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Mercedes-Benz S 450 d 4MATIC
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Mercedes-Maybach S 580
ボディ延長分をリヤ居住性に当てたマイバッハ




2020年にデビューした現行の7代目「メルセデス・ベンツ Sクラス」。専用ボディが与えられた「メルセデス・マイバッハ Sクラス」もフルモデルチェンジして、日本では2021年7月から販売を開始した。マイバッハ SクラスはSクラスのロングホイールベース仕様から全長を180mmも延長しており、標準ボディの「S 450 d 4MATIC」と比較すると、「メルセデス・マイバッハ S 580」は全長とホイールベースが290mmも長い。その延長分がすべてリヤコンパートメントの居住性拡大に当てられている。
エクステリアは、メルセデス・ベンツのフラッグシップらしい威厳のあるフォルムを持つSクラスをベースに、マイバッハ Sクラスは煌びやかなクロームパーツを贅沢に導入。繊細な縦型ルーバーがあしらわれたフロントグリルやリヤエプロン、各部に配置されたマイバッハエンブレム、専用のツートンペイントなど、贅沢さを存分にアピールする。
メルセデス・ベンツ S 450 d 4MATIC
ボディサイズ=全長5180mm×全幅1930mm×全高1505mm
ホイールベース=3105mm
車両重量=2130kg
タイヤサイズ=255/45R19
メルセデス・マイバッハ S 580
ボディサイズ=全長5470mm×全幅1920mm×全高1510mm
ホイールベース=3395mm
車両重量=2410kg
タイヤサイズ=255/40R20(前)、255/40R20(後)
実用域で十分なパワー&トルクを備える両車


S 450 d 4MATICは、経済性が高く、最高出力367PSを発揮を発揮する3.0リッター直列6気筒クリーンディーゼルを搭載。一方のメルセデス・マイバッハ S 580は最高出力503PSの4.0リッターV型8気筒ツインターボ、どちらのモデルもマイルドハイブリッドで「インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター(ISG)」が導入されている。
最高出力に関しては、排気量で勝るメルセデス・マイバッハ S 580が、S 450 d 4MATICを136PS上まわるが、最大トルクに関してはディーゼルエンジンの特徴を活かしたS 450 d 4MATICが50Nmほど高い。どちらも市街地やハイウェイのクルージングなど、実用域においては十分なパワーとトルクを備えていると言えるだろう。
ちなみに、メルセデス・マイバッハ Sクラスは、3.0リッター直列6気筒ガソリンベースのプラグインハイブリッド仕様「S 580 e 4MATIC」や、6.0リッターV型12気筒ガソリンの「S 680 4MATIC」も用意されているが、現在日本市場ではSクラスにも搭載されている4.0リッターV8ガソリンターボのみの展開となっている。
メルセデス・ベンツ S 450 d 4MATIC
エンジン形式=直列6気筒ディーゼルターボ+ISG
排気量=2988cc
最高出力=367PS/4000rpm
最大トルク=750Nm/1350-2800rpm
トランスミッション=電子制御9速AT
駆動方式=AWD
メルセデス・マイバッハ S 580
エンジン形式=V型8気筒ツインターボ+ISG
排気量=3982
最高出力=503PS/5500rpm
最大トルク=700Nm/2000-4500rpm
トランスミッション=9速AT
駆動方式=AWD
“ファーストクラス”を名乗る贅を尽くしたリヤシート




通常ボディでも十分なスペースを持つSクラスだが、ホイールベースが290mmも拡大されたメルセデス・マイバッハ S 580のリヤキャビンは圧巻の広さ。そもそもメルセデス・マイバッハ Sクラスは、運転手がドライブし、オーナーはリヤシートに座る“ショーファードリブン”を想定しており、リヤの居住性重視は当然と言ったところ。
前席ディスプレイやベンチレーションなど、基本的なコクピットレイアウトは共通ながら、各部に“マイバッハ”であることをアピールする。インテリアは最高品質のレザーやウッドを組み合わせ、オーナーの希望に合わせて贅を尽くした仕様に仕上げることが可能だ。
リヤシートにはオプションで「ファーストクラスパッケージ」も用意。オットマン付き独立型シート、左右シート間にはシャンパン用のボトルクーラーを備えたクリーンボックス、格納式テーブルなどが備えられており、その名のとおり航空機のファーストクラスのようにくつろぐことができる。
「S 450 d 4MATIC」と「メルセデス・マイバッハ S 580」の価格差は約1600万円。同じアーキテクチャーをベースとしている両車だが、ほぼ倍以上のプライスタグに納得するには、自身がステアリングを握らず、リヤシートのみに座って移動できる立場になる必要があるかもしれない。