ハイパフォーマンスクーペ「BMW M2 CS」が2025年夏から販売開始

M3に匹敵するパフォーマンスを手にしたBMW M2 CSがデビュー「最高出力530馬力と30kg軽量化」【動画】

M2の最上級仕様「M2 CS」の走行シーン。
BMWは、M2の最上級仕様「M2 CS」を公開。2025年晩夏からドイツで販売を開始する。
BMWは2ドアハイパフォーマンスクーペ「M2 CS」を発表した。M2 CSは、2025年5月23日から25日にかけてイタリア・コモ湖畔で開催された「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステにおいて先行公開。2025年晩夏からドイツにおいて販売を開始する。

BMW M2 CS

ベースのM2から30kgもの軽量化を実施

M2の最上級仕様「M2 CS」のエクステリア。
「M2 CS」は、ベースとなった現行M2から30kgもの軽量化が実施された。

2024年6月に投入されたハイパフォーマンスコンパクト2ドアクーペ「BMW M2」。その新型M2をベースに、3.0リッター直列6気筒ツインターボエンジンの最高出力を50PSアップの530PSに引き上げ、専用パーツを奢った最上級仕様「M2 CS」を開発した。M2 CSは標準装備されるドライブロジック付き8速Mステップトロニックを介して後輪を駆動し、上級モデルの「M3 コンペティション セダン」「M4 コンペティション クーペ」に匹敵するパフォーマンスを実現した。

BMW M社(BMW M GmbH)は、標準仕様のM2から約30kgもの軽量化を実施。これは専用形状のリヤディフューザーを含め、カーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)製エクステリアパーツを多数採用したことで可能になったという。また、足元にはBMW M 軽量鍛造アロイホイールを標準装備する。

アダプティブLEDヘッドライトと、ダークインレイ付Mライト・シャドーラインを標準装備。エクステリアカラーは、サファイア・ブラック・メタリック、ベルベットブルー・メタリック、Mブルックリングレー・メタリック、Mポルティマオブルー・メタリックの4色をラインナップする。

M2 CSはM2 レーシングと同様、メキシコのBMWグループ・サン・ルイス・ポトシ工場で生産。BMW M 社が展開するスペシャルモデル同様、M2 CSも限定台数のみが生産される。ドイツでにおける価格は11万5000ユーロから。主な販売マーケットはドイツ、米国、中国となり、導入は2025年晩夏から開始される予定。現時点で日本市場への導入はアナウンスされていない。

最高出力530PS・最大トルク650Nmを発揮

M2の最上級仕様「M2 CS」の3.0リッター直6ツインターボエンジン。
3.0リッター直列6気筒ツインターボエンジンは、BMW M社によるチューニングが実施され、最高出力530PS・最大トルク650Nmを発揮する。

M2 CSのために、BMW M社は3.0リッター直列6気筒ツインターボエンジンに、モータースポーツからのフィードバックを含めたアップデートを実施。エンジンマネージメントに変更を加えたことで、標準仕様のM2と比較すると、最大トルクは50Nmアップの650Nm、最高出力は50PSアップの530PSにまで向上した。

アクセルマッピングとレスポンスは、BMW M社はエンジンマネージメントMセットアップメニューで選択可能なすべてのドライブモードにおいて最適化された。専用のクーリングシステムはサーキットなどの高負荷走行時でもパワートレインの最適な作動温度を維持。オイル供給は極端な動的状況にも対応するように設計されており、マップ制御オイルポンプの搭載により、極端な加速時でも確実なオイル供給が保証されている。

ドライブロジックを標準装備した8速Mステップトロニック・トランスミッションを介して後輪を駆動。コクピットのセレクターレバーに内蔵されたドライブロジックボタンは、トランスミッションのシフト特性を3種類から選択することが可能。また、Mデザインの専用セレクターレバーとステアリングホイールのシフトパドルにより、瞬時に変速を行うことができる。

0-100km/h加速3.8秒という瞬足を実現

M2の最上級仕様「M2 CS」の走行シーン。
大幅な軽量化、パワーユニットのアップデート、さらに専用シャシーチューニングが施されたことで、0-100km/h加速はベース仕様から0.2秒も速い、3.8秒を実現した。

シャシーは8mmローダウン化され、スプリング、ダンパー、シャシーコントロールシステムにM2 CS専用チューニングが施された。これにより、あらゆるシーンでドライビング・ダイナミクスが大幅に向上。ダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC)とMダイナミック・モードの設定は、サーキットでのドライビングの要求を満たすために最適化されている。

標準装備の「アダプティブ Mシャシー」は、Mサーボトロニックステアリング、Mスポーツ・ディファレンシャルを含め、BMW M社により専用設定が導入された。レッド・ブレーキキャリパー付き「Mコンパウンド・ブレーキシステム」を標準装備し、オプションの「Mカーボン・セラミック・ブレーキシステム」を選ぶこともできる。

0-100 km/h加速は4秒の壁を打ち破り、標準のM2よりも0.2秒も速い3.8秒。0-200km/h加速は1.2秒も短縮されて11.7秒。Mドライバーズ・パッケージが標準装備され、最高速度は電子リミッターにより302km/hに制限される。

電動制御フラップを備えたM専用エキゾーストシステムと、M2 CS専用のマットブラック・Mクワッドエキゾーストパイプを搭載。今回、M2 CS専用「M パフォーマンス・パーツ」として、カーボン&チタン製テールパイプトリムを備えた「M パフォーマンス サイレンサー・システム」が初めて用意された。

「M カーボン・バケットシート」を標準装備

M2の最上級仕様「M2 CS」のコクピット。
軽量化つ適切なホールド性が確保された「M カーボン・バケットシート」が標準装備。シートサーフェスはメリノ・レザー製となる。

コクピットは、アルカンターラをメインに、軽量コンポーネントが組み合わせられた。センターコンソールはカーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)製となり、ドライバーシートとパッセンジャーシートは、シートヒーター付き「M カーボン・バケットシート」を配置。シートサーフェスはメリノレザー、一体型ヘッドレストは取り外しが可能となっており、オプションでマルチポイントハーネスを組み込むこともできる。

3スポーク&フラットボトム形状、ギヤシフトパドル、12時位置のレッドセンターマーカー、2基のMボタンを備えた「Mアルカンターラ・ステアリングホイール」を標準装備。オプションでヒーテッド仕様も用意される。インストルメントパネルとセンターコンソールのトリムエレメントは「Mカーボン・ファイバー」仕様を導入。センターコンソールとドアトリムパネルの 「CS 」ロゴ、Mシートベルト、エントリードアシルプレートなど、M2 CS専用ディテールが多数追加された。

「BMW M2 CS」を動画でチェック!

DTM開幕戦オッシャースレーベンで公開された「BMW M2 レーシング」。

2026年登場の「BMW M2 レーシング」がDTM開幕戦オッシャースレーベンでお披露目【動画】

BMW Mモータースポーツは、カスタマーチーム向けエントリーレーシングカー「BMW M2 レーシング」の供給を2026年シーズンから開始する。2024年の正式発表後、M2 レーシングは開発とテストを続けてきたが、正式販売を前にドイツ・ツーリングカー(DTM)開幕戦オッシャースレーベンにおいて一般公開された。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーカーマガジン月刊『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつ…