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Aston Martin Vantage
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BMW M4 Competition M xDrive Coupe
専用ボディを持ち、低くワイドなヴァンテージ
今回、「アストンマーティン ヴァンテージ」のライバルとしてピックアップしたのが「BMW M4 コンペティション M xDrive クーペ」だ。この2台の成り立ちは大きく異なっており、ヴァンテージはロングノーズ＆ショートデッキの専用ボディが与えられているが、M4は専用の空力コンポーネントを纏っているとはいえ、Dセグメントに属する「3シリーズ」の兄弟モデル「4シリーズ クーペ」がベースとなる。
全長は4805mmとM4が310mmも長いが、ヴァンテージは全幅が95mm幅広く、全高が125mmも低い。低くワイドに構えたスポーツカーらしいアピアランスを持つヴァンテージに対し、M4は4ドアセダンを兄弟車に持つ2ドアクーペと言うべきだろう。ただし、そのぶん2シーターのヴァンテージに対して、M4はリヤシートと十分なサイズのトランクスペースを備えている。
アストンマーティン ヴァンテージ
ボディサイズ＝全長4495mm×全幅1980mm×全高1275mm
ホイールベース＝2705mm
車両重量＝1745kg（AT）
タイヤサイズ＝275/35/ZR21（前）、325/30/ZR21（後）
BMW M4 コンペティション M xDrive クーペ
ボディサイズ＝全長4805mm×全幅1885mm×全高1400mm
ホイールベース＝2855mm
車両重量＝1790kg
タイヤサイズ＝275/35R19（前）、285/30R20（後）
圧倒的なパワー差ながら同等の加速レベル
ヴァンテージが搭載するメルセデス AMG製4.0リッターV型8気筒ツインターボは、アストンマーティン専用チューンが施され、最高出力665PSを発揮する。一方のM4はBMW伝統の3.0リッター直列6気筒ツインターボを搭載し、最高出力は530PSを絞り出す。排気量差もあって、出力には135PSもの開きがある。
だが0-100km/h加速はヴァンテージもM4も同じ3.5秒で並んだ。古典的な後輪駆動のヴァンテージに対し、M4はBMW M社によって専用開発された全輪駆動システム「M xDrive」を搭載しているためだ。モータースポーツ志向の高いトラクション性能を発揮することで、パワーで大きく上まわるヴァンテージと変わらない加速レベルを示した。
最高速は300km/hオーバーを誇るヴァンテージに軍配が上がる。一方のM4は電子リミッターで250km/hとなっているが、「Mドライバーズパッケージ」を装着することで290km/hへと最高速を引き上げることが可能となっている。
アストンマーティン ヴァンテージ
エンジン形式＝V型8気筒ガソリンツインターボ
排気量＝3982cc
最高出力＝665PS/6000rpm
最大トルク＝800Nm/2000-5000rpm
トランスミッション＝8速AT
駆動方式＝RWD
最高速度＝325km/h
0-100km/k加速＝3.5秒
BMW M4 コンペティション M xDrive クーペ
エンジン形式＝直列6気筒DOHCガソリンツインターボ
排気量＝2992cc
最高出力＝530PS/6250rpm
最大トルク＝650Nm/2750-5500rpm
トランスミッション＝8速Mステップトロニック（AT）
駆動方式＝AWD
最高速度＝250km/h
0-100km/k加速＝3.5秒
圧倒的なクオリティでM4を突き放すインテリア
ヴァンテージは英国が誇るラグジュアリーブランドのアストンマーティンとして、際立った派手さこそないものの、ディテールまでこだわり抜いた美しいインテリアを持つ。M4に関しては、専用の「Mレザーステアリングホイール」や「Mカーボンバケットシート」を備えるものの、コスト面でヴァンテージと同じクオリティを実現するのは難しい。
価格はヴァンテージが2690万円、BMW M4 コンペティション M xDrive クーペが1504万円。約1200万円もの価格差が示すように、装備や内外装の作り込みを含めて、完全に別セグメントにある2台だと言えるだろう。しかし、M4は、BMWがモータースポーツやサーキットで培った抜群のドライビング性能が与えられており、ひとたびサーキットへと持ち込めば、パワー差や価格差をひっくり返す実力を備えていることも確かだ。
また、M4は、ほぼ変わらない性能を持つオープントップ「M4 コンペティション M xDrive カブリオレ（1594万円）」、4ドアと十分な実用性を備えた「M3 コンペティション M xDrive ツーリング（1470万円）」を選ぶこともできる。