ピニンファリーナの次世代EVに捧げるボヴェの高級腕時計誕生

ピニンファリーナ バッティスタのために生まれたタイムピース。ボヴェ特製のトゥールビヨンとは

ボヴェがピニンファリーナ バッティスタをイメージして製作したバッティスタ トゥールビヨン
ボヴェがピニンファリーナ バッティスタをイメージして製作したバッティスタ トゥールビヨン。
アウトモビリ・ピニンファリーナが開発を進めている次世代EVハイパーカー、バッティスタ。創業者の名前を冠する記念碑的モデルは、2022年のデリバリーを前に現在最終調整が行われている最中だ。今回、満を持しての登場となる新型車を記念して、スイスの老舗マニュファクチュールが特別なトゥールビヨンを製作した。

名門カロッツェリア創業者の名前を冠するEVハイパーカー

アウトモビリ ピニンファリーナの次世代EVハイパーカー、バッティスタ。フロントビュー
アウトモビリ ピニンファリーナが2022年初頭にデリバリーを予定している次世代EVハイパーカー、バッティスタ。150台のみが生産される、同社肝煎りの新型車である。

アウトモビリ ピニンファリーナの次世代EVハイパーカー、バッティスタが2022年初頭にデリバリーを開始する。最高出力は1900ps、最大トルクは2300Nmを発揮。4つの電気モーターで各輪を駆動し、「スタートから2秒たらずで100km/hに到達」という驚愕のパフォーマンスを謳う。車両価格は200万ユーロ(約2億5000万円)、世界限定150台のみの販売、イタリア・カンビアーノのファクトリーで1台ずつハンドビルド、などなどトピック盛りだくさんの超スペシャルモデルだ。

車名にカロッツェリア・ピニンファリーナ創業主の名前を冠するモニュメント的モデルといえるバッティスタ。その誕生に向けて、老舗マニュファクチュールが特製のタイムピースを製作した。

ピニンファリーナの美学を一本の腕時計に凝縮

ボヴェがピニンファリーナ バッティスタをイメージして製作したバッティスタ トゥールビヨン。文字盤
ボヴェがピニンファリーナ バッティスタをイメージして製作したバッティスタ トゥールビヨン。パワーリザーブダイヤルやビッグデイトの小窓上部に、ピニンファリーナやバッティスタのロゴ及びアイコンが刻まれている。

スイスの名門時計ブランド「ボヴェ(BOVET 1822)」が、バッティスタに捧げる腕時計が「バッティスタ トゥールビヨン(Battista Tourbillon)」。バッティスタの流れるような曲線やディテール、ピニンファリーナならではの軽さと純粋性といった特性に着目し、その世界観を一本の腕時計に詰め込んだという。

アウトモビリ・ピニンファリーナとボヴェのデザインチームが密に連携して開発したという「バッティスタ トゥールビヨン」は45.6mm径のケースを採用。風防、ケースバックの両方にサファイヤクリスタルを用いることで、その精巧で美しいメカニズムを両側から鑑賞することができる。

バッティスタの曲線を時計のディテールに反映

ボヴェがピニンファリーナ バッティスタをイメージして製作したバッティスタ トゥールビヨン。ケースバック
ボヴェがピニンファリーナ バッティスタをイメージして製作したバッティスタ トゥールビヨン。ケースバックにもサファイヤクリスタルを採用しており、精巧なメカニズムを裏表両面から鑑賞することができる。

文字盤は、約200年にわたるボヴェの歴史で初となるアシンメトリーデザインに。左側のパワーリザーブダイヤル、右側のビッグデイト小窓上部にはピニンファリーナ、そしてバッティスタを象徴するシグネチャーを記載し、フライングブリッジやアワーリングなどは、バッティスタの曲線をイメージした形状としている。さらに、トゥールビヨンケージにもバッティスタのホイールを彷彿させるデザインが採用された。

コート・ド・ジュネーブなどの繊細な装飾加工が随所にあしらわれる一方で、すべての針には夜光塗料「スーパールミノバ」を採用するなど、機能面も重視した仕上げとなっているのも特徴。

バッティスタ同様、職人が1個ずつハンドビルド

ボヴェがピニンファリーナ バッティスタをイメージして製作したバッティスタ トゥールビヨン。トゥールビヨン
ボヴェがピニンファリーナ バッティスタをイメージして製作したバッティスタ トゥールビヨン。ボヴェの時計は一本ずつが職人の手作業で組み上げられるのはもちろん、使用しているほとんどすべての部品をスイス・トラムランにある自社の工房で製造している。

ムーブメントには、ボヴェが特許を取得しているダブルフェイストゥールビヨンを用いた新しい機構を搭載。1時間あたり1万8000振動で、シングルバレルながら10日間のパワーリザーブを実現している。新しいムーブメントの開発、時針及び分針の中央配置、ビッグデイト機構の追加、トゥールビヨンケージの再設計などは、すべてボヴェ社内で行われたという。

イタリア カンビアーノのファクトリーで1台1台が手作りされるバッティスタと同様、バッティスタ トゥールビヨンもまた職人の手作業によって組み上げられる。ボヴェは1年の生産数を1000本未満に制限しており、しかもその内3割がオーダーメイド仕様だと言われる。職人を主体に据えた手間暇を惜しまぬ製造工程に鑑みると、この生産数が上限というのも頷ける。

持続可能性に配慮してラバーストラップを採用

ボヴェがピニンファリーナ バッティスタをイメージして製作したバッティスタ トゥールビヨン
ボヴェがピニンファリーナ バッティスタをイメージして製作したバッティスタ トゥールビヨン。持続可能性に配慮し、ベルトにもワニ革などを使用せず、新設計のラバーストラップを採用している。

また、持続可能性を重視したハイパーGTとして開発するバッティスタは、EVパワートレインだけでなく、シートレザーをオリーブの葉でなめしたり、レザーやウッドの端材を組み合わせて新しい装飾パーツを作り出すなど、環境に配慮したものづくりを追求している。バッティスタ トゥールビヨンもまた、「100%ビーガンである新設計のラバーストラップ」を採用。製造工程でも、あらゆる廃棄物をリサイクルするように留意しているそうだ。なによりも、適切にメインテナンスさえすれば半永久的に使用できる機械式腕時計は、そもそもがサステナブルな製品であるといえる。

最新のピニンファリーナモデルに捧げられる特別なタイムピース、バッティスタ トゥールビヨンは90本のみの限定生産。チタニウム、レッドゴールド、プラチナの各30本ずつが生産される。なお、ヨーロッパ最大の時計メディア『MONOCHROME』によれば、価格はチタニウム仕様で28万5000スイスフラン(約3500万円)だという。

ピニンファリーナ バッティスタの走行シーン。

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著者プロフィール

三代やよい 近影

三代やよい

東京生まれ。青山学院女子短期大学英米文学科卒業後、自動車メーカー広報部勤務。編集プロダクション…