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TOTOTA GR COROLLA
モータースポーツでの知見を投入

日本に導入される進化型「GRカローラ」は、2024年8月2日に米国で発表されたGRカローラの日本仕様となる。スーパー耐久などのモータースポーツに参戦で得たフィードバックを生かし、高速コーナーでの旋回性能に加えて、加速性能や冷却性能をアップデート。進化型GRヤリスにも採用した新開発8速AT「GAZOO Racing Direct Automatic Transmission(GR-DAT)」を新たに設定した。
今回、石浦宏明らプロドライバー、社内の評価ドライバー、マスタ―ドライバーのモリゾウ(豊田章男会長)からのフィードバックをもとに、限界領域でのドライビングだけでなく、日常使においても「ずっと乗っていたくなる」フィーリングが追求されている。
日本仕様には、新たに公道では味わえない躍動感を得られる「サーキットモード」を設定。サーキットモードは、国内のサービス対象サーキット・施設において、アンチラグ制御の追加やスピードリミッター上限速度の引き上げなど、クルマのポテンシャルを引き出す機能が有効となるサービス。GPSによる位置判定と専用アプリ上での操作により、シフトタイミングやエンジン回転数を直感的に示す専用メーター表示に切り替わり、サーキットモードが利用可能となる。
1.6リッター直3ターボの最大トルクが30Nmアップ

パワーユニットに関しては、スポーツ走行における1.6リッター直列3気筒ターボエンジンの使用領域を分析。コーナーでの立ち上がり加速に重要な中速域でのエンジントルクを、現行型に対して30Nm増加し、最大トルクが400Nmにアップした。
足まわりは、前後ショックアブソーバーに、リバウンド側で作動するスプリングを内蔵。旋回時の車両姿勢と内輪の接地荷重特性を改善することで、旋回中の車両安定性を向上した。また、リヤアクスルの回転中心であるトレーリングアーム取付点を上げることで、加速時のリヤの沈み込みを低減。アクセル操作に対する車両姿勢変化を抑え、駆動力の応答性を向上させ、安定した姿勢でのコーナーリングを実現している。
リヤサスペンションに関しては、コイルスプリングとスタビライザーのバネ特性を見直し、それぞれのロール剛性の分担率を最適化。これにより、旋回時のリヤタイヤの接地性を向上させ、車両コントロール性が向上した。さらにクルマとの一体感を向上させるため、ステアリングコラムとインストルメントパネル・リインフォースメントの締結部に、締結剛性の高い溝付ワッシャーボルトを採用。直進安定性とステアリング操作に対するダイレクト感をアップさせている。
新開発8速AT「GR-DAT」を搭載

トランスミッションには、進化型「GRヤリス」から導入された、新開発8速AT「GR-DAT」を新たに搭載。従来は減速度や車両速度などの車両状態に基づき変速させていたところを、よりドライバーの意図を反映するため、ブレーキの踏み込み方・抜き方、アクセル操作までを細かくモニタリングすることで、運転状況を先読みし、プロドライバーによるシフト操作と同じようなタイミングでのギヤ選択を実現した。
これにより、ドライバーはシフト操作に気を取られず、ステアリング、アクセル、ブレーキの運転操作に集中できることが可能になり、スポーツ走行の楽しさがより広がると、トヨタは説明する。
GR-DAT搭載車にはエンジン始動時の暖気促進も兼ねた「水冷式ATFウォーマー&クーラー」に加えて「空冷式ATFクーラー」を標準装備。スポーツ走行を考慮し、エンジン冷却を強化するためにサブラジエーターを設定した。空冷式ATFクーラー前のロワグリルに冷却用の開口を設定。フロントバンパー側面のサイドダクトに空気の排出用の開口を設けることで、冷却用の空気をスムーズに排出できる構造を採用している。
ブレーキは、より安定した制動力を確保するブレーキダクトを導入。フロントブレーキローターに直接フレッシュエアを導いて冷却効果を向上することで、ブレーキ温度の上昇を抑制する。また、限界領域におけるABSを改良。上下Gセンサーにより、ABS作動輪の接地荷重をモニタリングすることで、ABS作動時の安定した制動力を実現した。
車両本体価格(税込)
トヨタ GRカローラ RZ(GR-DAT 8AT):598万円
トヨタ GRカローラ RZ(6MT):568万円
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・TOYOTA GAZOO Racing公式サイト