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Indianapolis 500
父と共に愛し続けてきたインディ500

先週末、私はインディアナポリスへと向かい「インディアナポリス500マイル」レースを観戦しました。これで37年連続の観戦です。このアメリカを代表するレースは、私の人生とキャリアに大きな影響を与えてきました。インディ500への愛は、インディアナ州南部の農場で育った少年時代から始まりました。
父と私は、A.J.フォイト、アル・アンサー、ジョニー・ラザフォード、トム・スネバ、マリオ・アンドレッティ、リック・メアーズ、ダニー・サリバンをはじめとする多くのレーシングレジェンドが活躍していた全盛期、日曜日の夜にテレビでレースを観戦していたものです。A.J.フォイトの大ファンだった父と同じように、私も彼を熱狂的に応援していました。
大学はインディアナ州に残り、インディアナポリスから北へ1時間ほど行ったパデュー大学で機械工学の理学士号を取得。パデュー大学にはコーオプ教育(インターシップのような)プログラムがあり、私は幸運にもインディアナ州マンシーにある自動車部品メーカー、ボルグワーナー・オートモーティブ・トランスミッション・システムズ社に就職することができました。
それがきっかけで、1987年5月に初めてインディアナポリス・モーター・スピードウェイを訪れました(その年はレースを観戦することができませんでしたが……)。インディ500で優勝すると、ボルグワーナー・トロフィーに顔が載るのは有名な話。ボルグワーナー社に勤めたことで、会社が行っていたサーキット活動のいくつかに参加することもできました。まさに夢が叶ったのです。
大学卒業後に初めて訪れたインディアナポリス

私が初めてインディ500を現地観戦したのは、パデュー大学卒業後の1989年5月28日。ターン3のアウト側に陣取って、リック・メアーズが駆るイエローのペンゾイル 2号車を先頭に、33台が1周目のバックストレートを全速力で駆け抜けて行く光景は忘れられません。
鳥肌が立ち、今でも思い出すたびに笑顔になるほどです。この年、リックはエンジントラブルで23位に終わり、エマーソン・フィッティパルディがトップチェッカーを受けました。その後、私はリックに直接会って、彼のキャリアやサーキット、ドライビングについて話す機会を得ました。1989年のあの日、彼をスタンドから見ていた経験を分かち合うことができました。
最初の観戦以来、私は毎年インディ500を訪れ、サーキットでのあらゆる活動に何度も参加しました。2014年には、インディアナポリス・グランプリでペースカーをドライブするチャンスまで得たのです。
妻や子供たちと愛してやまない場所へ

私はインディ500が守り続けている伝統が大好きです。例えば、亡くなったアメリカ軍の勇敢な人々を称える『タップス(Taps:戦死者の葬儀に際して演奏される、弔意を表すラッパ)』の演奏、アメリカ空軍のアクロバットチーム「サンダーバーズ」が行うレース前のフライオーバー、そして毎回胸が詰まる『Back Home Again in Indiana』の歌唱……。
私自身、コルベットのペースカーのステアリングを握り、サンダーバーズのパイロットに助手席からサーキットを経験してもらったこともありました。彼らがどれだけサーキット走行を楽しんでいるか見るのも、フライオーバー中に彼らが到達する速度について話を聞くのも本当に楽しかったです。
子供たちにレース愛を伝えたいと思っていたので、2008年に妻のミシェルと子供たちを「カーブデイ」に連れて行きました。これはレース前の最終プラクティスであり、コンサートなどの楽しいイベントが行われます。ちなみにカーブデイはキャブレターに由来しますが、インディカーは数十年前からキャブレターを使用していません(笑)。
当時の子供たちの年齢(4歳と3歳)を考え、視覚と聴覚でレースの雰囲気を“短く”体験させるのが適切だと考えました。幸い、彼らは現在も私と同じようにインディ500を愛してくれています。この週末も、私たち4人で特別な時間を過ごしました。
レースの情熱をGMのオーナーに伝えたい

2009年、私はグランドマーシャルカー(グリーンフラッグ前の2〜3周で先頭を走るシボレー カマロ)をドライブしました。その年、私の同乗者は元バスケットボールコーチで、キャスターのディック・ヴィターレ。以来、私は毎年この素晴らしい機会を与えられ、多くの有名人やスポーツ界の著名人と最高のドライブを堪能しています。
ゼネラルモーターズ、そしてGMモータースポーツから与えられた重要なタスクにより、毎年、土曜日の午後にペースカーでホットラップを走ったり、パレードランのドライブを担当しています。子供の頃に活躍していたレース界のヒーローたちにも会うことができましたし、どれもこれも信じられないような経験ばかり。インディアナ州南部で育った子供にとって、これは宝くじに当たったようなものでしょう。
私のインディ500、そしてレースへの情熱と愛情は、その経験をお客様に楽しんでいただけるよう、様々なインスピレーションを与えてくれます。シボレー コルベットをドライブするスリルや、キャデラック Vシリーズ ブラックウイングが持つパフォーマンスなど、GMはインディ500の興奮と伝統を、GMが送り出す全てのクルマにもたらすよう努力しています。胸が高鳴るような興奮、レースへの愛を分かち合うすべての人にお届けしたいと、いつも考えています。
だからこそ、毎年故郷のインディアナ州へと帰り、「レース界最大のスペクタクル」を目撃できることに興奮しています。あの熱狂に包まれながら、スタンドの集まった観衆を見渡したとき、初めてレースを経験する少年少女が、レーシングカーの中身を想像し、チェッカーフラッグを受けることを夢見ているのかと想像するのです。