シロンからヴェイロンまで11台のブガッティが参加した世界一豪華なコンボイ

世界一豪華なオーナーズミーティング! “176気筒”分のブガッティがアラビア半島を疾走

2021年11月にUAEで実施された第2回ブガッティ・オーナーズ・ドライブの様子
2021年11月にUAEで実施された第2回ブガッティ・オーナーズ・ドライブの様子。
世界中の超高級車が集まるアラブの地。指折りのスーパーカーやラグジュアリーカーがそこかしこを走り回り、ハイエンドブランドのフラッグシップセダンでもスーパーラグジュアリーSUVでもさほど珍しくない。そんな景色を日常的に目にしている人々を、それでも振り返らせてしまうのがブガッティによる大迫力のコンボイ。これは、年に1度開催されるブガッティのオーナーズイベントのひと場面である。

11台のブガッティがドバイに勢揃い

2021年11月にUAEで実施された第2回ブガッティ オーナーズドライブの様子
世界中の超高級車が集まるドバイやアブダビでも、11台のブガッティによる隊列は一際目立つ。

2021年11月、第2回となるブガッティ・オーナーズ・ドライブが開催された。これは、アラブ首長国連邦(UAE)におけるブガッティのオフィシャルパートナー、アル・ハブトゥール・モータースがブガッティ オートモービルス S.A.S.と共同で2020年に始動したイベント。10台超のブガッティがUAE屈指のリゾートから摩天楼が林立する都市部までをコンボイで駆け抜けていくという、見応えたっぷりのオーナーズミーティングだ。

今年は総勢11台のブガッティが集結。シロン スポーツとヴェイロン、ヴェイロン グランスポーツ、ヴェイロン スポーツ ヴィテッセ、シロン スーパースポーツ、2台のシロン ピュアスポーツ、そして4台のシロンがドバイが誇る一流ホテル&リゾート「ハブトゥール・パレス」の前にずらり勢揃いした。

アラビア半島の空に咆哮する“176気筒”のサウンド

2021年11月にUAEで実施された第2回ブガッティ オーナーズドライブの様子
シロンをはじめ、シロン ピュアスポーツ、シロン スーパースポーツ、ヴェイロンなどブガッティファミリーが集結。総数“176気筒”分のサウンドを咆哮させた。

出発前のブリーフィングを行う“講師”役は、レジェンドドライバーのアンディ・ウォレスが務めた。しかし、一度に明かされるのは次に向かう目的地までのルートのみ。最終目的地は最後の最後まで秘密、というシークレットツーリングの趣向となっている。

まず一行が目指したのはペルシャ湾の青い海に浮かぶ楽園、サディヤット島。およそ150kmの道のりを、時に潮風を右頬に感じながら11台のブガッティが海岸線を走っていく。11台のブガッティが走るということは、すなわち“176気筒”分の咆哮が一塊になって響き渡るということ。大迫力のビジュアルだけでなく、そのサウンドも周囲の人々を振り向かせるのに十分過ぎる存在感を放つ。

ハンドリング重視のシロン ピュアスポーツ

ブガッティ シロン ピュアスポーツのリヤビュー
“究極のハンドリングマシン”を標榜するブガッティ シロン ピュアスポーツ。フランス語で「純粋、ピュア」を意味する「Pur」を冠したこのモデルは、最高速度やスペックよりも、操る楽しさを最重要視して開発された。

とりわけ注目を集めるのはやはりシロン ファミリーだろう。「シリーズトータルで500台のみの生産」を明言して2016年に発表されたシロンは、シロン ピュアスポーツやシロン スーパースポーツといったバリエーションを展開しながら、数々の“完売”を記録。予定分の生産を間もなく終えようとしている。残りの生産枠はすでに40台を切っているといい、その価値はなおさら高まっていくだろう。

バリエーションモデルのひとつ、シロン ピュアスポーツは最高速度よりもコーナリングを重視して開発された“究極のハンドリングマシン”。従来の可変式リヤウイングに代えて、幅1900mmの大きな固定式リヤウイングを採用しているのが特徴だ。コーナーからの立ち上がりに重きを置いたギヤ比を採用することで、0-100km/h加速はシロンの2.5秒から2.3秒に短縮している。ドライブモードは従来の4種類に加えて「SPORT+」を追加。これはサーキットを想定したモードで、「理想的なラインでのドリフトを可能にする」というもの。事ほど左様に“操る楽しさ”を追求して仕立てあげたのがシロン ピュアスポーツなのである。

最高速重視のシロン スーパースポーツ

ブガッティ シロン スーパースポーツのリヤビュー
ブガッティ シロン スーパースポーツは、最高速度を重視して開発。約25cm延長した“ロングテール”により、空力性能を最適化している。

そんなシロン ピュアスポーツのカウンターパートとして登場したのが、シロン スーパースポーツ。400km/h超の最高速度性能を重視して開発したモデルで、徹底的に磨き上げた空力性能を誇る。440km/hでも安定して走行できるように、ベース車比で約25cm延長した“ロングテール”を採用。さらにリヤディフューザーの形状も変更し、下端を持ち上げることでリヤの断面積を44%縮小している。

車両重量は23kg軽量化。搭載するのはお馴染みの8.0リッターW型16気筒エンジンで、出力は100psアップの1600ps。回転数も300rpm引き上げて7100rpmとし、1600Nmの最大トルクも2000〜7000rpmとさらに幅広いレンジで発生するように設定している。さらに、足元に履くミシュラン・パイロット スポーツ カップ2タイヤも、シロン ピュールスポールではグリップ性能重視だったのに対し、スーパースポーツ用は剛性とスムーズさに重きを置いて最適化。なんと500km/hでの安定的な走行を想定して開発されたという。

最終目的地はアブダビ屈指の5つ星ホテル

2021年11月にUAEで実施された第2回ブガッティ オーナーズドライブの様子
UAEで行われた第2回ブガッティ・オーナーズ・ドライブは、ドバイから出発。最終目的地のアブダビでは、5つ星ホテル「エミレーツ・パレス」自慢のランチで旅の幕を閉じた。

ところで、圧巻のコンボイが到着した旅の最終目的地はどこだったのだろうか。

サディヤット島の海岸線を眼前に、11台のブガッティが滑り込んだ先はエミレーツ・パレスホテル。王族や政府高官、外交官らの御用達として知られる、アブダビ屈指の5つ星ホテルである。プライベートマリーナからは、UAEの大統領官邸「カスール・アル・ワタン」の美観を眺めることもできる。エレクトリックハープの奏でる調べに迎えられた一行を待っていたのは、エミレーツ・パレスが誇る最高峰のランチ。ルートも景色もグルメにも、すべてに贅を尽くした世界一豪華なオーナーズミーティングはこうして幕を閉じたのである。

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著者プロフィール

三代やよい 近影

三代やよい

東京生まれ。青山学院女子短期大学英米文学科卒業後、自動車メーカー広報部勤務。編集プロダクション…