新型「メルセデス・ベンツ CLA」が新型EVとしてデビュー「ハイブリッドは年内に導入」

メルセデス・ベンツ新世代4ドアクーペEV「CLA」をワールドプレミア「まずはEVで追ってMHEV追加」【動画】

「メルセデス・ベンツ CLA with EQ テクノロジー」の走行シーン。
3代目に進化した、コンパクト4ドアクーペ「メルセデス・ベンツ CLA」がワールドプレミアを果たした。
メルセデス・ベンツは、新型コンパクト4ドアクーペ「CLA」をワールドプレミアした。まずは800Vフル電動システムを搭載する「CLA 250+ with EQ テクノロジー」と「CLA 350 4MATIC with EQ テクノロジー」を先行販売。2025年内に48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載したICE(内燃機関)モデルも追加される予定だ。

Mercedes-Benz CLA 350 with EQ Technology

BEV仕様に遅れてハイブリッドを追加

新型CLAは、最新フル電動パワートレインを搭載するBEV仕様(手前)が先行デビュー。カスタマーからの要望が多かったという48Vマイルドハイブリッド仕様(奥)は、年内に追加導入される予定だ。
新型CLAは、最新フル電動パワートレインを搭載するBEV仕様(手前)が先行デビュー。カスタマーからの要望が多かったという48Vマイルドハイブリッド仕様(奥)は、年内に追加導入される予定だ。

厳重なカモフラージュ偽装が施された状態でティザー映像や動画が公開されていた新型「CLA」がついにベールを脱いだ。2019年以来となるフルモデルチェンジを果たした3代目CLAは、先代モデルからプラットフォームやパワートレインを刷新、最新OSも導入されたことで、より広く洗練され、高い効率性を実現したという。「メルセデス・ベンツ史上、最もインテリジェントな1台」とメルセデス・ベンツは胸を張る。

新型CLAは、最新世代の800Vバッテリーシステムを導入したフル電動仕様と、1.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンに48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせたICE仕様の2仕様をラインナップ。エクステリアはBEVのグリルがブラックパネル、ICE仕様はクラシカルなメルセデスらしいクロームグリルが採用される。

最初に販売が開始されるのはBEV仕様の「CLA 250+ with EQ テクノロジー」と「CLA 350 4MATIC with EQ テクノロジー」のみで、年内に48Vハイブリッドシステムを搭載するICE仕様が導入される予定だという。

「CLA 250+」は792kmの最大航続距離

「メルセデス・ベンツ CLA with EQ テクノロジー」の走行シーン。
新型CLAは、出力と駆動方式の異なるBEV仕様をラインナップ。後輪駆動の「CLA 250+ with EQ テクノロジー」は、最大航続距離792kmを誇る。

最新電動パワートレイン「EQテクノロジー」を搭載した新型CLAは、電気自動車時代の「1リッターカー(=1Lの燃料で100km走行可能)」として開発。このセグメントでは驚異的な低消費電力と航続距離を実現し、電動モビリティを現実的な選択肢となるレベルに引き上げたと言えるだろう。

後輪駆動の「CLA 250+ with EQ テクノロジー」は最高システム出力200kW(271PS)を発揮し、最大航続距離は792km(WLTPサイクル)。シュトゥットガルトからキールまで、充電なしで移動することが可能になった。シリーズのトップに君臨するパフォーマンス仕様の「CLA 350 4MATIC with EQ テクノロジー」は最高出力260kW(353PS)を発揮。0-100km/h加速は4.9秒、最高速度は電子リミッターで210km/hに制限される。

どちらのモデルもリヤアクスルのメインドライブに2速ギヤボックスを搭載。あらゆる状況において、優れたダイナミズムと高効率を両立した。バッテリーは新開発の85kWhリチウムイオンバッテリーを搭載。バッテリーセルには、酸化ケイ素とグラファイトを混合した負極を採用しており、従来のグラファイト負極を使用したバッテリーと比較して、重量エネルギー密度が最大20%も向上した。

BEV仕様のCLAは、メルセデス・ベンツとして初めてヒートポンプを導入。ヒートポンプの搭載により水回路を経由せず、電動ドライブトレインからの廃熱を活用、バッテリーと外気を加えた3つのエネルギー源を並行して利用することが可能になった。800Vシステムと新世代バッテリーが組み合わせられたことで充電時間が大幅に短縮。どちらのモデルも最大320kWのDC急速充電に対応し、「CLA 250+ with EQ テクノロジー」は、10分以内で最大325kmの航続距離分を充電することができる。

