVWには「ティグアン」という、登場からおよそ20年が経つCセグメントのベストセラーSUVやその下位モデルに位置する「Tロック」がある。両者のサイズの違いは、「MINIらしいSUVをどう表現するか」「VWが追求するTロックに次ぐSUVとは何か」という前提から発生したものといえる。
MINI JCWカントリーマン
ボディサイズ=全長4445mm×全幅1845mm×全高1645mm
ホイールベース=2690mm
車両重量=1680kg
タイヤサイズ=245/40R20
フォルクスワーゲン Tクロス TSI R-Line
ボディサイズ=全長4135mm×全幅1785mm×全高1580mm
ホイールベース=2550mm
車両重量=1260kg
タイヤサイズ=215/45R18
SUVでも“ゴーカート”




カントリーマンの車名につく「JCW」とは、MINIの高性能車に冠せられるグレード名で「ジョン クーパー ワークス」という。ゆえにJCWカントリーマンは、SUVながらスポーツ性を追求している。
それが最高出力に具体的な数値となって表れている。Tクロスは1.0リッター直列3気筒ターボという小排気量エンジンを積むのに対し、カントリーマンは2.0リッターの直列4気筒ターボで300PS超のスペックを持っている。
生活のアシとして必要な範囲内に留めたTクロスに対し、オーバースペックともいえるパワートレインが与えられたカントリーマンは、趣味性という価値が最優先されていると言える。
MINI JCWカントリーマン
エンジン形式=直列4気筒DOHCターボ
排気量=1998cc
最高出力=317PS/5750rpm
最大トルク=400Nm/2000〜4500rpm
トランスミッション=7速DCT
駆動方式=AWD
フォルクスワーゲン Tクロス TSI R-Line
エンジン形式=直列3気筒DOHCターボ
排気量=999cc
最高出力=116PS/5500rpm
最大トルク=200Nm/2000〜3500rpm
トランスミッション=7速DCT
駆動方式=FWD
趣味性を極めたゆえの高価格


趣味の乗り物か生活のアシかという方向性の違いは価格にも表れている。両車にはおよそ270万円の開きがあるが、SUVというカテゴリーを抜きに考えると、Tクロスは普通の乗用車、カントリーマンはスポーツカーということもできる。
価格だけで比較すればその差は大きいが、方向性の違いを考えればこれだけの差にも納得することができるのではないだろうか。