安価でスピード感のある「ハーマンオートモーティブ」次世代商品群

「ハーマンオートモーティブ」が次世代商品群の説明会を実施「コクピット先進機器と純正車載オーディオでシェア1位」

レディ・ディスプレイ(Ready Display)のプロダクツ。薄型、高精細、高輝度を誇る27インチNQ7。
レディ・ディスプレイ(Ready Display)のプロダクツ。薄型、高精細、高輝度を誇る27インチNQ7。
自動車車内のインテリジェント化やコネクティビティ、コンシューマーオーディオやプロ向けオーディオ機器を柱に約1.5兆円(105億米ドル)を誇る巨大企業「ハーマンインターナショナル」。その車載電装機器を担当する「ハーマンオートモーティブ」が次世代商品群を紹介する説明会を実施した。

HARMAN

JBLやハーマン・カードンだけでなく

ハーマンインターナショナルが何を生業としているかを説明するのは難しい。その内容が、多岐に渡っているからだ。資料の言葉をそのまま羅列すると、世界の自動車メーカー、消費者、企業を対象に、コネクテッドカーシステムやオーディオ・ビジュアル製品、エンタープライズ向けオートメーションソリューション、そしてコネクテッドサービスの設計・エンジニアリングを行うグローバル企業ということになる。なお2017年3月にサムスン電子の完全子会社となっている。

様々なブランドを所有するハーマンインターナショナルだが、もっとも古いブランドはJBLというアメリカのオーディオブランドだ。そして社名からも分かるように、オーディオブランドのハーマン・カードンも所有している。そういったカーオーディオから、車載電装機器のエリアでも大いに浸透し、今や自動車車内のインテリジェント化やコネクティビティのほか、ブルートゥーススピーカーなどコンシューマーオーディオやプロ向けオーディオ機器を柱に、従業員数3万3400人、年間総収益約1.5兆円(105億米ドル)に達するという巨大企業となった。

スピーディな開発を実現

Ready Displayのデモ。
Ready Displayのデモ。

今回説明会を実施したのは、その自動車部門となる「ハーマンオートモーティブ」である。自社の次世代商品群を紹介する説明会を実施した。前述のようにカーオーディオ分野に強く、純正搭載のシェア1位を獲得しているが、同様にシェア1位だというインテリジェントコクピット分野の強化をアピールした。

ターゲットとしたのは携帯電話の利便性とそれを実現しているスピーディな開発だ。ここでいう利便性とは解像度などのハード面と使い勝手などのソフト面をいう。2〜3年で買い替えることの多い携帯電話と比べて、自動車は買い替えサイクルは長くなる。自然と車載機器は、携帯電話の技術と比べると1〜2世代は前のものになってしまう。

その遅れをハーマン主導で開発した最新のプロダクト群「レディ・プロダクツ(Ready Products)」によって、最小限に縮めることができるという。

様々な提案を披露

説明会で提示されたレディ・プロダクツは下記の12商品だ。

Ready Aware 周辺環境認識の強化
Ready Care 一番大切なものを守る
Ready Connect 未接続から接続へ
Ready CQuence Loop バーチャル環境でのソフトウェア開発
Ready Display 至極のビジュアルエクスペリエンス
Ready Engage AIによるパーソナルアシスタント
Ready on Demand サウンドのパワーを引きだす
Ready Link Marketplace デジタルコマースのプラットフォーム
Ready Together ゾーンベースのサウンドとエンターテインメント管理
Ready Tune 迫力のサウンドエクスペリエンス
Ready Upgrade 次世代車両へのアップグレードに対応
Ready Vision 正確な情報を最適な方法で

今回はかいつまんで3点のみ紹介する。

レディ・ディスプレイ(Ready Display)のプロダクツとして、薄型、高精細、高輝度を誇るNQ3、NQ7デモが行われた。一般的に高価なOLEDの性能を、サムスンが特許を持つ、カドミウムフリーQDフィルムとブルーミニLEDバックライトディスプレイによるQLEDシリーズで安価に実現したという。

レディ・ヴィジョン(Ready Vision)は、フロントウインドウ下部を新たなるHMIエリアとして使用する提案だ。普段はメーターやディスプレイとして使い、場合によってはボンネットが透明になったような利便性も持っている。

レディ・リンク・マーケットプレイス(Ready Link Marketplace)はデジタルコマースのプラットフォームとして、音楽・映像・ゲームなどのエンターテイメントやZOOMやTEAMSなどのオンライン会議アプリ、あるいはニュースアプリなども車載機器に連携できるという。

これらはいずれもハーマンが主導する完成品として、世界中の自動車メーカーへ提案し、新型車導入を目標としている。これまでも北米、アジア、東欧の5ヵ所の開発センターで各地の自動車メーカーと研究開発を進めてきたことからわかるように、導入後のアフターケアもハーマンの強みだという。2024年から上記プロダクツの一部は自動車メーカーが採用しており、今後そのシェアはオーディオなどと同様に拡大していくかもしれない。

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