DSオートモビル、815hpを発揮するハイパーEVを公開

DS E-テンス パフォーマンス、デビュー! フォーミュラEの技術を導入した次世代EVプロトタイプ【動画】

最高システム出力815hpを発揮するハイパーEVプロトタイプ「DS E-テンス パフォーマンス」のエクステリア。
最高システム出力815hpを発揮するハイパーEVプロトタイプ「DS E-テンス パフォーマンス」公開。
DSオートモビル(DS Automobiles)は、将来的のデザインや技術開発を促進させる、実走可能な電動プロトタイプ「DS E-テンス パフォーマンス(DS E-TENSE PERFORMANCE)」を発表した。

DS E-TENSE PERFORMANCE

将来の電動市販モデルに向けた実験室に

最高システム出力815hpを発揮するハイパーEVプロトタイプ「DS E-テンス パフォーマンス」のエクステリア。
DS E-テンス パフォーマンスは、フォーミュラEに「DSテチーター」として参戦するDSパフォーマンスが開発・製作を担当。将来の市販化に向けた、走る実験室となる。

DS E-テンス パフォーマンスは、2018-19年、2019-20年と2シーズン連続でフォーミュラEのドライバーズ&チームズタイトルを獲得したDSパフォーマンスが考案・開発・製作を担当。

カーボンモノコックをベースにダイナックなシザードアを採用し、最高システム出力600kW(815hp)を誇る2基の電気モーターに4輪駆動システムを組み合わせた。シャシー、パワーユニット、バッテリーはフォーミュラE由来となる革新的なテクノロジーが導入されており、DSオートモビル/シトロエンのフル電動量産モデルの開発における“走る実験室”としての役割が期待されている。

DSオートモビルは、世界的に拡大するEV市場において主導的な地位を確立するため、モータースポーツ部門のDSパフォーマンスが持つ豊富な専門知識を活用。次世代モデルのデザインやテクノロジーに導入すべく、様々なテストを行うため、今回のプロトタイプを開発した。

DSパフォーマンスのディレクターを務めるトーマス・シュヴォシェは、DS E-テンス パフォーマンスについて次のように説明する。

「我々の目的は、フォーミュラEで得た経験と専門知識を、将来的な高性能EVの開発プロジェクトへとフィードバックすることにあります。コンポーネントの動作状況を分析し、将来の製造を視野に入れた開発を行うための“走る実験室”なのです。また、コストを下げながら、製造を容易にするための解決策を見つけ、生産モデルへの実装を検討することも考えられています。これらの開発から、様々な利益を得ることができるでしょう」

600kWを発揮する2基の電気モーターを搭載

最高システム出力815hpを発揮するハイパーEVプロトタイプ「DS E-テンス パフォーマンス」のエクステリア。
フォーミュラE由来のカーボンモノコックには、こちらもフォーミュラEにおいて開発された2基の電動モーターを搭載。最高出力600kWを発揮する。

DS E-テンス パフォーマンスは、フォーミュラEのシングルシーターレーシングカーで使用されているカーボンモノコックを採用。サスペンションは、フォーミュラEが行われる起伏の激しい市街地サーキットや、どのような天候下でも、最高のグリップを確保できるように設計されている。

パワートレインは、フォーミュラEのためにDSパフォーマンスが開発した2基の電気モーターを前後に搭載。最高システム出力600kW(フロント250kW・リヤ350kW)、最大トルク8000Nmを発揮する。600kWという前例のない回生能力が与えられており、エネルギーを最大限に活用することを目標に掲げた。安全のためにディスクとパッドを備えた通常のブレーキシステムも搭載しているが、制動時には回生システムのみが使用される。

コンパクトなバッテリーは、DSパフォーマンスによって設計されたカーボン&アルミニウム複合材に収められ、重量配分を最適化するために後部中央セクションに配置。バッテリー自体はフォーミュラEからのフィードバックを得て、トタル(Total)とその子会社であるサフト(Saft)が共同開発している。

このバッテリーセルには、共同研究開発により、市販モデルには採用が困難とされているセル用没入型冷却システムを採用。これにより最大600kWもの放出と回生を繰り返すことが可能で、こちらも次世代の生産モデルへの導入を目指している。

未来を思わせるカラーとエクステリア

最高システム出力815hpを発揮するハイパーEVプロトタイプ「DS E-テンス パフォーマンス」のエクステリア。
独自の表現を採用したフロントセクションや、まるで玉虫の羽のように見る角度や時間によって色が変化するエクステリアカラーが採用された。

エクステリアデザインは、DSデザイン・スタジオ・パリが担当。フロントには、従来のグリルの代わりに新たな表現処理が採用された。こちらはコンセプトモデル「DSエアロ スポーツ ラウンジ(DS AERO SPORT LOUNGE)」でも導入されており、「DS Automobiles」のロゴを立体的な効果で組み合わせ、まるでショーウィンドウような特別なウェルカムシークエンスが表現された。

空力を意識したボディラインに合わ、ビートルエフェクトの干渉色を導入。エクステリアの状況や見る角度によってカラーの印象が変わり、ボンネットに広がるグロスブラックのサーフェイスと印象的なコントラストを描く。21インチ・ホイールは、ユニークなインサートが施された空力処理が施されている。

コクピットには、バケットシートやフォーミュラEから導入されたステアリングホイールなど、ハイパフォーマンスカーらしい装備を採用。これにブラックレザーのトリムインサートが組み合わせられたことで、ラグジュアリーさと快適性にもこだわりを持たせている。また、フランスのオーディオメーカーのフォーカル(FOCAL)は、DS E-テンス パフォーマンス専用のサウンドシステムとスピーカーを開発した。

ベルニュとダ・コスタが実車でのテストを開始

最高システム出力815hpを発揮するハイパーEVプロトタイプ「DS E-テンス パフォーマンス」の空力を意識したホイール。
フォーミュラEのワークスドライバー、ジャン=エリック・ベルニュと、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタが実際にステアリングを握り、サーキットや公道テストを行う。

2022年2月から、DSパフォーマンスは、DS E-テンス パフォーマンスによる最初のテストを実施。DSのアンバサダーであり、DSテチータのワークスドライバーのジャン=エリック・ベルニュと、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタが、プロトタイプのステアリングを握って様々なデーターをフィードバック。テストはサーキットだけでなく公道でも実施され、その様子やデータは今後公開される予定だ。

また、1台限りのプロトタイプとして製造されたDS E-テンス パフォーマンスは、NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)形態でも販売。プロトタイプの発表からパリ・モーターショーまでの期間(2022年2月7日~10月23日)、偽造不可能なデジタルデータとして、4種類がオークションに出品される。

ゲームメーカーのGOATi エンターテインメント(GOATi Entertainment)が開発した「DS E-テンス パフォーマンス NFT」は、Pavillionプラットフォーム上で走らせることができるという。

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