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Mercedes-AMG GLC 43 MATIC
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Audi Q6 e-tron quattro
ポルシェと共同開発した「PPE」ベースのQ6




今やメルセデス・ベンツの大黒柱となったベストセラークロスオーバー「GLC」。その中でAMGの称号を与えられたハイパフォーマンス仕様として、ラインナップ上位に君臨するのが「メルセデス AMG GLC 43 4MATIC」だ。対する「アウディ Q6 e-tron quattro advanced」は、ポルシェと共同開発したプレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)をベースとするフル電動クロスオーバー。「quattro」は前後にモーターを配置したAWD仕様となる。
スペック上ではQ6が全長で20mm、全幅で20mm、全高で55mm大きいが、そのサイズ感はほぼ同じと言っていい。新世代アウディのデザインランゲージを纏ったQ6は極めてシンプル、縦型ルーバーに大型スリーポインテッドスターを配置し、アグレッシブで押し出しの強いGLC 43 4MATICとは対照的なアピアランスを持つ。
メルセデス AMG GLC 43 4MATIC
ボディサイズ=全長4750mm×全幅1920mm×全高1640mm
ホイールベース=2890mm
車両重量=1970kg
タイヤサイズ=265/45R20(前)、295/40R20(後)
アウディ Q6 e-tron quattro advanced
ボディサイズ=全長4770mm×全幅1940mm×全高1695mm
ホイールベース=2895mm
車両重量=2410kg
タイヤサイズ=235/65R18(前)、255/60R18(後)
小排気量ながら電動ターボによる強大なパワー




2.0リッター直列4気筒ガソリンエンジンに、F1に参戦するメルセデスAMG・ペトロナスF1チーム由来の電動ターボチャージャーを組み合わせたGLC 43 4MATICが、最高出力でQ6を34PS上まわった。だが最大トルクではリヤモーターだけでGLCを圧倒するQ6に軍配が上がる。
BEVのQ6はモーターによるダイレクトな加速力という代え難い魅力を持っており、特にストップ&ゴーの多い市街地において重宝することになるだろう。また、BEVでありながら644kmと、ICEとの比較にも十分耐えうる航続距離が確保されている。
メルセデス AMG GLC 43 4MATIC
エンジン形式=直列4気筒ガソリン+電動ターボ
排気量=1991cc
最高出力=421PS/6750rpm
最大トルク=500Nm/5000rpm
トランスミッション=電子制御9速AT
駆動方式=AWD
アウディ Q6 e-tron quattro advanced
パワーユニット=前後モーター
システム最高出力=285kW(387PS)
最大トルク=275Nm(前)、580Nm(後)
トランスミッション=1速固定式
駆動方式=AWD
航続距離=644km
ソフトラップを採用したQ6の柔らかなインテリア




ホイールベースはほぼ変わらず、ミドルサイズクロスオーバーとして、十分な室内空間が確保されたGLC 43 4MATICとQ6。BEVのQ6はリヤのラゲッジスペースに加え、フロントボンネットにも64Lの収納スペースが用意されている。
どちらも最新トレンドに合わせ、コクピットに大型ディスプレイを機能的に配置。GLC 43 4MATICがベーンチレーションやトリムにクロームパーツを多用するのに対し、Q6は柔らかな触感を持つソフトラップを採用するなど、メルセデス AMGとアウディでは対照的テイストのインテリアとなった。
価格に関してはGLC 43 4MATICが1194万円と、Q6 e-tron quattroを約200万円上まわった。BEVが十分な実用性と現実的な価格を実現したことで、ICE搭載モデルと普通に比較できる環境が整ったと言えるかもしれない。また、Q6には最高システム出力516PSを誇るハイパフォーマンス仕様「SQ6 e-tron」も用意されており、こちらは1320万円というプライスタグを掲げている。