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MINI JOHN COOPER WORKS
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Volkswagen Golf GTI
全身から特別な1台をアピールする「JCW」




2024年、MINIはシリーズ全てを新世代モデルへと切り替えた。3ドア、5ドア、コンバーチブルの3種類のボディタイプを持つ「MINI クーパー」は、内燃機関(ICE)に加えて、3ドアにはBEV仕様をラインナップ。フル電動パワートレインのみを搭載するクロスオーバー「MINIエースマン」、SUVタイプの「MINI カントリーマン」の3モデルを展開する。シリーズ最高レベルのパフォーマンスを誇るのが「MINI ジョン クーパー ワークス」。今回は新世代MINIの“ゴーカートフィーリング”を体現した、3ドアのジョン クーパー ワークス(JCW)をピックアップした。
対する「フォルクスワーゲン ゴルフ GTI」は、2024年に改良新型へと進化した8代目ゴルフのパフォーマンスモデル。そもそも2台のセグメントが異なることもあるが、全長が420mm、全幅が45mm、ホイールベースは125mmもゴルフ GTIが大きく、それはリヤシートの居住性やラゲッジルームの容量にも現れている。
エクステリアデザインは、伝統的にゴルフ GTIがさりげないスポーティを纏うのに対し、MINI ジョン クーパー ワークスはモータースポーツをイメージした専用デザインにより、特別な1台であることを強烈にアピールしていると言えるだろう。
MINI ジョン クーパー ワークス
ボディサイズ=全長3875mm×全幅1745mm×全高1455mm
ホイールベース=2495mm
車両重量=1350kg
タイヤサイズ=215/45R17
フォルクスワーゲン ゴルフ GTI
ボディサイズ=全長4295mm×全幅1790mm×全高1465mm
ホイールベース=2620mm
車両重量=1430kg
タイヤサイズ=225/40R18
ほぼ変わらないパワーも軽さで凌ぐJCW




MINI ジョン クーパー ワークスが搭載するのは、2.0リッター直列4気筒MINIツインパワーターボエンジン。最高出力231PS・最大トルクは380Nmを発揮し、7速DCTを介して前輪を駆動、JCW専用チューニングが施されたスポーツサスペンションが奢られる。3ドアのJCWにはフル電動パワートレインも用意されておこり、こちらは最高出力258PS、最大航続距離421kmというスペックが与えられた。
ゴルフ GTIは、今回のフェイスリフトに合わせて最高出力が20PSパワーアップした265PSの2.0リッター直列4気筒TSIガソリンターボを搭載。最高出力はほぼ変わらない2台だが、ゴルフ GTIよりも車両重量が80kg軽いMINI ジョン クーパー ワークスが、0-100km加速は0.3秒も速い。
MINI ジョン クーパー ワークス
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボ
排気量=1998cc
最高出力=231PS/5000rpm
最大トルク=380Nm/1500〜4000rpm
トランスミッション=7速DCT
駆動方式=FWD
0-100km/h加速=6.1秒
フォルクスワーゲン ゴルフ GTI
エンジン形式=直列4気筒TSIガソリンターボ
排気量=1984cc
最高出力=265PS/5250〜6500rpm
最大トルク=370Nm/1600〜4500rpm
トランスミッション=7速DSG(DCT)
駆動方式=FWD
0-100km/h加速=6.4秒
ほぼ同じ価格帯にあるが、その個性は正反対


新世代MINIのコクピットは、直径240mmの有機EL大型円形センターディスプレイを配置し、緩やかなカーブを描くダッシュボードには、全面にテキスタイルを思わせる新素材を導入。ゴルフ GTIはセンターに画面対角328mmの独立型タッチスクリーンを配置し、AIを備えた「ChatGPT」が、ボイスアシスタントの「IDA」に統合された。
コクピットやインテリアの質感は、やはりセグメント上位のゴルフ GTIに軍配が上がる。さらにスポーツモデルでありながらも、ファミリーユースにもしっかり対応する居住性やユーティリティ性は魅力だ。
MINI ジョン クーパー ワークスは、センター出しのシングルパイプエキゾーストなど、唯一無二の個性を備え、レーシングカーのようにシャープなハンドリングは、他のコンパクトハッチではけして味わうことはできない。価格はほぼ変わらない2台だが、そのキャラクターは対照的。そのチョイスは家族構成や使用環境に合わせることになるだろう。