最新ミドルクラスSUV比較「メルセデス・ベンツ GLC 220d Core」vs「レクサス RX」

GLCの廉価グレード「メルセデス・ベンツ GLC 220d Core」と「レクサス RX350h」の装備やスペックを比較

2025年3月に発売された「メルセデス・ベンツ GLC」の新たなエントリーグレード「Core」は、装備を厳選して価格が抑えられた買得感が高いグレードだ。対する「レクサス RX」も2025年2月に改良で装備の追加と改善の手が加えられ商品力が増している。両車のスペックを比較しながら、それぞれの価格や特徴を比べてみよう。

MERCEDES-BENZ GLC
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LEXUS RX

メルセデス・ベンツの「コアバリュー」が反映された新グレード「GLC Core」

「メルセデス・ベンツ GLC」に新しく追加されたエントリーグレード「Core(コア)」と人気高級SUV「レクサス RX」のハイブリッドグレード「RX350h」を比較する。

Coreは、過剰な装備やオプション設定を省き、価格を抑えたモデルだ。内外装の基本デザインはベースとなる「220d 4MATIC」と違いはないが、選べるボディカラーが人気の3色に厳選され、内装のトリムカラーがハイグロスブラックではなく専用の金属調となる。シート素材は変わらず、本革のような質感を持ちながらメンテナンス性に優れる合成皮革「ARTICO」だ。

一方、改良を受けたRXはメーターが全グレード12.3インチ液晶ディスプレイに統一された。またリヤドアガラスが遮音ガラスに変わったことに加え、吸音材の追加によって車内の静粛性がさらに高められている。

ボディサイズはRXの方がひと回り大きく、そのぶん後席居住性はGLCよりわずかに優れている。また利便性が高いレクサスならでの装備の数々もRXが持つ強みであり、軽く引くだけでドアを開けられる「e-ラッチシステム」は、後方監視システムとも連携して危険を検知した際には開放動作を一時停止して乗員を守る。

メルセデス・ベンツ GLC 220d 4MATIC Core

ボディサイズ=全長4720mm×全幅1890mm×全高1640mm
ホイールベース=2890mm
車両重量=1930kg
タイヤサイズ=235/60R18

レクサス RX350h version L AWD

ボディサイズ=全長4890mm×全幅1920mm×全高1700mm
ホイールベース=2850mm
車両重量=2010kg
タイヤサイズ=235/50R21

レクサス RXの燃費に比肩するGLCのディーゼルマイルドハイブリッド

GLC Coreのパワートレインは、通常の「220d 4MATIC」と変わらず、2.0リッターの直列4気筒ディーゼルターボエンジンに電子制御式AWDシステム「4MATIC」が組み合わされる。

加えて、エンジンとトランスミッションの間にモーターを組み込まれたマイルドハイブリッドシステムもGLCの大きな特徴だ。GLCのハイブリッドシステムはRXに搭載されるものほど複雑な機構ではないが、205Nmの大トルクを発揮するモーターが動力性能をアシストする。

RXは、2.5リッターのガソリンエンジンと最高出力182PS/最大トルク243Nmのモーターを適宜使い分けて高い燃費性能を発揮するフルハイブリッドシステムであり、AWDモデルは後輪を54PS/121Nmのモーターで駆動する電気式AWD「E-Four」となる。

高速道路での巡航では低回転域から大トルクを発揮できるGLCの方が優勢だ。そのうえ、WLTCモード燃費はRXの18.7km/Lに対して、GLCは18.1km/Lと僅差にまで迫り、燃料は軽油であるためランニングコストの安さではRXを上回る。

メルセデス・ベンツ GLC 220d 4MATIC Core

エンジン形式=直列4気筒ディーゼルターボエンジン+モーター
排気量=1992cc
エンジン最高出力=197PS/3600rpm
エンジン最大トルク=440Nm/1800〜2800rpm
トランスミッション=9速AT
駆動方式=AWD

レクサス RX350h version L AWD

エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボエンジン+モーター
排気量=2487cc
エンジン最高出力=190PS/6000rpm
エンジン最大トルク=243Nm/4300〜4500rpm
モーター最高出力=前182PS、後54PS
モーター最大トルク=前270Nm、後121Nm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=AWD

GLCの新グレード「Core」の価格はRXと並ぶ

RXの価格は811万円だ。GLCの新グレード「Core」の価格は、通常の「220d 4MTIC」グレードよりも約50万円安い819万円となり、RX350hの価格に並ぶことになる。ただしCoreグレードは、価格を抑えた代わりにエアサスや後輪操舵機構、本革シートとなる「レザーエクスクルーシブパッケージ」が選べないようになっている。

対するRXは電子制御ダンパーを標準で備わっており、今回の改良でRX350h AWDモデルにも後輪操舵機構が標準装備となった。また、シートはセミアニリン本革シートが標準だ。GLCのCoreグレードで省かれた高級装備がRXには標準で備わっており、装備のプライスバリューはRXの方が上といえるだろう。

しかしGLCは、歴史と実績があるメルセデス・ベンツのラインナップで現在もっとも売れている人気車種である。改良を受けたレクサス RXでも、メルセデス・ベンツのブランドバリューを超えるのは容易ではない。

車両本体価格

「レクサス RX」が一部改良を実施。静粛性やドライバビリティの大幅な進化に加えて、全てのモデルに12.3インチフル液晶メーターが導入されている。

「レクサス RX」が一部改良で静粛性やドライバビリティが向上「全車12.3インチフル液晶メーター導入も」

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