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Ferrari 499P
ロバート・クビサが全体の43%を担当

6月14日午後4時、33万2000人もの大観衆が見守る中、8つのマニュファクチャラーから出場した21台のハイパーカーがサルト・サーキットに集結。好天のもとでスタートしたレースは、スタート直後から各所で激しいバトルが展開することになった。
フェラーリ勢は、フェラーリ AFコルセ の「フェラーリ 499P」50号車(アントニオ・フォコ、ミゲル・モリーナ、ニクラス・ニールセン)が7番手グリッド、51号車(アレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラド、アントニオ・ジョヴィナッツィ)が11番手グリッド、AFコルセの83号車が13番手グリッドから決勝レースをスタートした。
決勝レース、素晴らしい走りを披露したのはF1をはじめ多くのレースで豊富な経験を持つクビサだった。彼はレース終盤の驚異的な5連続スティントを含め、全体の43%も走行を担当。499P 83号車は387周を走破し、2位に入ったポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの「ポルシェ 963」6号車(ケビン・エストレ、ローレンス・ヴァントール、マット・キャンベル)に14秒084差をつけてトップフィニッシュを果たした。3位にもフェラーリ 499Pの51号車が入っている。
異なるチームでル・マン3連覇を達成したフェラーリ

50号車と51号車のファクトリーカーは、優勝争いに加わっていたものの、相次ぐペナルティとパンクなどのトラブルにより、83号車がスポットライトを浴びることになった。
クビサのル・マン総合優勝はキャリア初。フィリップ・ハンソンは2020年のLMP2クラス優勝に続く勝利、イェ・イーフェイはル・マンを制した初の中国人ドライバーとなった。チームを牽引し続けたクビサは、フィニッシュ後に喜びを爆発させた。
「チーム全員が本当に良くやってくれました。完璧なレース展開ではなかったかもしれませんが、私たちは優勝に値する走りをしたと言えるでしょう。私たちのチームはスピードと強さを持っていましたし、ミスも少なかった。最後に私が5スティントをこなす予定ではありませんでしたが(笑)、すべてをコントロールしてクルマを無事にフィニッシュまで持ち帰ることができました」と、クビサ。
「フェラーリに、この勝利を捧げられることを嬉しく思います。3年間連続で、異なる3つのチームとドライバーでル・マンを制覇するのは素晴らしいことです。今は疲労とアドレナリンが混ざり合った状態で、少し休むことを楽しみにしています。今日は本当に特別な1日になりました、私自身、エモーショナルな気分になっています。正直、私たちはこの結果を本当に予想していませんでしたから……」