「BMW M3 CS ツーリング」が2025年3月から日本を含めた世界市場にデリバリー

557馬力の最強ワゴン「BMW M3 CS ツーリング」が「バサースト12時間」でワールドプレミア【動画】

「BMW M3 CS ツーリング」の走行シーン。
BMW M社は、M3 ツーリングをベースに軽量化や専用シャシーセットアップを導入した限定仕様「BMW M3 CS ツーリング」を発表した。
BMW M社(BMW M GmbH)は、ハイパフォーマンスステーションワゴン「BMW M3 CS ツーリング」を発表した。限定生産されるM3 CS ツーリングは、カーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)製パーツを導入した専用デザインの導入と徹底的な軽量化を実施。M3 コンペティション ツーリングを大きく上まわる走行性能を手にしながら、同時にワゴンの使い勝手を両立させている。

BMW M3 CS Touring

2025年3月から日本でもデリバリー

「BMW M3 CS ツーリング」のエクステリア。
BMWグループのミュンヘン工場で生産される「BMW M3 CS ツーリング」は、日本を含めた重点市場に向けて2025年3月からデリバリーが開始される。

「M3 CSツーリング」が、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州バサーストのマウント・パノラマ・サーキットで開催された「バサースト12時間レース」においてワールドプレミアした。最高出力557PS(405kW)を発揮する、3.0リッター直列6気筒Mツインパワーターボエンジンを搭載し、8速Mステップトロニックトランスミッションと「M xDrive」全輪駆動システムが組みわせられ、0-100 km/h加速を3.5秒という強烈な加速力を実現した。

専用シャシーチューニング、CFRP製コンポーネントの多用による軽量化など、レーシングカーフィーリングを純粋に味わうための要素を凝縮。「3シリーズ ツーリング」ベースの車内スペースは、サーキットだけでなく、日常生活やちょっとした遠出、レジャーにも対応する。

限定生産されるM3 CSツーリングは、BMW M3/M3ツーリングとともに、BMWグループのミュンヘン工場で生産。ドイツを含めたヨーロッパ、オーストラリア、日本、韓国などへのデリバリーは2025年3月から開始される予定だ。

過給圧を引き上げ、最高出力557PSを実現

搭載される3.0リッター直列6気筒エンジンは、エンジン自体に様々な改良が施され、過給圧をアップしたことで20PS引き上げられた、最高出力557PSを実現した。
搭載される3.0リッター直列6気筒エンジンは、エンジン自体に様々な改良が施され、過給圧をアップしたことで20PS引き上げられた、最高出力557PSを実現した。

BMW M3 CSツーリングに搭載される3.0リッター直列6気筒エンジンは、開発段階からサーキットにおいて最高レベルのパフォーマンスを発揮するように設計。ツーリングカーレースを含むBMW M社のモータースポーツ活動からの技術的なフィードバックが、ふんだんに採り入れられている。

クランクケースはスリーブなしのクローズドデッキ構造となり、高い燃焼圧力に対応するよう剛性レベルが高められた。軽量鍛造クランクシャフトは高いねじれ抵抗を持ち、パワーの立ち上がりをサポート。エンジンの高回転化にも貢献する。シリンダーヘッドは3Dプリンタでコアを製作し、従来の金属鋳造では不可能だった冷却水ダクトの最適な配置を実現。冷却システムとオイル供給も、サーキットでのハードな走行で発生する持続的な高負荷に対応するように設計された。

BMW M社が得意とする高回転特性と、大幅に性能アップされたMツインターボにより、高回転域へのリニアなパワーデリバリーを実現。2基のモノスクロール・ターボチャージャーの過給圧を2.1 barに引き上げられ、最高出力は20PS(15kW)向上し、557PS(405kW)に達した。エンジンの最大トルクは2750~5950rpmにおいて650Nmを発揮する。

0-100km/h加速が3.5秒、0-200km/h加速が11.7秒、80-120km/hの中間加速はは4速で2.7秒、5速で3.5秒。「Mドライバーズ・パッケージ」を標準搭載し、最高速度は電子リミッターにより300km/hに制限される。

エモーショナルなエキゾーストノートは、電動制御式フラップ、重量を最小限に抑えたチタン製リヤサイレンサー、マットブラックにペイントされた2組のテールパイプを備えたM専用エキゾーストシステムにより実現。また、エンジンサウンドはドライバーが「Mセットアップメニュー」から選択したドライブモードに応じて、ドラマチックに変化する。

