フル電動コンパクトSUV「ボルボ EX40」と「メルセデス・ベンツ EQA」を比較

“同じコンパクトクラス”のフル電動SUV「ボルボ EX40」と「メルセデス・ベンツ EQA」をスペック面で比較

2024年はEV市場が世界的に失速したが、間違いなくクルマの電動化は進んでいる。ニューモデルも続々と登場しており、2023年ほどの勢いはないものの、今後もラインナップは増えていくだろう。今回は電動化を推進する欧州の2メーカーから、同クラスのSUVボディを持つ「メルセデス・ベンツ EQA」と「ボルボ EX40」をスペック面で比較してみよう。

VOLVO EX40
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MERCEDES-BENZ EQA

ボディの造形が実質の航続距離に影響する

「ボルボ EX40」と「メルセデス・ベンツ EQA」のボディサイズを比較してみると、両車ほぼ同一であることがわかる。ホイールベースも車両重量も大差ないといえるだろう。ただ、大きく異なるのはボディのデザインである。EX40は、ボルボのSUVらしくスクエアで力強いデザインを採用している。一方のEQAは、メルセデス・ベンツとしても変わった方向性で、全体的に凹凸の少ない卵型のボディデザインとなっている。

空気抵抗によって航続距離には大きな影響が出るが、メルセデス・ベンツはその影響を嫌い、EQシリーズは全体的に丸みのある造形を採用しているのだ。ボルボは見た目のスタイルは良いが、切り立ったフロントフェイスは空気抵抗をまともに受けるのではないだろうか。高速道路を走った際、消費電力や航続距離に影響が出そうなボディ形状の違いである。

回生ブレーキの利き方とタイヤの摩耗に影響が出る可能性

最高出力はEX40の方が高い。注目点はトルクで、EX40の方が高いのだが、これは1000rpmでの値となる。一方のEQAは、走り出した瞬間に最大トルクが出る。EVのトランスミッションは基本的に1速固定なので、1000回転の差は大きいのではないだろうか。停止からのスタートダッシュは、もしかしたらEQAのほうが得意かもしれない。

また駆動方式も両車正反対だ。EX40は後輪駆動(RWD)なのに対して、EQAは前輪駆動(FWD)である。スポーティな走行をした場合の楽しさはEX40のほうが上だろう。

そして気になるのが回生ブレーキの利き方である。EX40は後輪駆動であるため、回生ブレーキを働かせてもハンドリングに影響は無い。EQAは前輪駆動なので、加速も減速もハンドリングもすべて前輪が担当することになる。そのためフロントタイヤへの負担も大きくなるかもしれない。EQAはフロントタイヤの減りが早い可能性がある。

駆動用バッテリーの種類=リチウムイオン電池
最高出力=190PS/3550~7000rpm
最大トルク=385Nm/0~3550rpm
トランスミッション=1速固定
駆動方式=FWD

その価格差を埋める価値があるか

両車の価格差は約100万円と小さくない。ちなみに航続距離はEX40が590kmで、EQAは591kmと、ほぼ同じとなる。EQAはメルセデス・ベンツブランドというプレミアム性もあるだろうが、EVとしての実力を考えれば、EX40もEQAも横並びの状態といえるだろう。静粛性は、モーターである以上どのEVもガソリン車の比ではなく高いということもある。

そう考えると、EX40の価格には納得がいくかもしれない。EQAはEX40より100万円高い価値がどこにあるか、じっくり吟味する必要がありそうだ。

車両本体価格

ボルボ EX40 Plus Single Motor 679万円
メルセデス・ベンツ EQA 250+ 771万円

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