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新型コロナウイルス感染拡大下でも雇用を促進
今回のトップ・エンプロイヤー・イタリアの受賞は、ランボルギーニにとって、非常に大きな転換点となる。現在、同社は「ディレツィオーネ・コル・タウリ(Direzione Cor Tauri:牡牛座でもっとも明るい恒星)」と呼ばれるロードマップを掲げ、電動化を含む環境戦略を強力に推進している。
持続可能性への注力を受け、ランボルギーニは今後10年にわたって大規模な雇用と新しい技能開発プログラムの導入を計画。また、生産ラインで働く人々に新たな学習機会を加速させるために、ヴァーチャルリアリティやデジタル環境の新技術を利用したトレーニングに多額の投資を行う予定となっている。
新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック下という困難な時期にもかかわらず、ランボルギーニの雇用数は成長を達成した。現在、従業員数は1900人を超え、2021年には5.6%増を記録している。
ランボルギーニのチーフ・ヒューマン・キャピタル・オフィサーを務めるウンベルト・トッシーニには、トップ・エンプロイヤー・イタリアの獲得について、次のように喜びを語った。
「2022年、再びトップ・エンプロイヤー・イタリアの認定を受けたことを誇りに思います。私たちアウトモビリ・ランボルギーニは、優れた人事運営においてイタリアにおける確固たるベンチマークとなっています。私たちの目的は会社の成功のために努力し、信頼、公平、人間関係の質の向上に貢献する仲間にとって魅力的な職場環境を確保することです」
従業員をケアする「ランボルギーニ・フィーロソフィー」
2021年は、従業員を総合的にケアする目的で「ランボルギーニ・フィーロソフィー(Lamborghini Feelosophy)」が導入された。これは「フィール(Feel)」と「哲学(Philosophy)」を組み合わせたもので、社員への福祉プログラムの充実を目指している。
ランボルギーニ・フィーロソフィー・プログラムは、「身体」「心」「目的」の3つの柱に基づき、傾聴(話を聞くこと)と職場環境の継続的改善の観点から、人々の成長と幸福の育成を目指した取り組みを進めている。このプロジェクトでは、ランボルギーニによる身体と心の健康に関する長年の施策が含まれており、さらに栄養接種や睡眠の重要性などに特化した新たな提案も採り入れていくという。
ダイバーシティ&インクルージョンを重視
ランボルギーニが掲げるもうひとつの中心的なテーマが「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂性)」。ランボルギーニは、社員が私生活と仕事を両立できるよう、さまざまな取り組みを導入。ランボルギーニで働く母親と父親が、子供の誕生によって避けられない変化について専門家に相談できる、父親と母親のコーチングコースも用意された。
多様性に関しては、ランボルギーニではさまざまな文化が共存しており(従業員の出身国は世界35ヵ国に及ぶ)、障害や精神衛生上の問題を抱える従業員も職場環境に溶け込めるような配慮がなされている。世代間の多様性に関しては、長年にわたり若手とベテランの従業員間で知識の伝達を推奨し、継続的なスキルアップを目指す「クロスメンタリング・イニシアチブ」を実施している。