「メルセデス AMG ONE」がニュルで市販車初の6分30秒の壁を突破

ハイブリッドハイパーカー「メルセデス AMG ONE」が自車のニュル市販車最速記録を更新する「6分29秒090」をマーク【動画】

絶好のコンディションのもと、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェに挑んだ「メルセデス AMG ONE」。
ハイブリッドハイパーカー「メルセデス AMG ONE」が、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェのタイムアタックに挑み、2022年に記録したタイムを5秒以上も更新する6分29秒090をマークした。
メルセデス AMGは、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェにおいて、ハイブリッドハイパーカー「メルセデス AMG ONE」による2度目のタイムアタックを実施した。今回もドイツ出身のレーシングドライバー、マロ・エンゲル(Maro Engel)がステアリングを握り、自身が2022年に記録したタイムを5秒以上更新する6分29秒090をマーク。公道走行可能な生産車とスーパースポーツカーのカテゴリーにおいて、新記録を樹立した。

Mercedes-AMG ONE

マロ・エンゲルが今回もアタックを担当

2022年に続き、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェのアタックドライバーを務めたレーシングドライバーのマロ・エンゲル。
2022年に続き、今回のニュルブルクリンクでのアタックも、メルセデス AMGのブランドアンバサダーを務めるマロ・エンゲルが担当。見事、自身の記録を大幅に更新してみせた。

2022年10月、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェにおいて「メルセデス AMG ONE」が、市販車最速となる6分35秒183を記録。以降、この記録を破るドライバーも市販車両も存在していない。この記録に挑戦したのは、またしてもメルセデス AMG ONEだった。

メルセデス AMGのブランドアンバサダーであり、ドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)に参戦するマロ・エンゲルは、この過酷なチャレンジに挑み、見事大幅な記録更新を達成。全長20.832kmのコースにおいて、公証人のもと記録されたタイムは6分29秒090。F1マシン由来のハイブリッドテクノロジーを搭載したハイパースポーツが、自身が持っていた市販車記録を5秒以上も更新した。

このタイムにより、メルセデス AMG ONEは、6分30秒の壁を破った初のロードカーとなった。メルセデス AMGのマイケル・シーべ会長兼CEOは、今回の大幅な記録更新を受けて次のように喜びを語った。

「我々はほぼ2年間、市販車最速記録を保持してきました。それでも、メルセデス AMGでは常に限界を押し広げ、時にはそれを超えようと考えています。だからこそ、今回もまたメルセデス AMG ONEで、限界を超えることが可能だと証明したのです。チーム全員の努力と献身が報われましたし、チームの団結力と素晴らしい記録を誇りを感じます。私たちは再びメルセデス AMGのスピリットと、専門性をアピールすることができました」

リフト・アンド・コーストを的確に実施

新記録更新に向けて、入念に準備を進めるメルセデス AMGのスタッフたち。
アタックに向けて入念に準備が進められる「メルセデスAMG ONE」。今回、惰性で走らせることで効率的に回生を行う「リフト・アンド・コースト」を戦略的に行うことによって、電力を効率的に活用している。

2年前の自分達という高い壁を超えるためには、入念な準備が必要だった。さらに6分30秒を切るという目標タイムは、理想的な路面コンディションが揃わなければならない。そして迎えた2024年9月23日午後6時56分。気温15℃、路面温度20℃という絶好のコンディションのもと、3周目の計測でマロ・エンゲルは素晴らしいラップを披露し、見事6分29秒090で走り切った。

ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルが、F1グランプリで見せているように、エンゲルもハイブリッドパワートレインの電気エネルギーを最大限に活用する必要があった。しかしコース全長が20kmを超える場合は、これが非常に難しい課題となる。そのため、ブレーキをかける際はコースの適切な区間を利用してエネルギーを回生し、再びバッテリーへと電力を蓄えることが重要になった。

エンゲルは、メルセデス AMG ONEの4段階エネルギー・フロー・コントロール(EFC)システムを活用し、場合によっては、通常よりも少し早めにアクセルから足を離した。ハイブリッドパワートレインが導入されているF1やWEC(世界耐久選手権)ではお馴染みの「リフト・アンド・コースト」を採り入れたのだ。アファルターバッハのドライビングシミュレーターとノルドシュライフェでの事前テストにより、アタックラップでは最適な形でリフト・アンド・コーストを導入可能になったという。

今回のアタックに使用されたメルセデス AMG ONEは、ラップ規定の「ニュルブルクリンク1927 GmbH & Co. KG」仕様に基づき、認証機関「テュフ・ラインランド(TUV Rheinland)」からの厳格な審査を受け、量産車両であることが証明された。加えて、独立公証人「wige SOLUTIONS」が帯同し、車両の適切な状態と記録走行の正確な実施も確認している。

メルセデスAMG ONEのニュルブルクリンク・アタックを動画でチェック!

「メルセデス AMG GT 4ドア」の後継モデルとなる電動4ドアクーペの最新プロトタイプを捉えた。

ニュルブルクリンク付近を走る「メルセデス AMG GT 4ドア クーペ」後継EVを目撃!【スクープ!】

メルセデスAMGが開発に取り組んでいる電動4ドアクーペの最新プロトタイプを再びカメラが捉えた。この新モデルは、AMG初の完全電動スポーツカーとして2025年に登場予定とされている。実質的に「AMG GT4 ドア」の後継モデルで、大型でスタイリッシュなデザインが期待される。また、メルセデスの多様な電動システム提供に向けた第1弾としての役割も担っている。

キーワードで検索する

著者プロフィール

GENROQweb編集部 近影

GENROQweb編集部