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Z06の量産第1号は邦貨約4億円で落札
シボレーは、2023年にコルベットが生誕70周年を迎えるのにあたり、特別仕様車「70th Anniversary Edition」を販売する。ベースとなるのは2023年モデルの「コルベット」、及び遂に量産をスタートする高性能モデル「Z06」。専用のホイールやブレーキキャリパー、バッジ、ロゴ入りシート、ラゲッジセットなどを採用するのに加え、ホワイトパールメタリック・トリコートとカーボンフラッシュメタリックという2色の限定ボディカラーを設定する。
エンジンパワーを強化した高性能仕様、Z06の市販もこの特別仕様をもってスタートする。それを記念して、シボレーはZ06の量産第1号車をバレット-ジャクソン・スコッツデールオークションへ出展。2022年1月29日に開催されたオークションで、360万ドル(約4億1300万円)で落札された。収益はすべて米軍の家族を支援する非営利団体「オペレーション・ホームフロント」に贈呈されるという。
バレット-ジャクソンのオークション会場では、コルベット・レーシングのレジェンドドライバー、オリバー・ギャビンが運転した車両がステージへ登場した。オリバーは2022年、及び2004〜2006年にル・マン24時間耐久レースでコルベット・レーシングにクラス優勝をもたらしている。
大排気量自然吸気V8エンジン+ミッドシップという“希少種”
8世代目に進化したコルベットは、歴代で初めてミッドシップレイアウトを採用。新型コルベットが搭載するのは6.2リッターのV型8気筒OHV「LT2」。現行V8の中では唯一の自然吸気であり、低く搭載されたユニットは車両の低重心化にも貢献している。また、こちらもコルベットとしては初となるドライサンプ方式を採用。トランスミッションはTREMEC製8速DCTを組み合わせる。
スタイリングはF-22やF-35といったステルス戦闘機に加えて、F1マシンにもインスパイアされたといい、キャノピーをフロントへ押し出した独特のプロポーションを持つ。大胆なフロントフェンダーや水平方向のプレスラインなど、伝統のコルベットに通じる意匠も継承した。もちろん着脱式のルーフパネルも採用。外したパネルはリヤトランクに収納できる。
低いボンネットを構えるレーシングカーのようなスタイリングの一方で、コルベットの伝統である実用性も追求。荷室には約357リットルの容量(ゴルフクラブを2セット収納可能)を確保するなど日常の使い勝手にも配慮した。フロントの荷室には機内持ち込みサイズのスーツケースとPCバッグが収まる。
日本カー・オブ・ザ・イヤーでも栄冠を獲得
大排気量の自然吸気V8がもたらす内燃機関の独特な味わい、アメリカンエンジニアリングの底力を感じさせるドライバビリティ、そして迫力満点のスタイリングのすべてを兼ね備えていながら、欧州製スーパーカーに比較してコストパフォーマンスの高いプライスタグを掲げる意欲作は各方面から高い評価を集めている。
日本国内でも2021-2022年のカー・オブ・ザ・イヤーで「パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。「シボレーブランド初のミッドシップスポーツカーながら完成度の高いハンドリングを実現している。502馬力を発生する6.2リッターV8エンジンを搭載して官能的な走りを披露する一方、日常域での扱いやすさや右ハンドルを設定したこと、さらに、ヨーロッパの3000万円級のスーパーカーにも劣らない性能ながらアフォーダブルな価格設定も評価された」という理由で選定された。
特別仕様車「70th Anniversary Edition」は米国内のみの取り扱いとなり、日本国内での販売予定はない。