電動スーパースポーツ対決「シボレー コルベット E-Ray」と「ポルシェ タイカン ターボ」

「スポーツカーも電動の時代?」ほぼ同額のシボレー コルベットE-Rayとポルシェタイカンターボを比較した

コルベット新時代を切り開く「シボレー コルベット E-Ray」が2024年6月に発表された。6.2リッターV8エンジンと駆動モーターを備えたコルベット E-Rayと同程度の動力性能を備える同価格帯のクルマは「ポルシェ タイカン ターボ」が筆頭となる。ハイブリッドスーパースポーツ「コルベット E-Ray」とハイパフォーマンスBEVサルーン「タイカン ターボ」のスペックを比較してみよう。

CHEVORLET CORVETTE E-RAY
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PORSCHE TAYCAN

実用性は当然タイカンが上だがコルベット E-Rayも悪くない

今回比較するのはハイブリッドスーパースポーツ「コルベット E-Ray」とハイパフォーマンスBEVサルーン「タイカン ターボ」。どちらもロー&ワイドなスタイルだが、全長はEVサルーンであるタイカンの方が長く、全幅はミッドシップエンジンレイアウトの2シータースーパースポーツであるコルベット E-Rayの方が広い。コルベット E-Rayは、トップモデルであるコルベット Z06と同じ2025mmのワイドボディとなっており、標準モデルと比べて85mm拡大されている。

実用性は比べるまでもなく4ドアセダンに分類されるタイカンの方が高い。タイカンには366Lのリヤトランクに加え、フロントにも81Lのトランクが備わっている。一方のコルベット E-Rayのエンジンルーム後方にはゴルフバッグが2個搭載できるトランクが備わり、フロントには標準モデルとほぼ変わらない容量のトランクが備わる。前後合わせたコルベット E-Rayの荷室容量は355Lだ。2人乗りであることを考慮すればコルベット E-Rayの収納スペースは十分優れたものといえるだろう。ただし、後方トランク内はエンジンから伝わる熱に注意が必要となる。

シボレーコルベット E-Ray 3LZ

ボディサイズ=全長4685mm×全幅2025mm×全高1225mm
ホイールベース=2725mm
車両重量=1810kg
タイヤサイズ=275/30ZR20(前)/ 345/25ZR21(後)

ポルシェ タイカン ターボ

ボディサイズ=全長4965mm×全幅1965mm×全高1380mm
ホイールベース=2900mm
車両重量=2300kg
タイヤサイズ=245/45R20(前)285/40R20(後)

100km/h以下での加速性能はほぼ互角

コルベットはV型8気筒OHVエンジンの動力でリヤタイヤを駆動し、最高出力162PS/最大トルク125Nmのモーターでフロントタイヤを駆動するハイブリッドカーだ。対するタイカンは前後に1基ずつのモーターを搭載し、2段の変速機を介することで高速域でも力強い加速を失わないように配慮されている。

両車のシステム出力はコルベットが664PSで、タイカンが707PSだ。加速性能はでコルベットの0-60mph(97km/h)加速タイムが2.5秒、タイカンはローンチコントロール使用時に最高出力が884PSまで引き上がり、0-100km/h加速タイムは2.7秒となっている。タイム基準が異なるため厳密な比較はできないが、100km/h以下での加速性能は両車ほぼ同じといえよう。

タイカンは2024年2月の改良で加速性能のほか、バッテリー容量も97kWh(グロス)に増加されており航続距離は最大683km(WLTP City)にまで延長された。コルベットも満充電時に4.8〜6.4kmほどの距離をフロントモーターのみで走行できるバッテリー(1.9kWh)を備えている。

シボレーコルベット E-Ray 3LZ

エンジン形式=V型8気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=6156cc
エンジン最高出力=502PS/6450rpm
エンジン最大トルク=637Nm/5150rpm
モーター最高出力=162PS
モーター最大トルク=165Nm
システム最高出力=664PS
システム最大トルク=802Nm
トランスミッション=8速DCT
駆動方式=AWD

ポルシェ タイカン ターボ

駆動用バッテリーの種類=リチウムイオン電池
最高出力=707PS(ローンチコントロール時オーバーブースト出力=884PS)
最大トルク=890Nm
トランスミッション=2速AT
駆動方式=AWD

深夜早朝でも静かに走れる電動コルベットは魅力的

価格はコルベット E-Rayの価格は標準コルベットの3LTより655万円高く、コルベット Z06より230万円安い2350万円だ。タイカンターボは、ほぼ同額の2316万円となる。

大排気量V8の動力性能を持ちながら、深夜早朝も静かに走れるコルベット E-Rayは、内燃機関を搭載したスーパースポーツとして非常に魅力的な選択だ。一方のタイカンは、高い運動性能を持ちながら快適な電動サルーンとして何不自由なく使える。両車は動力性能や価格にそれほど大きな差はない。強いて選ぶ決め手を挙げるなら「後席の必要性」「エンジンの有無」「スタイリングの好み」の3点だろう。

車両本体価格

「夢のようなコルベット同門対決」Z06とE-Rayでそのスペックを比較して見えてきた立ち位置の違い

「シボレー コルベット」シリーズのフラッグシップに位置するのは「Z06」だが、2024年6月に登場した「コルベット E-Ray」はフロントにモーターを搭載したハイブリッドマシンであり、Z06をも上回る加速性能を発揮する。「コルベット Z06」と「コルベット E-Ray」をスペック比較してそれぞれの役割の違いを見てみよう。

最強のフル電動パフォーマンスカーとして完成した「ポルシェ タイカン ターボ GT」。その開発には、新たな試みが数多く導入されている。

1100PSを超えるパワーを実現した「ポルシェ タイカン ターボ GT」に施された様々なアップデートとは?

フル電動パフォーマンスカー「ポルシェ タイカン ターボ GT」は、市販ポルシェで最もパワフルなモデルに君臨する。パフォーマンスに注力したこのスポーツセダンは、ライバルたちを遥かに凌駕する走行性能を発揮。ローンチコントロール使用時の最高出力は760kW(1034PS)、オーバーブーストを使うことで2秒間最大815kW(1108PS)にも達する。

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