シャシーは、エンジンのパフォーマンス特性、車両全体のコンセプト、重量配分に合わせて専用チューニングを実施。DSCシステム、Mダイナミック・モードの設定も、サーキット走行に合わせて仕様を最適化されている。「アダプティブMサスペンション」の電子制御ダンパー、Mサーボトロニック・ステアリング、ブレーキシステムも専用設定が導入された。

CFRP製コンポーネントによる15kgの軽量化

「BMW M3 CS ツーリング」のエクステリア。
ルーフを含めて内外装にカーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)製コンポーネントを導入したことで、M3 コンペティション ツーリングと比較して約15kgもの軽量化を実現した。

エクステリアとインテリアには、カーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)製コンポーネントを積極的に導入。カーボンファイバー製ルーフ、ボンネット、フロントスプリッター、フロントエアインテーク、エクステリアミラー・キャップ、リヤディフューザー、リヤスポイラーにCFRP製パーツが導入されている。 

室内もセンターコンソール、シフトパドル、インテリアトリム、センターコンソールがCFRP製。標準装備となる「Mカーボン・バケットシート」も、大幅な軽量化に貢献している。また、チタン製リヤサイレンサーの搭載により、エキゾーストシステムだけで4kg以上も軽量化された。 

これらの軽量化により「M3 コンペティション ツーリング」と比較して約15kgもの軽量化を達成。また、エンジンルームに、オプションの高精度ストラットブレースを装着することで、軽量化と同時にボディ剛性も大幅に向上させることができる。

フロントセクションは、レーシングカーのストリップバックエアーが表現された、軽量仕様のフレームレス「BMWキドニーグリル」を採用。専用デザインとなるレッドの縁取りがグリルに入れられ、グリルバー上部には専用の「M3 CS」バッジも配置された。 標準搭載の「BMWレーザー・ライト・ヘッドライト」は、GT3レーシングマシンをイメージし、ウェルカム・シークエンスやロービーム/ハイビーム時にイエローが点灯する。

専用装備がふんだんに奢られたレーシーなコクピット

「BMW M3 CS ツーリング」のコクピット。
インテリアは軽量化に加えて、「Mカーボン・バケットシート」など専用装備がふんだんに導入されており、レーシーな雰囲気が演出された。

インテリアは、ドアパネルがフロント/リヤともにブラックレザーで統一。軽量仕様のセンターコンソールにはレッドの「CS」レタリングが施された。BMW M社のカラーストライプを織り込んだ「Mシートベルト」、「M3 CS」が刻まれたドアシルプレート、アンスラサイトカラーのヘッドライナー、カーボンファイバー仕上げのインテリアトリム、CFRP製シフトパドルとレッドセンターマーカー付き「Mアルカンターラ・ステアリングホイールが標準装備される。

コクピットには、最新の「BMWオペレーティング・システム8.5」をベースにした「BMW iDrive」を搭載。カーブドディスプレイは、12.3インチ・インフォメーション・ディスプレイと、14.9インチ・コントロール・ディスプレイで構成される。

シートは、M3 CS専用デザインの「Mカーボン・バケットシート」が標準装備。フル電動&ヒーターに加えて、ヘッドレストにはイルミネーション付き「M3 CS」バッジが装着された。また、シートクッションとバックレスト構造体にはCFRPが導入されており、サイドボルスターとヘッドレスト下は軽量化を目的にカットアウトが施されている。 

シート表面はメリノレザー製となり、ブラック/レッドのカラーに専用のコントラストステッチが組み合わせられた。このバイカラー仕上げはリヤコンパートメントのシートにも導入。ラゲッジルームは500Lの容量が確保され、リヤシートを倒すことで最大1510Lにまで拡大可能となっている。

「BMW M3 CS ツーリング」を動画でチェック!

専用チューンが施された「BMW M4 CS」の走行シーン。

軽量バージョン「BMW M4 CS」がデビュー「M4 コンペティションから20kg軽量化」【動画】

BMW M社(BMW M GmbH)は、ハイパフォーマンスクーペ「M4」の特別仕様車「M4 CS」を発表した。専用のシャシーチューンが施され、3.0リッター直列6気筒ガソリンエンジンの最高出力は550PSに向上。エクステリアにはカーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)製コンポーネントが導入された。M4 CSの受注は2024年5月下旬からスタートし、7月からドイツ・ディンゴルフィングで生産される。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…