東京・南青山にアストンマーティンが手がけた超高級邸宅誕生

アストンマーティンが手がけたアジア初のプライベートレジデンス「N°001南青山」で見た凄まじく豪奢な生活

アストンマーティンが手がけたプライベートレジデンス「N°001 Minami Aoyama」。縦ルーバーによるファサードが特徴だ。
アストンマーティンが手がけたプライベートレジデンス「N°001 Minami Aoyama」。縦ルーバーによるファサードが特徴だ。
アストンマーティンが初の邸宅プロジェクトを発表した。東京・南青山に完成したプライベートレジデンス「N°001Minami Aoyama」は、英国の美と和の美意識が融合した、究極のラグジュアリー空間である。

N°001 Minami Aoyama

エクスクルーシブ住宅開発プロジェクト

アストンマーティンが、アジア初となるプライベートレジデンス「N°001 Minami Aoyama」の完成を発表した。オーナーはもちろん秘密だが、一部メディアにその邸宅の中身を公開した。日本屈指の高級住宅街・南青山に位置するこの邸宅は、総床面積724㎡を誇る地上3階地下1階建て。日本のコンシェルジュリーダー企業であるVIBROAとのパートナーシップにより実現した。

この邸宅は、昨年発表した「アストンマーティン・レジデンス・マイアミ(Aston Martin Residences Miami)」やUAEラスアルハイマの「ジ・アステラ(The Astera)」に続く、同社のエクスクルーシブ住宅開発プロジェクトの一環である。デザインはアストンマーティンのマレク・ライヒマンCCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)率いるデザインチームと、VIBROAの緊密なコラボレーションにより仕上げられたという。

N°001南青山は、日本ならではの素材への誠実さ、完璧なプロポーション、そしてイギリスの代表的スポーツカーでもあるアストンマーティンの各モデルと共通する流麗な美を住宅空間に投影した作品を謳う。都市の喧騒から隔絶された静謐な住まいとして、都市的スタイルと美意識が高次元で融合している。

和的特徴と緻密な空間構成

外観の特徴は縦ルーバーによるファサードで、時間帯により光を反射し表情が変わるのが面白い。このファサードは視線を遮る一方、鏡天井やスパテラスの植栽を垣間見せる造形的な役割も果たすという。

今回、邸宅内の見学も許されたが、入ってすぐ地上階に設けられた「オートモーティブ・ギャラリー」がいきなりのハイライトだ。これは2台のアストンマーティン車をまるで芸術作品のように展示するためのスペースで、日本庭園の水面を連想させる波状金属天井と演出照明により、彫刻的な魅力が引き立てられている。ガラス越しにリビングやミーティングルームからも車両を望める設計となっており、まさに“住まいとクルマの融合”を体現していると言えるだろう。

内部は、暗から明へと素材感がグラデーションしていく演出により、視覚的にも移動の流れを意識させている。屋上に上がれば、眺望豊かなグリーンルーフテラスが広がり、東京タワーを望む贅沢な空間にキッチンや屋外ラウンジが用意される。さらに地下に設けられたワインセラーやゴルフシミュレーター付きのジム、プライベートスパといった設備のほか、3つのスイート・ベッドルームが用意される。

邸宅全体にわたり、細部まで徹底した設計がなされている。音響にはアストンマーティン各モデルに搭載される「Bowers & Wilkins」製オーディオシステムを採用。家具やキッチンキャビネットは、イタリアの高級ブランド「Molteni&C」による特注品で統一され、黒曜石のようなラバストーンの天板やネビュラスチールのアクセントが空間を引き締めている。

クラフトマンシップと設備の粋

2階のスパにはサウナやバスはもちろん、これも圧巻の檜風呂とテラスがリラクゼーションを演出している。折り紙をモチーフとした鋼板製の螺旋階段や、内部庭園と連動したペンダント照明など、和モダンとも言える建築美の追求も面白い試みだ。内覧会でプレゼンを行ったマレク・ライヒマンCCOは、次のようにコメントした。

「東京は当社のデザインスタジオにとって常にインスピレーションの源であり、本プロジェクトでは日本の文化や歴史、スタイルを存分に取り入れました。デザインとはクルマに留まらず、建築やファッション、食文化にまで及ぶものです」

「このプロジェクトにおいては、地域の特性からも当然、そうした要素を組み合わせる必要があります。ロンドンの一部エリアを見てみても、制約の多い敷地に、素材をうまくミックスして現代性を表現した例が多く見られます。日本的要素は比較的わかりやすく表現していますが、そこに英国的な風味を加えるのは、使う素材の組み合わせ次第だと思います。今回は日英50:50のバランスではなく、あくまでここは東京なのだから、その文化的な本質を反映しつつ、そこに“装い”としての英国のセンスを加えていきました」

VIBROAの吉田利行CEOも同席し、以下のようにコメントした。

「英国でデザインし、日本で建築することの難しさはありましたが、徹底的に議論をすることで一つひとつ解決できました。そして最終的にはオーナー様の理解もあり、竣工の際には関係者全員が納得するものができました。」

N°001Minami Aoyamaは、単なる住まいではなく、ブランドの美学とクラフトマンシップを体現する“ラグジュアリーな人生の舞台”として、非常に重要なアイコンとなるだろう。001と銘打たれているように今後世界中で同様のプロジェクトが立ち上がることが期待される。ライヒマンCCOが言う最も重要な「007」を誰が成約するのかにも注目していきたい。

アストンマーティン・オーナーにとって夢の住宅とも言える「№001 南青山」は、東京の素晴らしい景色を眺望できる地上3階地下1階の住宅となる。

「これがアストンマーティンのある生活だ」アジア初の高級プライベートホーム「№001 南青山」の驚くべき構想

アストンマーティンは、その高いデザイン力を日本の不動産に応用し、アジア初のアストンマーティンによる高級住宅を実現するべく、日本の高級不動産会社「VIBROA」との新たなパートナーシップを締結。アジア初の「デザイン・バイ・アストンマーティン」住宅を共同で建設する。

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著者プロフィール

吉岡 卓朗(Takuro Yoshioka) 近影

吉岡 卓朗(Takuro Yoshioka)

大学卒業後、損害保険会社に就職するも学生時代から好きだったクルマのメディアに関わりたいと、1999年に…