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Audi Q3
マイクロLEDモジュールを初採用したヘッドライト



アウディSUVの中心的存在である「Q3」の新型がデビューした。Q3は初代の登場が2011年という比較的新しい車種だが、すでに累計200万台以上が販売されたアウディでもトップクラスの人気モデルだ。
まず印象的なのはその革新的なデザインだ。シングルフレームグリルは非常に幅広く、ワイド感を強調。アンダー部のグリルが左右で上方に展開しシングルフレームグリルを囲むようなデザインは先日、日本にも上陸した新型「A5」など、最新のアウディ車と共通する処理だ。
薄いヘッドライトはマイクロLEDモジュールを初採用したデジタルマトリクスLEDで、照射性能の大幅な向上を果たしている。片側23個のLEDで構成される見た目も斬新で、4種類のデジタルライトシグネチャーを任意で設定することも可能だ。リヤのライトもデジタルOLEDライト、左右を貫くLEDライトストリップ、またイルミネーションが灯るフォーリングスのエンブレムが存在感を発揮する。
120kmのEV走行が可能なPHV


パワートレインは1.5リッター直4TFSIが150PSと204PS/320Nmの2種類。クワトロモデルは2.0リッターの直4となり、265PS/400Nmを発揮。TDIモデルは150PS/360Nmで前輪駆動のみだ。またPHVも用意される。こちらは85kW/330Nmのモーターを組み合わせ、システムで272PS/400Nmという強力なパワー&トルクを生み出し、25.7kWhのバッテリーにより最大120kmのEV走行を可能としている。日本市場にどのエンジンが導入されるのかはまだ未定だ。
操縦性と快適性の両立のため、サスペンションも大幅に見直された。特に2バルブダンパーコントロール付きサスペンションは、ステアリング、ブレーキ、アクセルなどのパラメーターから瞬時にダンパーの伸び側と縮み側を個別に制御する新機構だ。
オプションのプログレッシブステアリングシステムはステアリング比を可変することで応答性と路面からのフィードバックを向上、それでいて過度なダイレクトさのない、SUVらしいステアリングフィールが得られるものだという。
ドライブセレクターは従来のautoモードがbalancedモードとなった。これは文字通りダイナミクス性能と快適性を最適にバランスさせるもので、起動時のデフォルトモードとなる。クワトロにはオフロードプラスモードも用意される。
レーン維持機能が大幅に性能向上



インテリアは11.9インチのインストゥルメントクラスターと12.8インチのMMIタッチディスプレイを採用。ドライバーに向かってカーブした形状で、視認性を高める。シフト操作は新型ステアリングホイール裏右側のレバーで行う。これによってセンターコンソール部分は実用的な収納を設けることが可能となった。インテリアのパッケージは9種類用意され、素材には再生ポリエステルや再生ナイロン繊維を使用するなどサスティナビリティにも考慮している。
安全システム、ドライバーアシスタントシステムも最先端のものが用意される。レーン境界のない道路でもレーン維持が可能な機能や、ドライバーが反応しなくなった場合に自律的に路肩に停止させる機能、学習機能を備えた自動駐車機能など、とてもここでは書ききれないほど。袋小路からの脱出に便利な、50mの距離を記憶して自動でバックするリバースアシスタントは初心者でなくても頼りたくなる場面がありそうだ。
3世代目となるこの新型は、さらにエモーショナルなデザインの中に高いプレミアム性と走行性能、快適性を実現する全方位的な進化を遂げた。欧州では夏からオーダーを受け付け、9月に発売予定だという。日本への導入時期は未定だ。