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McLaren 720S GT3X
ロブ・ベルのドライブで1秒差をつけて優勝

今回のグッドウッドにおいて、最も大きなセンセーションを巻き起こしたのが、マクラーレンのファクトリードライバーのロブ・ベルがドライブした720S GT3Xだった。
ベルは720S GT3Xで、タイムド・シュートアウト・ファイナルに出場し、最高出力720psを発揮するサーキット走行専用モデルで究極のパフォーマンスを正確に発揮。45秒01というタイムで、ライバルに1秒以上の差をつけウイナーに輝いた。
マクラーレン・オートモーティブのマイク・フルーウィットCEOは、720S GT3Xの優勝について次のように喜びを語っている。
「タイムド・シュートアウト・ファイナルでの優勝は、素晴らしい2021年のフェスティバル・オブ・スピードを締めくくる完璧なフィナーレとなりました。ロブ・ベルが素晴らしい走りを見せ、720S GT3Xの優れた性能を存分にアピールしてくれました」
「また、発表されたばかりの新型アルトゥーラや注目のエルバなど、多くの車両を展示・走行しました。今回、お客様やファンの皆さんと再び直接お会いし、マクラーレンのすべてを楽しむ素晴らしい機会になりました」
サーキット専用モデルのマクラーレン 720S GT3X

720S GT3Xは、マクラーレンのモータースポーツ部門「マクラーレン・カスタマー・レーシング」が独自に設計・開発したサーキット専用車両。FIAのマシン規定や選手権のホモロゲーションに縛られない、純粋なトラックカーとしての使用を想定しており、720S GT3をベースにパワーとパフォーマンスを向上している。
ハンドビルドされた4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジン「M840T」は強化されたシリンダーヘッドとピストン、「ダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)」コーティング、軽量パフォーマンス・エキゾーストシステムなどを備えた独自の仕様を採用。最高出力はロードカーと同じ720psながら、30psのブースト機能を備え、ギヤボックスは6速シーケンシャル・モータースポーツ・トランスミッションを組み合わせる。
重量はわずか1210kgにすぎず、快適装備やラグジュアリーな装飾パーツはすべて取り除かれている。これらの改良により、720S GT3Xは1トンあたり620psという驚異的なパワーウェイトレシオを実現した。ボディワークはすでに多くのレースで実績を持つGT3仕様をベースにCFD(数値流体力学)とF1の風洞試験を用いて開発され、シャシーとエアロダイナミクスの特性をさらに引き出すことでサーキットでのドライビングを最大限に楽しむことができるモデルへと仕立て上げている。
ブルーノ・セナがアルトゥーラでデモランを披露

720S GT3Xが素晴らしい走行シーンを披露したことに加えて、マクラーレン初のプラグインハイブリッド(PHEV)スーパースポーツの「アルトゥーラ」もグッドウッド・ハウスに登場。元F1ドライバーのブルーノ・セナが、GT、765LT、620Rと共にアルトゥーラをドライブした。
また、チーフテストドライバーのケニー・ブリックが、エルバを駆ってデモンストレーションランを行っている。