マセラティ、イタリアメーカーとして初めてフォーミュラEにワークス参戦

マセラティがレースフィールドに復帰! 2023年からフォーミュラEへのワークス参戦を発表

マセラティのダヴィデ・グラッソCEOとフォーミュラEの創設者兼会長のアレハンドロ・アガグ。
マセラティのダヴィデ・グラッソCEOとフォーミュラEの創設者兼会長のアレハンドロ・アガグ。
マセラティは1月11日、モータースポーツプログラムの第一段階となる新戦略を発表。2023年から「ABB FIA フォーミュラE 世界選手権」にワークス参戦する。ドライバーやチーム体制などは、今後明らかにされる予定だ。

電動化戦略の一環として電動シリーズに参戦

マセラティ、2023年から「ABB FIA フォーミュラE 世界選手権」へのワークス参戦を発表。
マセラティは電動化戦略「フォルゴーレ」を掲げており、その一環としてフォーミュラEへの参戦を決定した。

マセラティは、イタリアの自動車メーカーとしては初となるフォーミュラEへのワークス参戦を発表した。さらに、本格的なモータースポーツプログラムへの復帰は、マセラティのDNAにあるレーシングスピリットの復活を意味する。

マセラティの本質であるハイパフォーマンスの追求と、電動化に対する革新的な姿勢は、世界初のオール・エレクトリックのロードレーシング・モータースポーツ・シリーズである「ABB FIAフォーミュラE 世界選手権」の目指すものと完全に合致するという。

マセラティの電動モビリティへのコミットメントは、急速に進められており、電動化戦略「フォルゴーレ(Folgore)」も導入された。グレカーレ、グラントゥーリズモ、グランカブリオ、スーパースポーツカーのMC20など、今後発表される全新モデルに100%電動化ソリューションが採用される予定だ。

マセラティにとってフォーミュラEへの参戦は、ハイパフォーマンスと革新技術が共存する環境下において前例のない、ブランドが持つモータースポーツの伝統と「フォルゴーレ」を同時にアピールできる理想的な場となる。マセラティのダヴィデ・グラッソCEOは、今回のフォーミュラE参戦について次のようにコメントした。

「私たちは、レースの世界の主人公として、自分たちのいるべき場所に戻ってきたことを非常に誇りに思います。マセラティは情熱を原動力とし、生まれながらにして革新的な存在です。競技の場においても世界レベルの卓越した結果を達成し続けた長い歴史があり、未来に向かって邁進する準備も整っています」

「パフォーマンス、ラグジュアリー、イノベーションを追い求めるマセラティにとって、電動化戦略の『フォルゴーレ』は抗しがたい存在であり、マセラティの最も純粋な表現でもあります。だからこそ私たちは、FIA フォーミュラE 世界選手権への参戦を決定しました。世界を代表する都市でお客様に直接お目にかかる機会を通じて、マセラティを未来に向けて前進させることを決めたのです」

シーズン9から最新の「Gen9」シャシーで参戦

マセラティは2022年-23年に開催される「シーズン9」から投入される第3世代の電動レーシングカー「Gen3」で参戦をスタートする。
マセラティは2022年-23年に開催される「シーズン9」から投入される、第3世代の電動レーシングシャシー「Gen3」で参戦をスタートする。

マセラティはシーズン9(2022年-23年シーズン)から、史上最速・最軽量・最強のフォーミュラE新型レーシングカー「Gen3」でグリッドにデビューする。シーズン9から現行型に替わって投入されるGen3は、世界で最も効率に優れた電動レーシングカーであり、最先端のデザイン・製造工程・技術革新を誇る。 

フォーミュラEは創設以来、ニューヨーク、モナコ、ベルリン、メキシコシティ、ロンドン、ローマなど世界で最も象徴的な大都市の市街地コースにおいて開催されてきた。フォーミュラEで得られた知見は、電気自動車のエネルギー効率の向上や、バッテリー容量の増大、パワートレイン開発の進化に繋がっており、現在世界中に輸出されている電気自動車は大幅に航続距離を伸ばすことが可能になった。

ダヴィデ・グラッソCEOと共に発表会に参加した、フォーミュラE創設者兼会長を務めるアレハンドロ・アガグは、マセラティの参戦に興奮を隠さない。

「マセラティを、ワールドクラスのモータースポーツに迎えられることを誇りに思うとともに、歓迎の意を表します。ABB FIA フォーミュラE 世界選手権は、電動化レースの頂点です。もっともダイナミックかつ革新的なハイパフォーマンスブランドが技術力とスポーティングスピリットをアピールするための完璧な舞台を提供します」

フォーミュラEのCEOであるジェイミー・リーグルは、次のように付け加えた。

「マセラティがGen3時代のABB FIA フォーミュラE 世界選手権に参戦し、モータースポーツの未来を再構築する重要な役割を果たすことを嬉しく思います。世界各国の大都市の中心部で開催されるフォーミュラEのレースは、世界中の進歩的なレースファンに大いに注目されています。何百万というフォーミュラEファンは、世界のエリート電気自動車ブランドとしてマセラティがグリッドに並ぶ姿を見て、スリルと興奮を覚えるに違いありません」

ティーポ26によってスタートしたレース活動

レース活動で誕生したマセラティ。その起源は1926年のタルガ・フローリオに登場したティーポ26にまで遡る。
レース活動で誕生したマセラティ。その起源は1926年のタルガ・フローリオに登場したティーポ26にまで遡る。

マセラティ兄弟によってレースフィールドで誕生し、その後は幾多のファクトリードライバーによって、サーキットでその名を馳せてきたマセラティ。レース初参戦は96年前、ボンネットにトライデント・ロゴが配された「ティーポ26」によって、1926年のタルガ・フローリオでデビューを果たした。アルフィエーリ・マセラティがステアリングを握り、1.5リッター以下のクラスで優勝を手にしている。

それから31年後の1957年には、ファン・マヌエル・ファンジオがマセラティとともにF1を制覇。マセラティがシングルシーターで最後に姿を見せたのは、マリア・テレジア・デ・フィリピスが「250F」で女性として初めてF1グランプリの予選を通過したときだった。

マセラティが最後にワークスチームとしてレースに参戦したのは「MC12」。2004年から2010年にわたりFIA GT世界選手権に参戦し通算22勝(スパ24時間の3勝を含む)をマーク。コンストラクターズ選手権、ドライバーズ選手権、チーム選手権の合計14の選手権タイトルを獲得している。

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