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CO2排出量削減のための投資を継続
2019年に初めてカーボンニュートラル認定を受けて以来、ベントレーはさらなる排出量削減のための投資を続けてきた。その結果、オフセットの使用量は同期間比で81%も減少。従業員たちによる熱心な取り組みと、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックによる出張の削減により、ベントレーの業務におけるCO2排出量は、2019年の1万7482tCO2eから、2020年には3341tCO2eに減少した。
今回、測定の対象を広げ、すべての出張と地方の3つのサテライトを含めたにもかかわらず、このような素晴らしい結果を達成したことについて、製造部門の担当取締役であるピーター・ボッシュは次のように説明している。
「この20年間、ベントレーは持続可能性に関し先駆的なアプローチをとり、高品質で環境負荷の低い、効率の良い製造施設をここクルーに設立しました。 私たちはカーボンオフセットを減らすことに尽力しており、私たちのチームは環境負荷を減らすための素晴らしいソリューションを毎年継続的に導入しています。私たちの最終的な目標は、2030年までに気候変動に影響を与えない製造拠点を作ることにあります」
「環境問題について自動車事業全体で明確なミッションを掲げており、ベントレー自身の事業をより正確に捉えるために測定対象範囲を広げたにもかかわらず、車両1台あたりのCO2排出量を81%も削減することができました。これは、当社のコミットメントとスピードを裏付ける結果です」
「Green D+」再生可能燃料タンクを設置
現在、長期的な投資と先を見越した事業計画により、ベントレーが使用する電気とガスの100%が再生可能エネルギーとなった。ベントレーはクルーの敷地内にある7.7MWのソーラーシステムで発電すると同時に、100%REGO認証(Renewable Energy Guarantee of Origin:再生可能エネルギー発電源証明)を受けた再生可能電力と、100%RGGO認証(Renewable Gas Guarantees of Origin)を受けたガスを購入している。
さらに、エネルギー効率の高い5.5MWのボイラー3基を導入したことで、電力消費量を大幅に削減。グリーンガスの使用もより効率的になった。
このグリーンエネルギーは、工場の操業を支えるだけではない。130の充電ポイントが工場内に設置されたことで、開発・研究中のハイブリッドモデルやEVモデルも開発段階から充電が可能になった。さらに、ゼロエミッション車やハイブリッド車を社用車制度で利用できるため、従業員の移動にも役立っているという。
地域の物流も考慮されており、敷地内に3万4000リットルの「Green D+」再生可能燃料タンクを設置。これにより、重量積載物車両やその他の電気を使用しない車両は、通常のディーゼル車と比較して、物流車両からのCO2排出量を86%以上削減した燃料で走ることが可能になった。また、車両や発電機による従来の燃料使用量は、高品質のカーボンスタンダードオフセット(Verra)によって補われている。
今回の成果は、歴史あるクルー工場をエネルギー効率と炭素効率の高い工場にするために、約20年間取り組んできたことの成果と言えるだろう。施設の一部は1930年代から存在していたが、1999年にベントレーは英国の自動車メーカーとして初めて「ISO14001」環境管理規格を取得。エネルギー効率を最大化して排出量を削減するために工場をアップグレードすることを継続的に行っている。
ビヨンド100戦略により持続可能性への取り組みが加速
クルー工場敷地内には、英国最大のソーラーカーポート(駐車場)が存在する。1378台分の駐車スペース(1万6426平方メートル)をカバーするこの施設は1万枚のソーラーパネルで構成され、2.7MWの容量がある。工場の屋根に設置された2万815枚のパネルと合わせると、現場のソーラーパネルの総発電量は7.7MWとなり、これは1750軒以上の住宅をまかなえる電力となる。
ベントレーは現在、電動化への取り組みを加速させている。ビヨンド100戦略の一環として、2021年にはベンテイガ ハイブリッドに加えて、フライングスパー ハイブリッドがデビュー。2024年までにすべてのモデルにハイブリッド車を導入することを目指している。さらに、2025年に最初のフルEVモデルが導入される予定だ。