48Vマイルドハイブリッド仕様は遅れて投入

ハイブリッド仕様は、新開発1.5リッター直列4気筒「M252」ガソリンターボに、48Vマイルドハイブリッドが組み合わせられる。3種類の出力レベルをラインナップする予定だ。
ハイブリッド仕様は新開発1.5リッター直列4気筒「M252」ガソリンターボに、48Vマイルドハイブリッドシステムが組み合わせられる。3種類の出力レベルをラインナップする予定だ。

BEV仕様に遅れて投入されるマイルドハイブリッドを搭載したICE(内燃機関)仕様は、新開発1.5リッター直列4気筒「M252」ガソリンターボエンジンに、48Vテクノロジーとトランスミッションに統合された電気モーターを搭載。「M252」エンジンは、FAME(ファミリー・オブ・モジュラー・エンジン)に属し、CLA以降、様々なモデルに導入される予定だ。

電気モーター、インバーター、トランスミッションは、コンパクトなユニットに統合。電気モーターは全速度域において、インテリジェントにエンジンをサポートするという。市街地走行や必要な出力が20kW未満の場合に、電気のみを使用したEVモードでの可能。EVモードでは100km/h程度までをカバーする。また走行中、最大25kWのエネルギーを回生する。

BEV仕様と基本的なエクステリアを共用するICE仕様だが、メルセデス・ベンツらしいクラシカルなクロームグリルが装着され、LEDライトガイドを標準装備。ハイブリッド仕様に搭載される1.5リッター直4ガソリンターボは、3種類のパワーレベルをラインナップし、前輪駆動と「4MATIC」全輪駆動システムから選択することが可能。詳しいスペックやラインナップは、2025年内に発表される予定となっている。

メルセデスが独自開発した「MB.OS」を初導入

「メルセデス・ベンツ CLA with EQ テクノロジー」のインテリア。
ガラスに覆われた大型ディスプレイが配置された新型CLAのコクピット。今回、メルセデスが自社開発した「メルセデス・ベンツ・オペレーティング・システム(MB.OS)」が初導入された。

新型CLAは、自社開発の「メルセデス・ベンツ・オペレーティング・システム(MB.OS)」を初めて採用し、メルセデス・ベンツ史上最もインテリジェントなコクピットを実現。AIを導入した統合システムにより、メルセデス・ベンツ独自のインテリジェントクラウドに接続された、高性能コンピューターを全車に導入することが可能になった。

これにより、運転支援システムを含む、最も重要な車両機能の定期的な無線アップデートが、メルセデス・ベンツ製モデルとして初めて可能になった。新型CLAは、発売後何年にもわたって、様々なシステムが最新の状態に保たれるという。

コクピットには、大型ガラスで覆われた10.25インチドライバーディスプレイと、14インチセンターディスプレイを配置。14インチパッセンジャーディプレイを追加する「MBUXスーパースクリーン」もオプションで用意される。

「MB.OS」は第4世代MBUXのベースとなり、パーソナライズされた体験と直感的な操作を実現。マイクロソフトとGoogleの共同開発による、AI技術を統合した初の車載インフォテインメントシステムとなる。コクピットに広がる「MBUXスーパースクリーン」は、最先端の高性能チップと「Unity」ゲームエンジンにより、高度なリアルタイムグラフィックが映し出される。

第4世代MBUXから導入されたアプリビューは、スマートフォンと同様にアプリを移動したり、名前をつけたフォルダにグループ化することが可能。アプリを開いているときは、左にスワイプするだけでアプリビューへと戻すことでき、もう1度スワイプするかホームボタン押すことで、オープニング画面へとジャンプすることが可能となっている。

MBUXバーチャル・アシスタントは、友人とのような複雑で多面的な対話を可能にし、短期記憶も装備。「ChatGPT4o」と「Microsoft Bing」による検索をベースに、インターネット集合知をドライバーやパッセンジャーへと提供すると謳う。ナビゲーション関連の質問は、「Google Maps」へとアクセスし、ナビゲーションや観光スポットなどに関する的確な回答を行う。また、メルセデスの星をイメージした専用アバターも用意された。

新型「メルセデス・ベンツ CLA」を動画でチェック!

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ゲンロクWeb編集部

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