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McLaren W1
最強のパフォーマンスを氷点下でテスト

北極圏で行われた「マクラーレン W1」の寒冷地テストは、氷点下のコンディションにおける車両システムとパフォーマンスを検証するためだ。超低グリップ路面においてもシャシー、トラクションコントロール、トルクベクタリング、エレクトロニック・スタビリティシステムが正しく機能するようにセッティングされた。
W1は新開発4.0リッターV型8気筒「MHP-8」ツインターボエンジンとハイブリッドパワートレイン搭載し、最高システム出力1275PS、最大システムトルク1340Nmを発揮する。極寒地においてもそのパフォーマンスを発揮できるかが確認された。容量1.384kWhのハイブリッド用バッテリー、8速DCTも厳しいストレステストにさらされ、耐久性とパフォーマンスを極限まで高めている。
リードテストドライバーのダニ・マルコスは、W1での寒冷地テストを終えて、次のようにコメントした。
「マクラーレンがこれまで投入してきた『1』を掲げたモデルは、常にパフォーマンスの限界に挑戦してきました。今回の寒冷地テストを終えて、マクラーレン W1でもそれが達成できたと確信しています」
滑りやすい路面で強大なパワーを発揮

今回、北極圏のコンディションにおいてW1の強大なパワーを発揮させるため、シャシーと各システムを滑りやすい路面へと最適化することが優先された。
プロトタイプのステアリングを任されたマルコスは、「最高出力1275PSものパワーを誇るクルマですから、グリップの低いコンディションにおいて、トラクションを発揮させるのは大きなチャレンジになります。トルクベクタリングシステム、トラクションコントロール、スタビリティコントロール(ESP)、ABSブレーキシステムから最高のパフォーマンスを引き出すようプッシュしました」と、振り返った。
エンジン、ギヤボックス、モーターやバッテリーを含むハイブリッドシステムに加えて、圧縮された雪や氷が冷却システムのエアインテークに与える影響も厳しくチェックされた。北極圏でのテストはタイトな日程が組まれており、長時間におよぶテストは車両だけでなく、スタッフにも厳しい負荷を掛けることになったという。チーフエンジニアのアンディ・ビールは、その成果を次のように説明した。
「私たちはマクラーレン W1を、あらゆるコンディションに対応できるスーパースポーツにしようと、真剣に取り組み続けてきました。この厳しい寒冷地テストを完了したことで、その資格のひとつを手にしたと確信しています」