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Ferrari 296 GT3
IMSA開幕戦に勢揃いした8台の296 GT3

2024年シーズンのGTDプロクラスでの歴史的勝利から1年、連覇を狙うフェラーリはフロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催された「デイトナ24時間レース」に8台の「フェラーリ 296 GT3」をエントリーさせた。しかし、296 GT3に課されたBoP(Balance of Performance:性能調整)により、厳しい戦いを強いられることになった。
1月25日から26日にかけて開催された決勝レース、プロのレーシングドライバーによって争われる「GTDプロクラス」にエントリーしたドラゴンスピードの296 GT3 81号車(ミゲル・モリーナ、アルベルト・コスタ、トーマス・ノイバウアー、ダビデ・リゴン)は、スタート直後から上位を狙うだけのスピードを発揮することができなかった。
フィニッシュまで10時間という場面で、ノイバウアーがピットストップ直後の冷えたタイヤでコースオフ。マシンはドア交換のために再度ピットへと戻ることを余儀なくされた。さらに、夜明け後にはモリーナが他のマシンに接触された上、ドライブスルーペナルティを受け、貴重な20秒を失っている。
それでも15回目のフルコースイエロー後、残り40分のスプリントレースにおいてひとつ順位を上げ、優勝した「フォード マスタング GT3」65号車(クリストファー・ミース、デニス・オルセン、フレデリック・ヴェルヴィッシュ)から28秒差のクラス6位で走り切った。
多くのトラブルに見舞われたGTDクラスの296 GT3

プロドライバーとジェントルマンドライバーの組み合わせによるGTDクラスは、AFコルセの296 GT3 50号車(リカルド・アゴスチーニ、コンラッド・ラウルセン、アーサー・ルクレール、クストディオ・トレド)に優勝の期待が寄せられた。F1ドライバーのシャルル・ルクレールを兄に持つアーサー・ルクレールは、今回が自身初の24時間レース出走となったが、チームメイトの献身的なサポートもあり、7位完走を果たした。
トリアルシ・コンペティツィオーネの021号車(ジェームス・カラド、ステヴァン・マカレアー、シーナ・モンク、マイク・スキーン)は、ライバル車両によって引き起こされたアクシデントによって、右フロントサスペンションを破損。チームは長時間のマシン修復を余儀なくされ、クラス11位に終わっている。コンクエスト・レーシングの34号車(ジャコモ・アルト、マニー・フランコ、セドリック・スビラツォーリ、ダニエル・セラ)は、夜間から朝にかけてのいくつか発生したトラブルに加えて、レース中のドライブスルーによってタイムを失い、12位。トリアルシ・コンペティツィオーネ 023号車、インセプション・レーシング 70号車、AFコルセ 50号車は、それぞれテクニカルトラブルによりリタイアしている。