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Ferrari 499P
序盤からレースをリードしたフェラーリ

現地時間2月28日午後2時、カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットにおいて世界耐久選手権(WEC)開幕戦「カタール1812km」決勝レースがスタート。10時間で争われる、厳しく長い戦いの火蓋が切って落とされた。レース序盤、ポールポジションの「フェラーリ 499」51号車(アレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラド、アントニオ・ジョヴィナッツィ)が首位を快走。3番手グリッドからスタートした50号車が、すぐに2番手にポジションを上げ、フェラーリが1-2体制でレースをリードする。
それぞれのドライバーは確実なパフォーマンスで499Pをコントロールし、フェラーリは大きなトラブルに見舞われることなく走行を続ける。幾度となくセーフティカーが導入された難しい展開においても、完璧なレースマネージメントとタイヤ選択で乗り切ってみせた。
しかし、51号車はレース中に2度のドライブスルーペナルティを課されたことで、50号車にトップの座を譲り、サテライトチームの83号車(ロバート・クビサ、イェ・イーフェイ、フィリップ・ハンソン)に続く3番手にポジションダウン。それでも、141周目にグイディが1分41秒259のファステストラップを記録している。
最終スティントを任された50号車のフォコは318周を走り切り、2位の83号車に2秒348差、3位の51号車に2秒677差をつけてトップフィニッシュ。シーズン開幕戦において多くの強力なライバルを従えて、フェラーリが表彰台を独占した。
1972年のオーストリア戦以来の表彰台独占

今回、フェラーリは1972年シーズンの「エステルライヒリング1000km」以来、実に53年ぶりとなる耐久レースでの表彰台独占を実現。ドライバーズ選手権とマニュファクチャラーズ選手権をリードし、タイトルに向けて最高のスタートを切っている。フェラーリにWECにおける4勝目を持ち帰った50号車のフォコは、次のように喜びを語った。
「まず第一に、シーズンオフを通してチーム全体がハードワークを続けてくれたことで、カタールにおいて素晴らしいポテンシャルを発揮することができました。だからこそ、決勝レースではタイヤマネージメントや戦略が完璧に機能してくれたのです。WECにおいて3台のフェラーリがトップを独占した今回の結果は、歴史に残ることでしょう」
チームメイトのニールセンも、タイヤマネージメントとチーム戦略を絶賛した。
「序盤で2番手へと順位を上げたことで、トリッキーな展開でも自信を持ってドライブできました。タイヤマネージメントとチームの戦略が完璧だったからこそ、499Pのポテンシャルを最大限に生かすことができました。タフなレースでしたが、2024年のル・マン24時間レースに続き、表彰台の最も高い位置を取り戻せました」
ポールスタートながらも3位に終わったグイディは、チームメイトを祝福しながらも、悔しさを覗かせた。
「マニュファクチャラーズ選手権獲得に向けて、チームとして最大のポイントを持ち帰ることができました。僕らにとってクリーンなレースではありませんでしたし、レース中は表彰台を想像するのも難しかったです。悔しさはありますが、3位表彰台、そして2024年よりもはるかに良いシーズンのスタートを切ったとことに満足すべきでしょう。最も重要なのはフェラーリが優勝し、トップ3を独占したことなのです」