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930 ターボ日本第1号車の由緒正しい個体


「クルマの共同所有」というビジネスを展開するランデブー(RENDEZ-VOUS)。欲しいクルマがあるけれど高くて買えない、メンテナンスが心配という人にとってはぴったりのシステムだ。所有までの流れは、まず欲しいクルマを申し込む。そして他にも同じクルマが欲しいという人がいるかどうかのマッチングを行う。うまく希望車が同じ人が見つかったらRENDEZ-VOUSがクルマを用意し、マッチングした複数のオーナーが共同で所有する、というものだ。
最大のメリットは費用が安く抑えられ、保管やメンテナンスの心配もいらないこと。例えば1300万円のクルマを6人で共同所有した場合、毎月の負担額は4万4000円となる。これにはメンテナンス代や保険料、税金も含まれるので、これ以上の負担は自分が使用するガソリン代のみ。オーナーは自分が使いたい日を予約するだけ。購入するよりはるかに低い金銭負担で憧れのクルマを楽しむことができるし、スーパーカーやクラシックカーであっても、保管場所やメンテナンスの心配をすることもない。このシステムを導入した2024年6月以降だけでも425台の申し込み台数があり、26台がマッチングしたという。
そのランデブーの車両に新たに1975年式の「ポルシェ 930 ターボ」が加わった。実はこの車両、当時の正規インポーターであるミツワ自動車が輸入した日本の930 ターボ第1号車という由緒正しい個体なのだという。前オーナーのご子息から相談を受けたランデブーが購入してレストアを行うことを決意。約30年も倉庫に仕舞われていたというオレンジ色の930ターボは1年半のレストアを経て、見事に復活した。その後マッチング候補者を募り、4名のオーナーが決定した。
サンバイザー以外すべてオリジナルの状態に復元


レストア作業を担当したのは、元ミツワ自動車のメカニックが多数在籍するポルテック。その仕事ぶりはさすがで、どうしても入手できなかったサンバイザー以外はすべてオリジナルの状態に復元したという。レストア済み車両というと全塗装もしてピカピカというイメージが強いが、この930ターボは可能な限りオリジナルを維持することを尊重しており、ボディも塗り替えていない。これが当時の空気感を見事に伝えてくれているのだ。
ランデブーの浅岡亮太代表によると、マッチング申し込みが多いのはフェラーリ、ポルシェだという。申し込み車両は具体的な車種でなくても、オープンカーとかマニュアル車というものでもOKだという。うまくマッチングする人が揃えば、このような希少なクルマを気軽に楽しむことができるのだ。ランデブーは現在神奈川・横浜に拠点があるが、もうすぐ同じ神奈川の二子新地に2つ目の拠点をオープンさせる予定だという。