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VOLKSWAGEN GOLF
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BMW 1 SERIES
伝統と大変革の2台




2024年の同時期に共に新型が登場した「フォルクスワーゲン ゴルフ」と「BMW 1シリーズ」は、同じ前輪駆動を採用したハッチバックだ。しかしフォルクスワーゲンとBMWを古くから知っていたら、現行1シリーズには若干の違和感を覚えるだろう。
その理由はFWD化したからである。1シリーズはデビューから2世代にわたりBMW伝統のRWDを採用していたが、第3世代でFWDに大きく舵を切った。キドニーグリルに代表されるBMWのフロントフェイスは、これまでRWDのプロポーションで作られ、ファンもその姿に見慣れているがために、FWDのプロポーションに装着されたキドニーグリルに少々違和感を覚える人もいるだろう。一方ゴルフは初代以来FWDを踏襲している。安定の前輪駆動車なのだ。ゆえにベンチマークとなっている。
両車のボディサイズを比較すると、1シリーズの方が若干大きいことがわかる。さらに重量もゴルフより110kg重い。タイヤサイズはゴルフがスポーティ志向のRラインということもあって1シリーズの方が細い。スポーツ性の観点から見れば、ゴルフの方がより安定性に優れるといえそうだ。
フォルクスワーゲン ゴルフ eTSI R-Line
ボディサイズ=全長4295mm×全幅1790mm×全高1475mm
ホイールベース=2620mm
車両重量=1350kg
タイヤサイズ=225/40R18
BMW 1シリーズ 120
ボディサイズ=全長4370mm×全幅1800mm×全高1465mm
ホイールベース=2670mm
車両重量=1460kg
タイヤサイズ=205/55R17
プレミアムブランドらしいエンジンとは




エンジンはともに1.5リッターを採用しているが、ゴルフが直列4気筒なのに対し、1シリーズは3気筒となっている。パワーやトルクの数値を見ればほぼ互角であるが、高回転域のフィーリング、サウンド、振動はゴルフのほうが優れるかもしれない。なお、どちらもマイルドハイブリッドシステムを採用しており、モーターによる多少のブーストが期待できる。
だが、忘れてはならないのが重量だろう。110kgも差があれば、コーナリングフィールにはそれなりに違いが出てくるはずだ。
フォルクスワーゲン ゴルフ eTSI R-Line
エンジン形式=直列4気筒DOHCターボ
排気量=1497cc
最高出力=150PS/5000〜6000rpm
最大トルク=250Nm/1500〜3500rpm
トランスミッション=7速DCT
駆動方式=FWD
BMW 1シリーズ 120
エンジン形式=直列3気筒DOHCターボ
排気量=1498cc
最高出力=156PS/5000rpm
最大トルク=240Nm/1500〜4400rpm
トランスミッション=7速DCT
駆動方式=FWD
両車ともに購入には覚悟がいる?


両車同価格帯だが、1シリーズのほうが約20万円高価となる。BMWは走行性能を売りにしているメーカーだが、こうしてスペックを見ると、価格に対して少々物足りなさを感じてしまう。
そしてゴルフもスポーティグレードとなると400万円半ばになってくる。BMWは高級ブランドなので高価格でも納得しやすいが、大衆車メーカーであるフォルクスワーゲンがこの価格設定とは、商品に相当自信があるのだろう。