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Lamborghini Huracan GT3 EVO2
ウラカン GT3の有終の美を飾る勝利

ベルギーのスパ・フランコルシャンを舞台に開催された「クラウドストライク・スパ24時間レース』において、GRTグラッサー・レーシングから参戦した「ランボルギーニ ウラカン GT3 エボ2」63号車が総合優勝を達成した。
ランボルギーニとしては、2018年、2019年、2020年のデイトナ24時間レースで3年連続クラス優勝、2018年と2019年のセブリング12時間レース勝利に続く耐久レースでの勝利。7月11日にはグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて、ウラカン GT3の後継モデル「テメラリオ GT3」が発表される予定となっており、ウラカン GT3にとってはキャリア最後期でのビッグレース初制覇となった。
ランボルギーニのモータースポーツ部門トップを務めるマウリツィオ・レスキッタは、次のようにチームをねぎらった。
「ランボルギーニ加入1年目でスパ24時間レースを制覇できたことが、本当に嬉しいです。3名のドライバーとチームが成し遂げたこの素晴らしい成果に、あらためて感謝します。また、ランボルギーニ・スクアドラコルセのメンバーも完璧に仕事をこなしてくれました。彼らが私たちをこの素晴らしい場所へと導いてくれたのです」
残り2時間を切った段階で首位に浮上

GRTグラッサー・レーシングの63号車は、南アフリカ出身のジョーダン・ペッパーが予選を担当。金曜日の午後に行われたスーパーポールセッションに進出し、5番手タイムを記録する。しかし、ピットレーン退出時のタイム違反により、決勝は7グリッド降格の裁定を受け、12番手グリッドからスタートすることになった。
決勝レース、スタートドライバーを担当したミルコ・ボルトロッティが10番手に順位を上げて、ペッパーにバトンタッチ。ペッパー、続くルカ・エングストラーがダブルスティントをこなしながら、 63号車は着実にポジションを上げていく。
残り4時間強の段階で、首位はポルシェ 911 GT3R 96号車。ペッパーは周回遅れのマシンをかわしながら、17秒以上もあった差を少しずつ詰め、テールトゥノーズの展開まで持ち込んでみせる。そして、ポルシェ 96号車がパンクに見舞われたことで、残り1時間48分の段階でトップに立つ。
最終スティントを任されたボルトロッティは、過酷な暑さにも負けず、2位に8秒以上の差をつけてフィニッシュ。ランボルギーニにスパ24時間レース初優勝を持ち帰った。厳しいレースを戦い切ったペッパーは、次のように喜びを語った。
「スパ24時間レースで優勝できたことを誇りに思います。ランボルギーニのファクトリードライバーを務めて3年が経ち、彼らは家族のような存在になりました。このプログラムに注がれた努力や、ライバルとの激しい戦いを思うと、心から感動します。今回のレースは、私の人生における新たな挑戦だと考えていました。チームとして多くの苦難を乗り越えてきましたが、それが私たちを強くしたのです」