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1970 Ferrari 365 GTB/4 Daytona
70台もの希少なヒストリックカーが登場

2025年10月8日から12日にかけてベルギーのリゾート地、クノック・ヘイストにおいて行われる「ザウテ・グランプリ・カーウィーク(Zoute Grand Prix Car Week)」。ハガティ傘下のブロード・アロー・オークションは、イベント期間中の10月10日に、オークションイベント「ザウテ・コンクール・オークション」を初開催する。
70台の出品を予定しているザウテ・コンクール・オークション、最初の出品車両として、1967年製「フェラーリ 275 GTB/4」と1970年製「フェラーリ 365 GTB/4 プレキシ デイトナ」が発表された。275 GTB/4はマラネロのファクトリーで製造された最初期のモデルで、美しいヴェルデ・ピノで仕上げられた仕様となる。こちらは270万〜320万ユーロ((約4億5000万〜約5億4000万円)という推定価格が掲げられている。
2台目の365 GTB/4は、新車時からアヴォリオ・アイボリーホワイトで仕上げられた2台のうちの1台。プレキシ仕様のデイトナは非常に価値が高く、現時点で推定価格は公開されていない。ブロード・アロー・オークションのベルギー&オランダ担当責任者を務めるグレゴリー・トゥイテンズは、2台の貴重なフェラーリの出品について次のようにコメントした。
「私たちが初めて開催するザウテ・コンクール・オークションに、このような素晴らしいヒストリーと希少性を備えた、2台のフェラーリが登場することは、エキサイティングなニュースとなるでしょう。フェラーリ 275 GTB/4 と365 GTB/4は、そのヒストリーやコンディション、特にボディカラーにより、マラネロのブランド史において極めて特別な位置を占めています」
現存する最もオリジナルに近い1台

1967年製「フェラーリ 275 GTB/4」は、世界中のコレクターから高い評価を受けており、特にこの個体はマラネロのファクトリーで仕上げられたヴェルデ・ピノ(松緑色)のボディカラーを持つ、極めて貴重な1台となる。わずか330台のみ生産された4カムモデルであり、シャシーナンバーは「10563」、フェラーリ・クラシケ認定も取得済み。
ファクトリーオリジナルのボディカラーとインテリアが維持されており、室内は美しいアラニオレザーを採用したリフィニッシュが施されている。フルレストアを必要としないほど丁寧に保管されてきたため、現存する最もオリジナルに近い個体のひとつだという。
エンジン、トランスミッション、ディファレンシャルを含むすべてのパーツが、フェラーリ・クラシケによりオリジナル認定済み。マルシャル・ヘッドライト、ボラーニ・ワイヤホイール、ブルーポイントステレオを装備。オリジナルのレザーポーチに収納された書類、完璧な状態のツールキット&ジャッキ、フェラーリ・クラシケ発行のレッドブックが付属する。
希少な「プレキシ」仕様のデイトナ

1970年製「フェラーリ 365 GTB/4 デイトナ」は、自動車史上で最もコレクション価値の高い1台。レオナルド・フィオラヴァンティによってデザインされた美しいボディラインは、時代を超えた魅力を放ち、世界中のヒストリックカーコレクターから絶大な人気を集め続けている。
シャシーナンバー「13357」は、約400台が製造された「プレキシ」仕様のデイトナ。この名称はノーズ部分を覆ったヘッドライトカバーのプレキシグラスから由来する。米国の法規により、フェラーリはこのデザインを変更し、格納式のリトラクタブルヘッドライトへの変更を余儀なくされおり、プレキシ仕様のデイトナは非常に高い希少性を持つことになった。
オークションに出品される個体は、マラネロのファクトリーにおいて美しいアヴォリオカラーに仕上げられた2台のうちの1台。ベルギーのブリュッセルにある有名なガレージ・フランコルシャンを通じて新車として納車され、最初のオーナーはレーシングドライバーのヒューズ・ド・フィラントだったという。
エンジンナンバー「B 262」を搭載し、その後もベルギーで保管。フルレストアが施されており、インテリアはオリジナル仕様のベージュ・スクーロレザーにブラックのインサートで仕上げられている。2011年にはフェラーリ・クラシケ認証も獲得ている。