人気のコンパクトSUVでもこんなに違う「MINI JCWカントリーマン」と「フォルクスワーゲン Tクロス」をスペック比較

270万円の価格差はどこから?「MINI JCWカントリーマン」と「フォルクスワーゲン Tクロス」のスペック比較

“個性”というキーワードが全面に打ち出されている「MINI JCW カントリーマン」にライバルとなる車種はあるのだろうか。今回は先日マイナーチェンジした「フォルクスワーゲン Tクロス TSI R-Line」と比較してみた。

MINI JOHN COOPER WORKS COUNTRYMAN
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VOLKSWAGEN T-CROSS

SUVでも“らしさ”を優先させたMINI

「MINI JCWカントリーマン」と「フォルクスワーゲン Tクロス」のボディサイズを単純に比較すると、Tクロスよりもカントリーマンの方がひとまわり大きい数字となる。カントリーマンがCセグメント、TクロスがBセグメントと、クラスがひとつ違うほどだ。

MINIには基幹モデルとしてBセグメントの3ドア「クーパー」がある。そこから派生したSUVモデルに、ゆとりある居住空間と高い積載性が求められるのは当然だろう。そしてVWには「ティグアン」という、登場からおよそ20年が経つCセグメントのベストセラーSUVやその下位モデルに位置する「Tロック」がある。両者のサイズの違いは、「MINIらしいSUVをどう表現するか」「VWが追求するTロックに次ぐSUVとは何か」という前提から発生したものといえる。

SUVでも“ゴーカート”

カントリーマンの車名につく「JCW」とは、MINIの高性能車に冠せられるグレード名で「ジョン クーパー ワークス」という。ゆえにJCWカントリーマンは、SUVながらスポーツ性を追求している。

それが最高出力に具体的な数値となって表れている。Tクロスは1.0リッター直列3気筒ターボという小排気量エンジンを積むのに対し、カントリーマンは2.0リッターの直列4気筒ターボで300PS超のスペックを持っている。

生活のアシとして必要な範囲内に留めたTクロスに対し、オーバースペックともいえるパワートレインが与えられたカントリーマンは、趣味性という価値が最優先されていると言える。

趣味性を極めたゆえの高価格

趣味の乗り物か生活のアシかという方向性の違いは価格にも表れている。両車にはおよそ270万円の開きがあるが、SUVというカテゴリーを抜きに考えると、Tクロスは普通の乗用車、カントリーマンはスポーツカーということもできる。

価格だけで比較すればその差は大きいが、方向性の違いを考えればこれだけの差にも納得することができるのではないだろうか。

車両本体価格

MINI JCWカントリーマン 667万円
フォルクスワーゲン Tクロス TSI R-Line 396万9000円

新型MINIクーパー3ドアのエンジン車「S(右)」と電気自動車「SE(左)」。

新型MINI 3ドアの「クーパーS」と「クーパーSE」に比較試乗してエンジン車とEVの良さをそれぞれ検証

新世代MINIファミリーが続々と発表される中、ようやく本命? ともいえる3ドア・ハッチバックが日本に上陸。新たに「クーパー」のサブネームが与えられることになったこの4代目、そのエンジン車「S」と電気自動車「SE」を同時に試乗して比較した。(GENROQ 2024年10月号より転載・再構成)

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