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Volkswagen Golf GTI Clubsport 24h
2台の「ゴルフ GTI」がニュル24時間に参戦

ADACラベノール・ニュルブルクリンク24時間の決勝スタートを前にした6月20日、フォルクスワーゲンは、GTI史上最強のパフォーマンスを誇る「ゴルフ GTI」のスペシャル仕様を世界初公開する。2026年は初代ゴルフ GTIのデビューから50周年のアニバーサリーイヤーであり、新型ゴルフ GTIは記念モデルとして販売される予定だ。
今回のニュルブルクリンク24時間レースに、フォルクスワーゲンは2台のゴルフ GTI クラブスポーツ 24hを投入。ゴルフ GTI クラブスポーツ 24hは、ドイツ・デュイスブルクを拠点とするマックス・クルーゼ・レーシングがプレパレーションとレース参戦を担当する。
19号車はフォルクスワーゲンのテストドライバーを務めるベニー・ロイヒター、7度のラリークロス王者のヨハン・クリストファーソン、ハイコ・ハメル、ニコ・オットーがドライブ。76号車はジャスミン・プライシグ、ファビアン・ベッテル、ティモ・ホッホヴィント、クリスチャン・ゲバートがステアリングを握る。
シェルと共同開発した代替燃料を使用

2台のゴルフ GTI クラブスポーツ 24hは、代替燃料車による「AT3」クラスにエントリー。シェルとフォルクスワーゲンが共同開発した革新的なバイオエタノール燃料「シェル E20」が使用される。この燃料はノッキングに強く、ゴルフ GTIが搭載する2.0リッター直列4気筒TSIターボエンジンのパワーを効率的に引き出しながら、CO2排出量を大幅に削減、走行距離も大幅に延長される。
最高出力397PSを発揮し、最高速度265km/hを誇るゴルフ GTI クラブスポーツ 24hは、昨年の仕様からアップデート。開発を担当したマックス・クルーゼ・レーシングはエアロダイナミクスに改良を加え、効率レベルを大幅に改善した。開発ドライバーを担当し、今回も19号車をドライブするベニー・ロイヒターは、その進化を以下のように説明する。
「車両クラスの規定変更により、ゴルフ GTI クラブスポーツ 24hの最低重量が30kgも増加しました。これに対応するため、最高出力を約50PS増加しています。リヤウィングの装着位置を後方に移動させることで、リヤセクションのエアフローを改善しました。これにより、空気抵抗を減少させながらダウンフォースは同じレベルを維持しています」
ロイヒターとチームを組むヨハン・クリストファーソンは、ゴルフ GTI クラブスポーツ 24hの進化について次のように付け加えた。
「軽量パーツを採用したことで、重量配分が改善されています。GTIは重心が低く設定されているため、さらにパフォーマンスが改善しました。また、24時間を走行するにあたり、信頼性の向上も重点課題でした。今回、プロトラック製軽量ホイールが採用されており、その軽量化により回転質量が減少していることでベアリングへの負荷が軽減しています。耐久性の向上は24時間レースを完走する可能性を少しでも高めることになるでしょう」