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Corvette Z06 GT3.R
ボーリング・グリーン工場でシャシーを製造

2023年シーズンのIMSA・ウェザーテック・スポーツカー選手権開幕戦ロレックス・デイトナ24時間レースでデビューしたレーシングカー「シボレー コルベット Z06 GT3.R」は、ベースとなった市販モデルの「コルベット Z06」と同様、米国・ケンタッキー州のボーリング・グリーン工場でシャシーが製造され、同じ5.5リッターV型8気筒「LT6」自然吸気エンジンを搭載する。
コルベット・レーシングのプログラムマネージャーを務めるジェシカ・デーンは、コルベット Z06 GT3.Rの製作工程を次のように説明する。
「コルベット Z06 GT3.Rは、GMモータースポーツプログラムにとって、モータースポーツと市販車両間の相互技術移転の最良の例だと言えるでしょう。ロードカーのシャシーは、ボーリング・グリーンの工場の組み立てラインからロールオフ後、コンストラクターパートナーの『プラット・ミラー・エンジニアリング』に送られ、レーシングカーに生まれ変わるのです」
「パワートレインの開発はGMのグローバル・プロパルジョン・システムズ・チームが社内で行っています。エンジンのおよそ80%はロードカーと同じパーツを使っています」
コルベット・オーナーとの密接なつながり

ロレックス・デイトナ24時間レースや、ル・マン24時間レースのような長距離を走行する耐久レースは、GMのエンジニアにとって、最も過酷な条件下で車両をテストする最高の機会となる。強烈な負荷が掛かる状態で、パフォーマンス、耐久性、信頼性を評価。コルベット Z06のアーキテクチャーと5.5リッターV型8気筒「LT6」自然吸気エンジンは、これまでのコルベットのモータースポーツ活動から得た知見や経験を用いて開発された。
さらにコルベットによるモータースポーツ活動は、車両開発だけでなく、現在のそして将来のコルベットオーナーとつながる機会にもなっているとデーンは指摘する。
「デイトナ24時間レースや、世界中のレースイベントを訪れると、“コルベットコーラル”という、コルベットオーナーの集まりが行われています。彼らはそこに愛車を持ち込んでレースを観戦するのですが、ドライバーやチームメンバーがファンに会いにくることもあります。これは私たちにとっても、ロードカーのオーナーと関わることができる、本当に貴重な機会となっています」
「デイトナ24時間での盛り上がりは驚異的でした。何百人ものコルベットオーナーがレースを観戦し、コルベットレーシングに声援を送っていました。シボレーのレーシングカーとロードカーの間に密接なつながりがなければ、彼らはデイトナを訪れることはなかったでしょう」