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CHEVROLET CORVETTE Z06
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PORSCHE 911 CARRERA GTS
よりワイド&ローなミッドシップのコルベット Z06




新たにミッドエンジン車として生まれ変わった「コルベット Z06」とリヤエンジンスポーツカーの雄「ポルシェ カレラGTS」のスペックを比較する。
スポーツカーらしいスタイリングの911だが、2025mmの全幅を持つワイド&ローなコルベットと比べるとおとなしい印象だ。911が普通のクーペに見えてしまうほど、ミッドシップレイアウトに改められたコルベットの迫力は凄まじい。しかしリヤエンジンとなる911は、スポーツカーでありながらプラス2の後席が備わっており日常的な使い勝手はコルベットに勝る。
エンジンが車体後方にある両車はフロントボンネットにラゲッジルームが備わるが、コルベットはエンジン後方にもゴルフバッグが2つ積める容量のラゲッジルームを備えている。エンジンの高熱が伝わってしまうため用途は限定されるが、コルベットの使い勝手は見かけほど悪くはない。
シボレー コルベット Z06 3LZ
ボディサイズ=全長4685mm×全幅2025mm×全高1225mm
ホイールベース=2725mm
車両重量=1720kg
タイヤサイズ=275/30ZR20(前)345/25ZR21(後)
ポルシェ 911 カレラGTS
ボディサイズ=全長4553mm×全幅1852mm×全高1296mm
ホイールベース=2450mm
車両重量=1595kg(DIN)
タイヤサイズ=245/35ZR20(前)315/30ZR21(後)
排気量差がありながら加速性能は互角


両車の排気量やエンジン出力は大きく異なるが、全開加速性能は近い。コルベット Z06の0-60mph(97km/h)加速タイムは2.9秒、911 カレラGTSのタイムは、スポーツクロノパッケージ装着時で同じく2.9秒となる。
コルベット Z06に搭載されるエンジンは標準コルベットに搭載されるV型8気筒エンジンとは異なり、フラットプレーンクランクシャフトおよびDOHCのエンジンヘッドで646PSものパワーを8550rpmの高回転で発揮するのレース直系エンジンだ。
対する911カレラGTSは、排気流量に依存せず過給圧がかけられる電動ターボチャージャーを装備し、最大トルク150Nmの駆動モーターをトランスミッションに搭載した「Tハイブリッドシステム」でありシステム最高出力は541PS、最大トルクは610Nmとなっている。加えて、軽い車重とRR特有の大きな後輪接地荷重で、コルベット Z06に迫る加速性能を発揮する。
シボレー コルベット Z06 3LZ
エンジン形式=V型8気筒ガソリンエンジン
排気量=5454cc
最高出力=646PS/8550rpm
最大トルク=623Nm/6300rpm
トランスミッション=8速DCT
駆動方式=RWD
ポルシェ 911 カレラGTS
エンジン形式=水平対向6気筒ガソリンターボエンジン+モーター
排気量=3591cc
エンジン最高出力=485PS/6500rpm
エンジン最大トルク=570Nm/2000〜5500rpm
モーター最高出力=56PS(41kW)
モーター最大トルク=150Nm
システム最高出力=541PS/6500rpm
最大トルク=610Nm/1950〜6000rpm
トランスミッション=8速DCT
駆動方式=RWD
車両本体価格は911 カレラGTSの方が安いが


コルベット Z06の価格は2580万円であり、911 カレラGTSの方が200万円以上安い。しかしカレラGTSにはオプションが豊富に用意されており選択次第ではコルベット Z06の価格を超えるだろう。
ただし、Z06にも強力なダウンフォースを発生させるカーボン製のエアロパーツやブレンボ製カーボンセラミックブレーキ、カーボンファイバー製ホイールなどで構成される高額な「Z07パフォーマンスパッケージ」オプションが用意される。スペックはもちろん、価格も含めて両車は競合する存在だ。